NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』のタイトルロゴが凄い!
こんにちは、ちょっと株式会社CDOの久保田です。
タイポグラフィーは見るのも作るのも大好きです。壁にぶち当たって大嫌いになる時期が繰り返しやってきて、ぐるぐる3周以上は回って、今現在は大好き期間の真っ只中にいます。(2022年3月時点)
最近好きなデザインの一つがNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のタイトルロゴです。
ドラマを毎週欠かさず見ていますが、OPクレジットシーンの最後に出てくるタイトルロゴが抜群にカッコいいんですよね。
CGメインにしたOPシーン自体がカッコいいんですよ。これまでの大河ドラマっぽくない感じ。
NHKって民放各社と比較してデザインが鋭いですよね。よく参考にしています。
既成概念を打ち破るチャレンジと細かいデザイン処理
担当されたデザイナーが誰だ〜とか、ベースのフォントがアレだ〜とかって専門的なことではなくて、このタイトルロゴの凄いところは「大河ドラマ=筆文字!」って既成概念に真っ向勝負しているところ。
今の時流に即した洗練されたデザインに仕立てていて、大河ドラマっぽくないってネガティブな意見も想定した上でのチャレンジだったのではないでしょうか。
そして、このタイトルの最重要ポイントが大河ドラマ史上で初めて使われた算用数字「13」。
その特徴的な部分を最大限際立たせるデザインになっています。
パッと目立つのは「人」だけを下段に落として「13人」を縦組みにしているところ。
このストーリーの軸が13人の群像劇であることを伝えてくれます。ものすごく印象に残る組み方です。
もっと細かく見ると「倉」なんかは作字に近いアレンジが施されているっぽい。
「人」を改行扱いにすることで「殿」をセンターにすることができ、その「殿」の字幅に揃えて「大河ドラマ」を太い書体で配置。
アクセントとして流れている英文タイトルの気持ち良い文字間。
シンプルに見えて随所に細かいデザイン処理されているタイトルロゴだと思いました。
大画面化が進むテレビモニタの大きさ、そして他のポスターなどへの展開も考えてチューニングされたんだと思います。
相当な時間と手間が掛かっているはずです。
タイトル表示は最初の見どころ
大胆に遊べるキャッチコピーとは違ってタイトルは表題となるシンボルなので、視聴者にしっかり読ませて認識させる必要があります。
しかし、最近のテレビや映画などでは、敢えて主張を弱めたデザインのタイトル表示が多くなっているように思います。
これは大型化が進んでいる画面いっぱいにタイトルを大きく見せるためのディティールの処理やバランスの取り方など、デザイン的に難しくなっているのかも・・・って邪推してしまいます。
大半が劇中前半に出てくるタイトルの扱い方、ここに注目してみると作品全体の印象も変わってくるかもしれません。
(最後に出てくるパターンも大好きです)
この『鎌倉殿の13人』を見て「やっぱりタイトルってド〜ン!と大きく見せるのってカッコいいよなぁ」って改めて気付かせてくれました。
数年前にスクリーンで観た映画『君の名は。』のタイトルシーン、A1明朝ベースのタイトルロゴの圧倒的な美しさを思い出しました。
また気になったタイポグラフィがあれば取り上げていきます。
それでは。
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