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好きが止まらない11号 くまのスタンプ
時々、もんのすごい瞬発力をみせることもありますが、基本、何事も習得するのに、人一倍時間がかかります。
でも、とりあえずチャレンジする気はあるのです。おまけに、粘り腰で諦めは悪い。努力賞としてねじり込みながら習得することが多い人生でした。
しかし、何度もチャレンジした結果、「こりゃダメだ…💦。」と諦めの境地に達していることもいくつかあります。その一番トップが印鑑を押すこと。
そりゃ、ひどいものです。
周囲の〇は、一発で〇になることはほぼありません。欠けたりかすれたり。
中の文字も、同じ色合いで出来上がることはほぼありません。どこかが滲んだり、薄れたり、はたまた分身の術をしてみたり。
仕上がる角度もバラバラです。おじぎしたり、ふんぞり返ったり。押す際、確認しても、手首の角度か、根性が反映されるのか、真っすぐにいかない。
シャチハタなら大丈夫かと思ったら、シャチハタですら、ズレる・かすれる・傾く・滲む…。
おまけに、押す場所を忘れる・間違える。(20年ほど前に国家資格試験の提出書類にて印鑑を押し忘れ、某省庁から連絡がきて、霞が関までハンコを持って走った過去を持つ女です……。)
それなのに、引っ越し関連の書類……そりゃもう、押印・捺印だらけです。
「住所を50回書いても良いから、コレだけはお願いいたします」という気持ちで、家族に書類と印鑑を差し出します。ただでさえ、あれやこれやとある書類。押印・捺印のミスで「もう一度チャンスをくださ~い!!」だけは避けたい。しかも訂正するために、また訂正印…これぞ倍返しだと思います。
で、ある時から、もう、あっさりと「無理だ」と認めることにしました。
その時から、印鑑を押す機会がきたら、
職場では、同僚にそっと差し出し…。
窓口では、係の方にそっと差し出し…。
皆さまに助けられて、ここまで乗り切ってきました。
そりゃ、もう、自分でチャレンジするよりは数倍良い仕上がりです。
「とっても苦手なんです。代わりに押してください」→「ありがとうございます。」 こういう時は、ヘルプを出したもの勝ちです。
その、感謝の気持ちに+して、「このお礼といっては何ですが、もし、私ができることがあったら、お声かけてください。そこはがんばりま~す。」という気持ちや態度をみせると、「お互いさまですよね~」が回ることが多いことも身をもって知りました。
なのに・・・
これだけ苦手なのに、どうしても好きなのがスタンプ…。
旅行先で見つけると、絶対押します。印鑑じゃないので、欠けようが二重になろうがお構いなし。「アハハ~楽しかったよね~スタンプ、また失敗した~!!まっ、記念でおしてるんだからいいよね~。」で、終わり。
しかし、この子は違います。一見小さなくまの置物。
こんなに可愛く微笑む底の部分は…
私の名前のイニシャルの「E」を手に持つこのくまの子全身のスタンプ。
旅行先で見つけた時は、「可愛い~!!自分のマークにする~!」と思い、手にとりました。自分が印鑑を押すことがそこまで苦手だとまだ理解できていなかったあの時。それから十数年…。
このスタンプ。何がプレッシャーなのかと考えると、「E」の文字が印鑑を想像させ、正解の姿が目の前にあるので、スタンプとしての位置づけではなく、印鑑に近い感覚なのです。押して失敗してうなだれる自分の姿をありありと想像できます。印鑑の◯がおせないのに、クマのミミの部分まで上手く力配分できるとは考えられない…。
動物は、眼の位置や形が可愛さのキモになると聞きます。スタンプも押してみて、その本当の可愛さに気づくというもの。押してこそがスタンプ。なのに、座面を汚すだけになるのでは…と躊躇し、一歩がふみ出せません。手の甲の柔らかいところに押しつけたところで、自分に刻まれているシワという名の線が邪魔をして、正確に確認できないし…。
このスタンプの本当の可愛さを確認すべきか、このままきれいな状態で、眺めておくべきか…迷いに迷うところです。誰か押す役に名乗りを上げてくれないかしら…?とさえ、思いながら。
そして、今日も決心がつかず、触るだけ触り、また棚に戻すのでした。その時がやってくるまで、ひっそりこっそり見守ってもらおうと思います。
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