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妖精と妄想 Delusion rWahn délire

子供の頃、抜けた乳歯は家の屋根の上に投げた。より高く飛ぶ程、より大きな願いが叶うと信じて疑わなかった。お腹いっぱいお菓子を食べたかった。弟と分けて食べたくなかった。キキララのチェーンがついたシャープペンが欲しかった。回転逆上がり、続けて10回出来るようになりたかった。

あれから30年。私の娘の歯が抜けた。娘はそれを枕の下に隠して寝た。夜中に私はそれを取り出して、代わりに娘の欲しいものや五十円相当のコインを入れておいた。起きた娘は、妖精が来た!と、はしゃいでいた。

妖精って、どんな姿なんだろう?妖精には羽があるらしい。だから、自由自在に飛べるんだ。だから早く移動できるんだ。娘は妖精の話に夢中だった。

それが、いつからか、変わってしまう。私の場合、妖精はブランドの鞄にとって代わり、友達と一緒に呑むことに変わった。サンタクロースのようなパートナーは、いなかったから、「If 想像」もした。

エーデルワイス。小川洋子の朗読を聞いた。あれ、おかしい。。主人公の女性は、小さいおじさんが見えてる。あの当時、笑い転げて見てたドラマ、Ally McBealが見た、あの小さいおじさんだ。大丈夫だろうか?心配した。

もし、私が、この主人公から、この話を聞いたら、心理士さんと話するように勧めただろう。Ally McBealのように。

でも、ふと思った。それは、妄想ではなくて、妖精であることもあるかも知れない。辛い時に寄り添い、時間が経過して傷が癒えたら消えていく妖精であるかも知れない。


妄想とは

「事実ではない」ことを、「確信」しており、「訂正ができない」。
この3つの条件を満たした時に、精神医学でいう妄想といいます。

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