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#政党連合けやきの木 反オタク論

日時
2023年8月23日

出席者
首相同志(顧問)、ちょろけん(副代表)

議題
人生観の浅いオタクどもを眺める件

テンプレートとしての「教養」

―ここでいう「オタク」とは、インターネット上で見かけるがり勉で幼稚な者のこと、とひとまずしておく。

―オタクは、「教養」のない他人を見下す傾向にある。とりわけヤンキー=高卒の労働者層に対しては、3Kや作業服などといって、彼らの「教養」の欠如と「教養」から縁遠い生き方をあざ笑っている。だが、オタクはヤンキーを笑えないだろう。オタクのいう「教養」は、断片化された作品や事物のことで、それをテンプレートにして内輪で盛り上がっているのだ。「教養」は真の学問とはとてもいえない。オタクは人間的に、浅く、貧困である。それを見るとなんだかなぁと思う。

学歴、『山月記』、人生観

オタクの気色悪さは二つある。第一に、仲間内の言葉を堂々と使うところ。第二に、一般には理解しがたいコンテンツを、内輪で消費するところだ。

―オタクが口にするのは、SAPIX、学歴、タワマンのことか、そうでなければ淫夢と『山月記』である。これらの発言からは、オタクの人生観がどれだけ浅いのかよくわかるし、その自分の人生観を世間に通用するもののごとく思っているのがおかしい。

オタクの学歴偏重
―学歴を誇るのはおかしい。真の学問とは、問題意識をもち主体的に調査・研究することであって、大学はそれを教えるための場にすぎない。オタクは真の学問を身に付けているのか。本当に勉強したいのなら大学に行かなくても自分で学習することはできる。大学の名前にこだわるのなら、極東の島国の一流大学などではなくていっそ世界のハーバード大学にでも進学すればよろしい。そんな根性を見せてみろ。

―ところで「変な大学はつぶせ」とオタクは主張するが、変な大学を潰すなら、オタクのような変な大学生も同時に淘汰しなければいけないだろう。Fランといわれる大学であっても、人間を育て社会へ送り出す使命を立派に果たしている。それに比べて、「俺は慶応大!」「俺は京大!」と、学生証をめんこにして遊ぶオタクはなんと貧相なのか。Fラン大学で必死に勉強する大学生と、学歴ドヤりをする大学生と、どちらが人間としてまともなのか。

『山月記』の読みが浅い
―『山月記』はしょせんドヤりのコンテンツの一つにすぎない。『山月記』は高校の現代文の教科書にも収められているのだから、科挙に落ちて虎になる云々という話は、高校を出ていれば誰でもできる。むしろ、その虎と自分を重ね合わせ、『山月記』をまるごと受け止めるとか、物語に込められたメッセージとか、中島敦とはどんな作家であったのかとか、インテリの孤独を描いた他の物語はあるかとか、そういった方面に興味関心を広げるべきであろう。オタクは教養人をもって自認するのだから、それくらいやって当然だ。

本当にそのコンテンツが好きなのか?

コンテンツへの愛がない
―オタクのコンテンツは一般には理解しがたい。アニメのおっぱいが大好きなのは、正直にいって気持ち悪い。しかし、そんなコンテンツが好きだというのなら、少数派であることを認め、コンテンツに自分のすべてを懸けて、コンテンツのすべてを心の底から愛するのが真っ当な姿に違いない。もちろん、アニメのおっぱいが嫌いな人はたくさんいる。その批判には、「フェミニストが」「人権が」とウィキペディアでさらった知識をしゃべるのではなくて、性表現の享受と規制をめぐる過去の事例や他国の事例を研究して、コンテンツへの熱い思いを胸に抱きつつ、自らの信念にしたがって冷静に反論しなければならない。

オタク天動説
―だが、オタクを見ると、そこまで心底アニメのおっぱいが好きなようには見えない。勉強を重ね、「このアニメは立派な性表現だ!」と反論するならわかるが、彼らはそうしないから、コンテンツへの愛はしょせんその程度のものなのか。おっぱいであれば何でもいいんだろうとヤジの一つも飛ばしたくなる。「温泉むすめ」のパネルをめぐって熱海の居酒屋が集中砲火を浴びたが、結局のところ、オタクは「コンテンツを通じた地域活性化」という理念を唱えていたのに、自分たちでその理念を葬り去ったわけだ。あれほど常軌を逸した言動をしたところにオタクの幼稚さが表れている。

―オタクは天動説の世界に生きているに違いない。自分が世界の中心にあって、周りに自分と同じオタク=高学歴の都市住民層の暮らす世界がある。作業員や大工といった人々は、もとより眼中にないし、理解しようとも思わない。まるで、幼稚園児の抱く、パパとママと友達と幼稚園からなる世界にそっくりである。学生証のめんこや『山月記』で盛り上がれる間柄に、オタクは閉じこもっている。そして、その狭い世界に勝手に足を踏み入れる人間は敵だ。だから熱海の居酒屋は敵とみなされ、脅迫を受けた。オタクの歪んだ認知があの事件を引き起こしたのだ。

無知なオタクの無責任な発言

熱しやすく、冷めやすい
―オタクは何にでも首を突っ込んで、騒ぎ出したかと思えばすぐに忘れ、次の話題に移る。その野次馬根性がよくない。自分の知らない事柄であれば黙るべきだし、黙っておられずどうしても一言述べたいのならば勉強すべきだ。

―JAXAがロケットの発射に失敗したときに、オタクはこぞって私見をツイートしていたが、どれも庶民の無知を嘆き宇宙開発への公的支援を訴えるものばかりであった。では、オタクはどれだけロケットについて勉強したのか。宇宙工学を学び、宇宙開発に関するニュースや情報を集めたのか。たぶん、野次馬根性で社会的な出来事をあれこれと批評したのだろう。偉そうな口をきくわりには、それにふさわしい態度を伴っていない。

大衆への説明
―アニメのおっぱいにしろ、JAXAのロケットにしろ、オタクのメッセージは世間に伝わらず、虚空に消えていく。メッセージを伝えるべき相手は、自分たち高学歴の都市住民層ではなくて、ヤンキーを含むこの社会のさまざまな人々である。であるならば、メッセージの発信にあたっては、相手の立場に立って、わかりやすく伝える姿勢が求められる。「オタク特有の早口」はだめだ。


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