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はじめての関東大回り乗車(午前)

11月の祝日、親子で芦ノ湖へワカサギ釣りに行く予定が、一日中土砂降りの雨ということで、前日に舟をキャンセル。せっかくの秋の祝日ということで、急遽、はじめての大回り乗車を決行することにしました!

大回り乗車とは…

大回り乗車とは、簡単に言えば、初乗り運賃で、ぐるっと大都市圏の電車を乗り継いで戻ってくるというものです。例えば、山手線初乗り運賃140円で、東京から神田まで内回りで1.3km、1分強で着きます。しかし、逆方向(外回り)で神田に行っても、約33km、1時間前後かかりますが、同じ140円で、不正乗車ではありません。分かりやすく言えば、これを拡大したものが大回り乗車です。
なぜこのようなことが可能かは、下記のJRの特例によります。

大都市近郊区間内のみをご利用になる場合の特例
図のそれぞれの大都市近郊区間内のみを普通乗車券または回数乗車券でご利用になる場合は、実際にご乗車になる経路にかかわらず、最も安くなる経路で計算した運賃で乗車することができます。

重複しない限り乗車経路は自由に選べますが、途中下車はできません。途中で下車される場合は、実際に乗車された区間の運賃と比較して不足している場合はその差額をいただきます。

JR HP 運賃計算の特例より
東京近郊区間

ということで、この東京近郊区間内であれば、重複しない経路(一筆書き)かつ、途中下車しなければ、問題なしということになります。
大回り乗車は、おそらく大都市圏に住む鉄トモさんの中では、定番なのですが、自分は上京してからもやったことはなく、いつかやりたいとは思いつつ、今に至るのでした。

前の晩までに、準備完了!

とは言え、慣れていなければ、即GO!というわけにも行かない。ネットの検索が正確な時代なので、時刻表も持たなくても良いかもしれないですが、鉄心を復活させた者としては、時刻表、全線全駅鉄道の旅(関東1500キロ)、国鉄全線各駅停車(関東510駅)(いずれも編集委員 宮脇俊三・原田勝正)を準備しました。

鉄道の旅、各駅停車のこの二つのシリーズは宮脇俊三氏、原田勝正氏による傑作!

そして、時刻表の検索地図をコピーして、前の晩にルートを決定しました。朝から晩までと行きたいところですが、初大回りで疲弊しないように、常連さんからしたら、「それは大回りじゃないよ、中回りでしょ(^^;」というレベルのゆるいルートにしました。

中回りルート⁈(都心→八王子→高崎→小山→大宮→都心) 

出発は「市ヶ谷駅」から

市ヶ谷駅6時5分発の総武線に乗るために、5時台の地下鉄に乗って、市ヶ谷に到着。こんな暗闇の人気のない市ヶ谷は初めて。初乗り140円の切符を購入して、四谷に向かいます。

明け方6時の市ヶ谷
初乗り140円切符

四谷から高尾行中央特快に乗りますが、さすがの天気で、車内を見渡せば、山登りの格好をしている人は1名のみ、あとはお疲れの様子の老若男女が新宿からバラパラと乗車。こちらは、しばし居眠りで、気が付けば、あっという間に豊田の車両基地の近く、雨の浅川の鉄橋を渡ります。

雨の浅川の鉄橋を渡ります

さて、久しぶりの八王子駅。ホームには駅そばはなかったですが、コンコースにある蕎麦屋は7時開店ということで、開店早々駆け込んで、天ぷらそば。寒くなってきた季節の駅そばは実に美味しい!

八王子駅 駅そば 揚げたての天ぷら、美味しかった!

ここからは八高線(ハチ公線ではありません)。昔は八王子駅を通れば、ディーゼル車が1番端のホームにあったのは記憶してましたが、いつの間にか電化されてました。

八高線 八王子駅 川越線直通の川越行

初めての八高線(八王子~高麗川)①

電化されたのは、八王子ー高麗川間で、96年(平成8年)ということで随分と前のことでした。さて、電車は、北に向かって、浅川、多摩川を渡り、雨の中を快走します。思っていたより乗客は多いですが、祝日の7時台、皆さん眠そうです💤
 拝島駅を通過して、横田基地を右に見ながら、八高線、唯一のトンネルを楽しみにしながら、横田基地の脇をかすめ、切り通しらしき所を通るも、そのまま箱根ヶ崎到着。アレっ?と思い、トンネル見逃すことはないだろうと思い、後日調べたところ、電化のため、トンネル部分のタッパが足りなくて、トンネル上部のコンクリートを取り除いてしまったとのこと。
 横田基地の前身の飛行場は戦争末期に突貫工事で作り、宮脇俊三も旧制高校2年生の時に動員されて、ブルドーザーのない時代、アリのように列をなしてリヤカーで土を運んだと記録しています。
 段々と森が深くなってきたと思ったら、高さのある鉄橋で入間川を渡り、飯能へ。西武線の上りのラビューを横に見て、しばらくすると高麗川です。
乗っている電車は川越線直通の川越行きなので、高麗川駅で乗り換えます。

初めての八高線(高麗川~高崎)②

ホーム向かいに、高崎行きの気動車、久しぶりのディーゼル車です。車内は、ロングシートと4人掛け、2人掛けのボックスシートがあり、広々としてます。やはり、ボックスシートが良い!

高崎行きの気動車 八ヶ岳山麓を走る小海線と同じ車両
車内 四人掛け、手前は2人掛けのボックスシート

さて、八高線の魅力ですが、
宮脇俊三は、
関東山地から出てくる川が作る谷口集落から成る街にある駅、拝島、東飯能、高麗川、小川町、寄居などを通り、山と平野を眺め、鄙びた駅舎、無人駅では垣根の合間から行き来する人を見ながら、まさに旅情を楽しめるローカル線と絶賛してました。
ここに、追加するなら、以下二つか…。
・西側の関東山地から流れ出る河川を鉄橋で渡り、個性のある川を何本も眺められること。
・西武線、東武鉄道、秩父鉄道など、昔はコンクリート部材を運んで(秩父鉄道はまだ現役)、今は人を乗せて、都心の発展に貢献している私鉄との分岐点を通ること

JR最高点を通る高原列車、小海線とまでは行かないまでも、里山風景残るエリアを快走する八高線。雨脚はさらに強くなりましたが、秋の里山と川の流れを見ながら走ります。(雨に濡れた窓はご容赦願います)

高麗川ー毛呂間
毛呂ー小川町 間(河川名??)
荒川
小川町ー寄居 間
神流(かんな)川

児玉駅を経て、神流川を渡れば、平野が目の前に広がってきます。そろそろ、高崎駅も近い。

北藤岡、倉賀野、そして高崎へ

さて、分岐と合流というところでは、八高線のこのあたりは微妙で、面白いスポットです。北藤岡駅は、高崎線のすぐ脇にある駅で、もともとは信号所。駅に停車したら高崎線がすぐそばを通っています。
そして、ここからは高崎線と線路を共有しているため、道路ならY字路なんですが、線路の場合はY字路ですと、簡単にはすみません。
例えば、高崎から北藤岡に向かう列車であれば、高崎線の上り(上野方面)に向かう線路を進み、一瞬、高崎線の下りの線路を通って、北藤岡に着きます。これって、知っているとひやひやするようなオペレーションです。
八高線の本数が少ないからできるのかもしれません。(好きな方には有名な部分のお話でした)
ということで、北藤岡を出ると、烏川の鉄橋を渡ります。

烏川の鉄橋

倉賀野を経て、車両基地が右側に見えてきたら、ゆっくり進入しながら、ようやく高崎駅に到着。ホームにはかぐわしきだしの香りが漂う駅そばが!
しかし、まだ11時にもなっておらずで、お腹もすいていないので、見送りました。午後につづく。

旅の味 八高線のホームにある駅そば


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