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Chronos と Kairos

ウルフの親しい友人でもあった作家E・M・フォースターも『ハワーズ・エンド』(1910)において,主観的な「カイロス的時間」を生きるマーガレット・シュレーゲルおよび彼女の妹ヘレンと,あらゆることを数値化し「クロノス的時間」を生きるヘンリー・ウィルコックスとを対比させている。

他者理解を促すためのブックガイド [第9回] クロノス的時間とカイロス的時間連載 小川公代

二つの時間

古代ギリシャ以来、人間は時間とは何かという問いを突き詰めてきた。その中で2つの時間の区別が行われてきた。それは、クロノス(実時間)とカイロス(体感時間)だ。
ギリシャ神話に、「時の神」が二人出てくる。その神の名前を使って、神学者パウル・ティリヒ(1886-1965)は、
物理的な時間の流れ」をクロノス(Chronos)、
「人が感じる意義深い質的な時間の流れ」をカイロス(Kairos)
と呼んで区別した。

第4話 カイロスとクロノス時間 出口 光

カイロスとクロノスって言葉について知った。この著者のこの本、とても興味がある。

本書は、キャロル・ギリガンが初めて提唱し、それを受け継いで、政治学、社会学、倫理学、臨床医学の研究者たちが数十年にわたって擁護してきた「ケアの倫理」について、文学研究者の立場から考察するという試みである。(中略)この倫理は、これまでも人文学、とりわけ文学の領域で論じられてきた自己や主体のイメージ、あるいは自己と他者の関係性をどう捉えるかという問題に結びついている。より具体的には、「ネガティブ・ケイパビリティ」「カイロス的時間」「多孔的自己」といった潜在的にケアを孕む諸概念と深いところで通じている。本書は、これらの概念を結束点としながら、海外文学、日本文学の分析を通して「ケアの倫理」をより多元的なものとして捉え返そうという試みである。(本書「あとがき」より)

ケアの倫理とエンパワメント 小川公代