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ちょっと社座談会!ChatGPT Plusを全社導入してみた!

こんにちは。
ちょっと社 広報のyuiです。

ちょっと社では二週間に一度、ライブ配信で座談会を行っています。
今回はゲストに増井 雄一郎さんをお迎えして「ChatGPT Plusを全社導入してみた」というテーマで座談会を開催しました!

2023年3月28日現在の内容です。

今回お話ししてくれたのはこちらの方々です。

ゲスト
増井 雄一郎さん
Bloomというマーケティングの会社でCTOをしています。その前はToretaという飲食の予約管理の会社で創業からCTOをしていました。あとは色々なハッカソンで審査員をしています。ChatGPT周りだとSlackの発言を要約して1日に1回投稿してくれるツールなどを作っています。

伊藤
ちょっと社では技術基盤部という部署に属しています。
エンジニアが多い会社で、全社横断でエンジニアの色々な作業を効率化したりなど色々なことをやっている部署です。

平岡
ちょっと株式会社でフロントエンドエンジニアをやっています。インターネットの世界ではすてぃんと名乗ってます。僕も技術基盤部で伊藤さんの部下です。

小島
ちょっと株式会社CEO。今回の座談会も進行をしています。


小島:どのようにChatGPTを業務で使っていますか?

平岡:僕は知らないことの足掛かりに使っています。新しいことをやろうとした時に、これはどういう意味なのかを聞き、このようなコードを書いたらできますよと教えてもらい、そこからそれについて改めて自分で調べてみるというような感じで使ってます。ChatGPTはタブで開きっぱなしにしていつでも聞けるようにしてます。

伊藤:僕はコーディングで使うことが一番多いです。これはChatGPTだけじゃなくてCopilotもですが、単純にコードを書いてもらうという使い方が多いです。
会社の他のエンジニアともどういう使い方をしてるか話したことがあるので簡単に紹介します。
単純作業をやってもらう、コードを書いてもらうなどの作業をやらせる系は多くて、JSONデータとかも作れるのでダミーデータを作ってもらったり、都道府県データとか、あまり動かないようなマスターデータとか、設定ファイルみたいなものを作ってもらうなど。他にも例えばテストコードを書いてもらう、リファクタリングしてもらうなど、作業やってもらう系の使い方はボリュームとして多かったのを感じました。他にも、平岡氏が言ったような教えを乞うといったこと。今までは詳しい人に隣で教えてもらうことが多かったと思うんですが、人が相手じゃなくてもChatGPT相手に教えてもらう。最新のデータなどは今は使えないと思うんですが、教えを乞う系が多かったです。あとは、コミュニケーションの壁打ち相手になってもらうというのも。例えば英語のコミュニケーションの練習相手になってもらうとか、相手になってもらう系が結構多かったと思います。

小島:エンジニアチームだけではなくデザインチームにも使ってもらっていますが、壁打ちのように使ってることが多いですね。ターゲットユーザーの人物像を出してくださいなどと使っていたり、そういう事例があったり。あとこれはまだ実用的じゃないなと思ったんですけど、ChatGPTでSVGが出力できるので、それでロゴを作ってみようみたいなことを試しにやってましたね。

伊藤:グラフィックだと他にもUMLを出せますしね。

小島:GPT-4だとそれっぽいのが出来上がってて。どういう仕組みでこれが出来上がってるのか全然わかんないなって。

増井:同じデータがネットにないですかね。何かを持ってきてる気がしますね。

小島:引用をうまいことやっているんですか?

増井:そうですね。コード生成系も結構な部分がコピーと変数名の変更ぐらいなので、これも他からまるっと何かのサンプル持ってきてる可能性は結構あるかなと。

小島:まだ実用的じゃないっていうか用途としては違うのかもしれないですね。増井さんは普段お仕事でどのようにChatGPTを使っていますか?

増井:コードを書くときは僕も使ってるんですが、自分でVScode用のエクステンションを 書いてあって日本語で箇条書きするとコードをそのままVScode上で展開してくれたりとか。コードを書いたものに英語でコメントをつけてもらうことなどの支援によく使ってます。Webの方は機密情報が突っ込めないっていうのはかなり大きな問題で、今それで3.5は専用のWebインターフェースみたいのを作ってて、来週か再来週ぐらいに出そうとは思ってるんですよ。ChatGPT3.5まででAPI使ってデータを取られないようにするといったこと。
この前聞いたのは、婚活してる友達が悩んでたから男性の清潔感とは何かっていう質問とか、清潔感をキープするために毎日毎週毎月でやることをあげなさい、みたいなことをあげて遊んだりとか、一旦考えたことを整理するためにGPTに壁打ちみたいに聞くっていうのは結構多いですね。おかげでGoogleで検索する部分がまるっとなくなった感じですね。

小島:僕もこの間ダイエットについて何度かやり取りをしました。結構的確なアドバイスをもらって。でもこんなことはできないなって思いました。

増井:やれることとは違いますね。他の例えだと、ユーザーインターフェースとマンマシインターフェースとユーザーエクスペリエンスの違いは何なのかを聞いたりしてますね。

伊藤:専門書や自己啓発書など本で今まで得ていた情報も代わりになりそうですよね。

小島:だから引用はしてるんだろうけどしっかりまとめた情報になってくるから読みやすいですよね。

増井:人によって読みやすさも違うので、前にTwitterで見たのは、アニメキャラクターの女の子2人が交互に話をしてるようにして説明してほしいと言うとすごい頭に入ってくると書いてる人がいました。聞き慣れたフォーマットにすると聞きやすいので。アニメキャラのキャラクターに合わせて、ある程度内容を変えてくれてるのでそういうのに合わせて理解がしやすかったりとか。わかりやすさも人によって違うところが指示さえすればそれに合わせてくれますよね。

小島:キャラクターが激変するって拝見したことないんですが、そんなに変わるものなんですか?

増井:僕よくネタでやりますよ。最初の頃によくデモでやったのは「上司へ寝坊した時の言い訳メールを書いてください」って書いて、その後に「僕は松岡修造です」って書くとすごいテンションの高いやつになったりとか。「僕はドラゴンボールの孫悟空です」って言うと「押忍、オラ孫悟空」って出てきます。ちゃんと再現してるねっていうネタをよくやってました。時々ブレることもありますが笑

小島:すごくいいですね!有名キャラクターは大体いけそうですね。

小島:CopilotとChatGPTを並行で使ってる中で、どのように使い分けてますか?

平岡:インターフェースが全然違ってVScodeにネイティブに結合されているというか。そのままVScodeのインターフェースとして操作できるので、コード書くときはもうCopilotありきで書いてますね。タブキーをしたらコードをパッと書いてくれるみたいな使い方をしてます。リファクタリングする時はCopilotだとリファクタリングの機能がまだないんですかね。リファクタリングする時はコード範囲をまるっとコピペしてそちらはChatGPTに投げて、これはもっと効率いい方に書き換えてみてって言って提案をもらったりしますね。

伊藤:一応Copilot Labsにはリファクタリングなどの機能もあります。

小島:それって新しい機能?β版みたいなやつ?

伊藤:メインのCopilotっていう拡張機能とは別の拡張機能になっています。名前の通りLabsなので先進的な、実験的な機能が先取りして搭載されています。βですが順番待ちの機能を使えるとかそういうわけではないと思いますけどね。

小島:Xが発表されたしこれからもっといろんな機能が出そうですね。

増井:この前GitHubの人に少し見せてもらいました。Xは思ったより開発は進んでないなと正直思いました。おそらく結構先行して発表していて、ウェイトリストに行ったらもう4月には使えるようになりますという感じではなくて、これからというもので戦略的に結構早く出したんだろうなっていうのはあります。
ただチャット機能みたいなので普通にVScodeのタブの一つの中にチャットが開いていて、そこのソースコードに書かれていることをベースにこういった関数を呼んでるのがどこだとか、こういったアルゴリズムで落ちそうなところはどこかとかっていうのを探してもらったりとか、コードの説明をしてほしいとかっていうのをこのファイルに書かれてるコードの説明を日本語でして欲しいって言ったら日本語ももうサポートしていました。
GPTの標準的な機能をサポートするのは結構できているし、技術的にもそんなにジャンプがないので多分比較的早めに搭載されると思うんですけど、あれ見るとあれなしではもうコードは書かないんだろうなって思うんですね。

小島:例えば複数チームでやってて結構大きなソースコードの塊を見るときに学習コストがすごい低かったりするんですかね。いきなり行かれても結構そのアシスタントがいるから
マッチアップできるみたいな。

増井:なるんじゃないですかね。もしかしたらまだわからないですけど、できそうなことは人と書き方が違ったりとかこういったアルゴリズムを近くで使ってるからそっちを使えとか。それこそリファクタリングの中でこれは別の関数使った方がいいよみたいな話とかそういうのも多分十分できると思います。

小島:もうそれが普通になったらもう全然今と違いますね。

増井:普通に生産性3倍ぐらい違うんじゃないかと思いますけどね。勘がいい人であればプログラムを数ヶ月習った後に、そこそこのコードを書くっていうことは多分できるんだろうなと思います。特にプルリクエストのレビューとかも自動化されていくのでここはこう返した方がいいよっていう赤ペン先生みたいなこともできてくるってなるとやっぱり一人当たりの生産性は相当高くなる。もしくはユーザーサイドで少しできる人がいると結構なことができるようになるみたいなことは十分あるかなと。

小島:GitHubだけじゃなくてMicrosoft製品全部Copilotを入れていくみたいなノリですね。色々先行して発表してると思いますが、Word、Excel…

増井:Power BIとか結構大きいですね。データサイエンティストに頼んでいたような、こういう条件のこういう情報を教えてくださいって言って教えてもらった後に、さらにこれを男女別で分けて年齢別でのグリッドを作ってグラフにしてくださいみたいなことがテキストでできますね。

小島:グラフをよしなに作ってくれるとかめちゃくちゃ良さそうですよね。あとは、NotionっぽいLoopっていうMicrosoftのノートアプリ。あれもだいぶそれを入れてくるみたいだし。あとTeamsを作り直すといったような発表がさっき出てて。Copilotありきで全部作り直すみたいです。

増井:作り直してほしいですよね。世界中で思ってますよ。

小島:だからもう先行して中の方では色々試してるんだろうなって感じですよね。

増井:だからマイクロソフトはすごいですよね。Windowsから1回Webに移って凹んだのに結局Azure(クラウド)で戻ってきて、並びかけたかと思いきやここで一気に攻勢かけていて会社としてすごいなと思いますね。

小島:こんなに一気に来ると思わなかった。パンドラの箱が開いてしまったっていう感じです。増井さんはAIを去年ぐらいから触ってたという話を聞いたのでそこら辺の話を伺えればと思います。

増井:僕がAIを触ったのはこういうことをやるつもりで触ってたわけじゃないんですよ。個人的に祖母のために補聴器を作りたくて機械学習やってたんですよ。そう思ったのも去年の8月ぐらいだったんですよ。初めは色々なAPIとか出てるじゃないですか。そういうのをベースにやろうと思ったら全然できないことがわかって。オライリーの「ゼロから作るDeep Learning」という本を勉強して多分20年振りぐらいですよ。本1冊写経してプログラム全部手で打ち込んでやるのは。一通り機械学習のことを覚えたところでちょうどChatGPTが流行り始めたみたいな感じですね。なので結構内部の構造のトランスフォーマーというメインのアルゴリズムについて一定理解ができる。あと単語表現でEmbeddingって結構中心的な技術のもう一つがあるんですがそれとかは一通り理解ができるようになったっていうので、ちょうどいいタイミングでした。

小島:ChatGPTがリリースされたのって11月ぐらいだと思うんですけど、その直後もちろん触る人は触ってる人がいましたが、今ほど大騒ぎにはなってなかったと思います。ブレイクのきっかけって何だったんですかね?

増井:何なんでしょうね。ぼちぼち話題にはなってましたけど、世界的には結構リリースから早い段階で人数が増えてました。ChatGPTのことはChatGPTに聞けないんですよね、学習データに入ってないから。
1週間で100万ユーザーぐらいで、1ヶ月で1億アクティブユーザーとか言ってるんで11月も30日だからまあ日本でも結構早く流行りましたよね。

小島:11月30日に公開されて1月にはもう1億人アクティブになってるんですね。Facebookは4年半だったのにChatGPTはわずか1ヶ月ですね。

増井:OpenAIの人たちも予想外だって言ってましたしね。 

小島:GPT-4が先月だったかな。早すぎてついていけない。3月14日。まだ2週間しか経ってない。

増井:まだ2週間しか経ってないんだ。すごいですね、2週間で。相当変わりましたね。出典は忘れたんですけどGoogleのトラフィックの5%ぐらいを奪ったって話があるんですよ。

小島:僕もTwitterで誰かグラフをあげてるのを見ましたけどもGoogleのトラフィックがガーって下がってるのがあって。SEO対策とかやってるお客さんに先週ぐらいから急にアクセス落ちてさって言われて。でもリアルに数字が2、3割落ちててこういうことなのかなと。原因はわかりませんが、前にGoogleのアップデートもあったんですよ。なのでそれも関係してるのかなとは思いつつ。これまでアップデートの影響はあまり受けなかったサイトとかが影響を受けてやはり影響出てるのかな。ジャンルによっては結構大きな影響が出てるのかなと思います。

小島:増井さんはこれまで色々キャッチアップしてたことがちょうど生きてる感じですね。その後色々作ってたじゃないですか。他にはどんなものを?

増井:今仕掛けてるのは3つあって1つはChatGPTの後ろをAPIにしたもので、個人情報とかいろんな情報を学習に使われないようにしたりとか。また今、オープンソースでローカルで動くGPTモデルに近いようなLLaMAなどのモデルが出てきてるので、そういうもので差し替えられるようにするインターフェースのツールを作ろうっていうのがまず一つあります。
もう1つは、スパムも含めメールってたくさん来るじゃないですか。メールのプロセッサーみたいなものを作ろうと思っています。Gmailだと転送が簡単にできるので転送してもらう。例えば僕に関係するもので僕が大事だと思いそうなことについてはSlackにまとめて通知してくれるとか。メールのインボックスを読みに行かないでそういう通知を要約して受け取るっていうだけのツールを作りたいなって。 
あともう一つ、これテキストを読む量が結構増えるじゃないですか。要約されるから減ってはいるんですけど、どのように消費するのかっていうインターフェースはまだここから結構チャットのインターフェースが最適ではないっていうのはあって。例えば入力についてはフォームの方が便利なこともあるし、出力についてはそのグラフにしたり絵にしたりとか、Webページのようにしたりチャットのように細かく答えてくれたりっていうので違うインターフェースを模索したいなと思っていて。会社に行く途中に、昨日会社であったSlackまとめみたいのをラジオみたいに聞きながら通えるようにしてくれるっていうインターフェースを今作ろうとしています。今年の残り3ヶ月ぐらいでそれをリリースする感じですね。

小島:僕もチャットで使ってて、例えば表を作ってねとか、箇条書きにしてねとかそういうアウトプットの手段を選んで回答してもらったりしてるんですけど、本当は最適じゃないなと思ってて。基本的にそこもやってくれればいい。しかもチャットで返ってくるんじゃなくてエクセルでデータで出てくるとか必要だなと思ってて。
あとイメージしてるのはアイアンマンってマスクみたいなのをかぶってるじゃないですか。しゃべるとそこに色々映るんですよ。AIのアシスタントがいろいろ映し出してくれるんですよ。その回答内容がそれぞれ自動的に生成されるんで、人の顔がこう映ってこの人は〇〇さんだよみたいなのが自動的に出力されるんですけど、そういう風に今後なるんじゃないかなと。

増井:だから問題は今は大規模言語モデルなんですよ。基本的には今はテキストからテキストが多くてGPT-4は画像が入力できるようになるし、Stable Diffusionはテキストtoイメージなのでそこら辺を組み合わせて高度にするのはもう少し先には出るだろうなと思います。どう学習させるかがすごく難しい。そこは機械学習でやるっていうよりも出力したフォーマットを見て、プログラムの中で「これはグラフにした方がいい」「これは動画にした方がいい」「これは喋った方がいい」みたいなことも判別はプログラムで書くようになり、1本のAIでやるっていう風にはならないんだろうなと思います。

伊藤:中間出力みたいなものを出して、それをコーダーのプログラムがよしなにAIかもしれ ないし、違うかもしれないし、変換していくということですよね。

増井:そうです。中間形式は今のところテキスト。内部的にはベクトルで持ってはいるけどそれは難しいので、一旦数字とかテキストに落とすんだろうなと。
あと、まだこれはデモでは見せてもらえなかったんですがCopilot Voiceという音声入力できるものも作るらしいですね。カーソルあててメソッド名何だっけなってところにメソッド名が出るとか。この変数って何が入ってるんだっけって言うとそれを調べて表示してくれるとか。インターフェースがキーボードでやらないということ。
僕も今ChatGPTを家で使う時は音声入力してるので、音声入力みたいなものが結構増えるんだろうなと思います。そういう意味で個人的にやってみたいのはリップリード。読唇術みたいな形で口の動きから何喋ってるか生成するもの。これも結構前に研究が進んでてFacebookとか結構いいエンジン出してるんですよ。そうすると仕事中に会社でみんなでパソコンに向かって ボソボソボソボソつぶやくようになる。怖いですね。
でも1年後のエンジニアはみんなGitHubと喋りながら仕事してる可能性が大いにあるんで。
リップリードで何を喋ってるか読んで会議の途中とかにも、検索してほしいキーワードは声を出さないで言うとそれが検索されて表示されるとか。そういったインターフェースも作れたら面白いなって思う。

小島:リップシンクで喋りづらそうだな。

増井:リップリードは慣れるとできると思うんです。キーボードを打つよりは楽ですよ。キーボード打つって相当不自然なことなので、あれができるなら大抵のことができますよ。

伊藤:結構SFとかファンタジーとかよくありそうだなって。テレパシー的な通信手段があったりする世界では口に出さずに喋るのもスキルの一つみたいな感じ。攻殻機動隊の世界ですよね。

小島:一応イーロンマスクが脳からつなぐインターフェースも出してますよ。そのうち口元じゃなくても頭で考えてたら勝手に生成されることがあるんだろう。

増井:今、目の情報を脳の電気情報から取るとかっていうので画像に起こせるみたいなディープラーニング使ってやってますといった研究もありました。頭にジャックで埋め込むっていう世界も本当に来るかもしれないですね。

小島:体に埋め込むのは来るかもしれないですね。

増井:それでキーボードを打たなくなるんだったらそれでもいいかなって気もしますしね。

伊藤:そういうのが来るとしたら多分僕らじゃなくてもっと若い子たちがターゲットになりますよ。おじさんたちは脳が衰えてるんであまり協力できないです。

増井:そういう意味では弱ってる人でも使えるっていうのと実体実験として僕らは若い人たちの未来よりは僕らの未来の方が短いからやる可能性はありますね。僕は真っ先にやりますね。
あと教育は相当変わるでしょうね。プログラミングだけじゃなくて家庭教師。完璧な家庭教師。絶対に怒らなくて聞いたら何でも答えてくれる、僕のことは趣味のことも全部理解してくれてる家庭教師がずっとついて教えてくれるわけで。これは学習としては相当変わるだろうなと思う。
一応GPTは出力に癖があるのでGPTかどうかっていうのをかなりの確率で判断するアルゴリズムはあるんですよ。なのでただそれがGPTはGPTとかっていう風になるのでじゃあLLaMAで組んだのが判断できるかって多分そうはならない。そこからそういった規則性ノイズを弾くとかっていうツールが出てきてイタチごっこが続くんだろうなと思って。

小島:どうやって判断してんだろう。

伊藤:テストとか資格とか、教育もそうですけどズルしようという怠けへの誘惑みたいなのがずっと付きまとうじゃないですか。そういう中でそもそも試験の立ち位置とは何か、その教育の立ち位置みたいなところを考えていかないといけなくなってきそうですよね。どの業種でもですけど根源的なモチベーションは何なんだろうというところを考えていく必要があるのかなと思います。

増井:そういう意味で面白いのが、学習をさせていく時って例えば数学のスコアって学習させていくと、例えば色々な問題が解けるようになって学習のレベルが進んでいくと同じ問題がどんどん解けるようになっていくわけです。だからこの前もあった司法試験のスコアとかが学習レベルが上げればどんどん上がっていくわけですよ。 例えば数学のスコアを勉強させていくと特に数学が結構早い段階で限界に達するんですよ。あまり言語モデルと数学の相性が良くないので。結構早く伸びるのが落ち着くんだけど、実は同時に国語とか社会みたいな別の科目の勉強と一緒に混ぜて色々勉強させると、あるところで数学のスコアがポンと上がる瞬間があるんですよ。これは人間でもあるじゃないですか。昨日はずっと考えててもわからなかったことが次の日何も新しく勉強していないのに次の日ある時突然解けるようになっているとか。昨日何度読んでもわからなかった国語の話が数学をやったあと、ある日突然わかるようになってるみたいな感じで。これってAIで同じことが起こるんですよ。だから今までGPTとか大規模になる前は、例えば数学なら数学の学習だけをさせて、数学に特化したAIを作り、法律なら法律に特化したAI、プログラムならプログラム特化したAIを作った方が効率がいいって 思われてたんですよ。要するに専門家を作ればいいと思ってたんですね。だけど一定色々なことを勉強した人が、追加でプログラムを勉強する、追加で数学を勉強するって方が覚えなきゃならない絶対量は増えるんですけど、スコアは歴然と良くなるって事が分かったのが結構大きな違いで、今回のGPTみたく汎用の人工知能みたいなものが 今すごく盛んなんですよね。
数学とか国語とか社会とか理科とか、あまり使わないんじゃないですか。僕だってヘクタールとかもちろん使うことないわけですよ。だけど社会のことなんて別に歴史のことなんか覚えてなくてもいいんだけど、いろんなことを覚えるって事が専門性を獲得する時にも絶対に大事だっていうのがAIでも同じだったっていうのは僕にとってはすごく面白いことだなと思っ ていて。だからAIができたから学習しなくていいってことにはならないんです。むしろよく言ういろんなことを学ばせなさい。キャンプに行ったりとかいろんな体験をしていることは実は正しい。いろんなことを勉強するっていう機会をどう作っていくかと、幅広いこと。特に今度から知識のサポートがつくようになった以上もっと幅広くのことをいろんな体験をするってことが、特に子供が勉強する上で大事なんだなっていうのはAIの色々な勉強など自分でやってみてるうちに感じますね。

平岡:AIの方が人間味があるような気がしてきますね。

増井:100%観測可能で再現ができて学習させられるものが今までなかったから 教育も随分進んだと思うんですよ。研究が今みたいなことって、子供を1000人置いてイコール環境にして育成状況を図りましょうとかできない。

小島:どうやって育つかシミュレーションができるかもしれない。

増井:知性については、どこまで人間とイコールなのかわからないけど一定近いものがあるとすれば参考にはなるんじゃないかなって思う。

伊藤:すごく興味深いですね。教育者も新たなスキルが求められる大変な時代になってくるっていう一面もあるけど、新しい手法とか教育の新しい手法とかも生まれやすくなりますね。

増井:だから今回のことはどれくらいのインパクトかっていうと、初めスマホぐらいかなと思ったんだけど、そもそもパソコンのあるなしぐらいの違いの社会的インパクトはここ3年とかで出るんだろうなっていうのは思っていて。それは使えることもそうだけど、今言ったみたいに人間の知性とか理解に対する人間側の理解が飛躍的に上がるので、本当に学習とか子供とかそういったものも含めた僕らのいろんなことのやり方そのものがAIを使わないとしても大きく変わるんだろうなと思う。

伊藤:そうですね。

小島:今回の内容をまとめると、すごいワクワクもするし、なくなる仕事もきっとあるし新しく生まれる仕事もあるだろうし。これからどうなっていくのか楽しみですね。

増井:僕はすごく楽しみです。


長くなりましたが座談会の内容は以上です。

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