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為末大さんの「ノリ」について。最もだと思った。それとドイツ語の皮肉TEAM: „Toll, Ein Anderer Macht’s!”

チームワークという意味の捉え方がなんか違うなあとヨーロッパに来てから思った。職場の大掃除なんかは、Amtと言われ、一人一人の課題がきちんと振り分けられている。棚の右から2つまではMüller, 4つまではSchmid とか。空いてる時間に好きなように自分の場所だけ終わらせる。それぞれに休憩を取る。みんなでわーっとやっちゃおう!という「ノリ」はない。だからこのAmt(課題)がなかったら、free rider フリーライダーっていうのも簡単に現れる.そして私たちは、この皮肉を使う。
TEAM: „Toll, Ein Anderer Macht’s!”
Great, Another One Does 
最高!他の人がやってくれるもん!

Collective responsibility means irresponsibility.

連帯責任とは、無責任を意味する

Collective 集団的
Individual 個人主義
今、月に一回メデイテイション弓道に通い始めた。みんな一緒に、波長を合わせて、弓を放つという時間もある。空気を読む練習なのだ。参加者は、クローンみたい。とか意見を言っていて、面白い。でも、そこに、圧力はない。集団行動の中にいても、個人は個人なのだ。
そうとは言っても!!思春期の子供は、この集団圧力にすごく悩んでいる。アイデンティティに悩み、他人を見て自分を評価してしまうから。。そのグジュグジュは、友人(彼女)が日本で経験したものよりドロドロしてるって言ってた。男の子の場合は、根性試しで、やっぱりどっかボコがある子が犠牲になってる。。

同調圧力 Gruppenzwang peer pressure 

賢く意地が悪い人はそれをよく知っていて具体的な指示は出さずそこはかとない空気を作り出します。実際は強制なのだけれど、相手が自ら動いた構図を作ります。

Ein kluger und gemeiner Mensch weiß das sehr gut. So schafft er dort eine Atmosphäre, ohne konkrete Anweisungen zu geben.
Obwohl es eigentlich gezwungen ist, schafft er eine Komposition, in der sich der andere freiwillig bewegt.

Although it is actually forced, he creates a composition in which the other person moves voluntarily.

これって!メッチャ怖くないですか。思春期のまま、自分の核がなく育ってしまうと、簡単にマニポレーションmanipuliertさてちゃうんです。

ノリ=同調圧力
集団の中で自分の立場を守るために
忖度すること、恐れからなること

学校やテレビやSNSの中で、ノリや上下関係を気にせず、自分に正直に表現する事が尊重されるとわかれば、ノリを強制する者は力をもち得なくなり、多様性や共生を学び、もっと自由になり、個人の成長につながる。

為末大さんのSNSのスレッドより

DaiTamesue  為末 大

スシローでの出来事が問題になっています。この行為は擁護するものではないですが、ふと自分の人生で思い出すことがありました。私は昔から「ノリ」というものに敏感でした。どんなに小さい集団でもノリがあります。このノリに乗ることは集団にいつづけるための大事な要素です。

小学生の頃隣のクラスでいじめがありましたが、一番ちょっかいを出しているように見える人間が実は最も集団からの排除を恐れているという構図のように見えました。つまり、いじめに積極的に加担することで、自らの集団への従属感を周辺の人間に知らしめているように見えました。

集団の中で立場が弱い人間にとって「ノリ」が悪いことは死活問題です。アウシュビッツでも厳しく取り締まる側に回ったユダヤ人もいました。場所を問わずマイノリティ出身の人間が極右化することはよく知られています。容易に排除される側は、過激に集団の意向を汲み取る方向に向かいがちです。

詐欺事件でもいじめでも、実働しているのは中心人物ではありません。行為だけを裁けば手を動かした人に問題がありますが、しかしその行為が生まれる空気を生み出したのは違う人物である可能性があります。力を持つ人は「ノリ」を生み出し、ノリによって人に行為を強制させることができます。

面白いことに個人で一線を踏み越える人はあまりいません。大体集団の悪ノリが背景にあります。小学生のクラスから、芸能界から、メディアから、企業の会議室に至るまで、「ノリ」に染まる瞬間というのがあり、これに大変興味を持っています。

立場の弱い人は防衛のために意向を先取りして汲み取る傾向にあります。賢く意地が悪い人はそれをよく知っていて具体的な指示は出さずそこはかとない空気を作り出します。実際は強制なのだけれど、相手が自ら動いた構図を作ります。具体的な指示がないために罪は行動した側に課せられることになります