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続きのない話#57:突然の忘れ物(267/1000)

「さよならは2Bの鉛筆」。いいタイトルだと思いませんか?
もし思わないよと思ったとしても、ここは思ったことにしてちょーだい。

#7days #7bookcovers という7日間本の表紙だけを紹介し続けるバトンが回ってきた。目につく範囲でコレイインジャナイダロカと見つけた本が10数冊。
在りかはわかってるけどパズルのように組み合わさっている本を移動させるのがタイヘンで断念したもの、家のどこかにはあるけどどこにあるかが分からなくて発掘をあきらめたもの、多数ありました。

いつか宝くじが当たって書庫を作ったら蔵書の背表紙をすべて見えるようにするので、当選後にもう一度バトンが回ってきたら自分史上最高の7冊をお見せできるのになあ。
多分数億円当たるので、まず土地を選定して、設計は合い見積もりとるかな。半地下にはスタジオとミニバーを作って、なんとかピンボールマシンをどこかから探してきて設置しよう。
こんなに具体的にプランが決まっているんだから、神様、あとは私に当選くじを割り当ててくれるだけですよ!

まだそんな気配がない2020年の肌寒い4月。
今日が最後の7冊目の表紙を紹介する日なんだけど、最後まで迷ったのがこの「さよならは2Bの鉛筆」。
冒頭にも書いたけど、タイトルがなんともよくって忘れがたい。

読んだのは30年以上前ですね。
「猛烈に面白かった」
という読後感は今でも忘れていないので、当時強く心を揺さぶられたのは確か。何度引っ越ししても処分せず、失くすこともなく、こうして今でもすぐ取り出せるところに置いてあるわけだから。

ただね、残念なことに、本当に残念なことに、内容を覚えていない。
そんなことってあるんだなあ。
EPOが同タイトルの歌を歌っていることも覚えているけれど、この本との関連は、知らない。いや知っていたような気もするけど、忘却の彼方。
作者に申し訳なくて平身低頭あるのみですが、でも忘れたものはしようがない(って開き直っちゃいけませんね)。

でも、ここで年若い友人にお伝えしますが、案外これって悪くない状態なんだよ。
だって考えてもみてください。
内容は知らない(忘れてるからね)けど、抜群に面白いと自分でタイコバンロブションを押してる本なわけですよ。
読んでみて外れがないと分かっている読書なんてそうそうあるもんじゃないでしょう?
あなたが大好きで忘れがたい印象のあの本。
まったくなにも知らない状態で読み返せたらどれだけの至福が待っているのか、想像してみてください。
ほら、わかるでしょう?
はからずも私はそういう幸せな本を何冊も持っています、って威張ることじゃないね、失礼失礼。

もちろん、あなたが指摘するように、時代と年齢とのマリアージュのおかげかもしれません。それは確かにそうかも。年取って読んだら、?となる可能性がないわけじゃない。
でもね、心のおおもとのところって案外変わらないものなんです。それは年取ってみないと実感できないでしょうけれど、多分本当。きっとあなたもそう感じるはず。

だから、これから「さよならは2Bの鉛筆」を読み返してみるのが楽しみなんだ。
ということを書きたかったので、表紙の紹介だけでは物足りなくてnoteにしたのでした。

そうそう、表紙をきちんとお見せしますね。

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ほら、なんだかよさげな雰囲気でしょう?
さあ、ページをめくろう。

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