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Chooningを法人化しました

音楽情報を共有するSNS「Chooning」を開発・運営する母体として、株式会社を設立しました。報告が遅くなってしまい、すみません。昨年11月に登記を完了していたのですが、ドタバタとしており報告が遅れてしまいました。

はてな匿名ダイアリーに投稿してから多くの反響をいただき、実に多方面からのご支援ご協力、多くの利用者の皆様からご声援を受けて至った結果です。本当にありがとうございました。

今回はその報告として「会社概要のお知らせ」と「どのような会社にしていきたいと思っているか」というお話をしていきます。

会社概要

会社名は Chooning, Inc. (チューニング株式会社)としました。事業目的は音楽情報を共有するSNS「Chooning」の開発・運営、それに付随する業務ですので、シンプルにサービス名をそのまま社名としました。代表は、私・イワモトユウが務めさせていただきます。

オフィスは、横浜・関内にある「さくらWORKS」に置かせていただくことにしました。横浜コミュニティデザイン・ラボが運営するシェア・オフィスです。

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今から11年前、私が横浜市立大学の1年生のときに受けた講義のゲスト講師が横浜コミュニティデザイン・ラボ代表であり、ヨコハマ経済新聞編集長の杉浦裕樹さんでした。授業後、演台に話しかけにいったことをキッカケにお付き合いがはじまり、しばらく街に繰り出して横浜の経済や文化といった“リアルな社会”を題材に学ばせていただきました。その縁もあって今回オフィスを関内に置かせていただくことになったのですが、たった一つの大学の講義がここまで人生に影響したと思うと感慨深いものがあります。

また、これまで活動拠点としていた自宅は馬車道にあり、こちらも引き続き使用していくので、何となく横浜のベイエリアあたりがホームということになります。(SlackやGithubにおけるコミュニケーションの流通量が圧倒的に多いので、デジタルな空間が拠点といった方が実情ですが…。)

会社の登記を行った日は11月16日で、この日を設立日としました。たまたまなのですが「Chooning」をローンチした夜(9月16日)からちょうど2ヶ月でした。

2ヶ月前のこの日、Rejectを食らっていたApp Storeの審査をようやく突破し、ネットカフェから回線をつないでiOSアプリの配信を行っていたのが遥か昔のように思えます。

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これはローンチした瞬間のWhereby。この日、ぼくはネクライトーキーの近況報告配信を見るために横浜駅の近くのネットカフェに入ったのですが、そこでApp Store Connectからの通知に気づき、審査通過を確認して慌てて配信作業を行うことに。そのためリアルタイムでネクライトーキーの配信は見れずじまいでした…。

どのような会社にしていきたいと思っているか

さて「会社を立ち上げました」と言えば必ず聞かれる問いですので、この機会にnoteに文章として書き出すことで、きちんと考えてみました。

まず「どのような会社にしていきたいと思っているか」は「社会にとって自分たちがどのような存在でありたいか」と言い換えられるテーマだと思います。人間が社会的な生き物であるのと同様に、法人もまた社会という環境ありきで相対的に定義されるものだからです。

Chooning, Inc. は「Chooning」というサービスを運用するために立ち上げた会社ですので、現在のところの存在意義はサービスの果たすべき目的と同一です。つまり「ストリーミング・サービスの普及によって希薄化しつつある音楽と人間の関係性を改善するための存在」です。

ただもう少し長期的視野に立っていえば、この問題に限らず「音楽を取り巻く環境が変化していく中で、課題が発生したときに解決を試みる存在」でありたいと考えています。では次に「何を課題と認識するのか」が問われることとなります。

社会を見渡したとき「何を課題と感じるか」は、その組織の“価値観”に依るものです。ある人からすると課題だと思うことが、他に人からすれば課題とは感じない。これは価値観によるもので、組織も同様です。そして人にせよ組織にせよ、それが「どのような存在であるか」の答えは、まさにこの「どのような価値観を持っているか」にあるのではないでしょうか。

何を是とし何を非とするのか、何を善とし何を悪とするのか。こうした価値基準は行動の起点となり、行動を評価するものでもあります。会社とは、事業を通じて社会に何らかの働きかけをする存在ですから、この価値観を定義することで「社会への働きかけ=機能性」を一定の方向に制御することができるはずです。

ということで、私たちの会社が「どのような価値観を持つか」を示すことで「社会にとって自分たちがどのような存在でありたいか」を定義することを試みたいと思います。

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私たちは、音楽と人間が健全な関係でいられることを第一に考えましょう。音楽を単なるコンテンツとして消費するのではなく、その音楽に込められた思いと向き合うことができるように。アーティストがそのクリエイティビティを発揮することに充分なやりがいを感じることができるように。もう二度と、クリエイターが「世の中は音楽なんて必要としていない」などと嘆くことがないように。

テクノロジーは利便性を追求するあまり、市場は利益を追求するあまり、音楽と人間の関係性を損なうことがままあります。そのような危険から、音楽と人間を守らなければなりません。

この時、アプローチの性質が重要です。新しいテクノロジーやビジネスを排除・拒絶するアプローチは、分かりやすく守っているように見えますが、まず持続可能性が低いはずです。押し寄せる変化の波を押し返すことは現実的でなく、徒に延命することにしかなりません。排除や拒絶をしようとしたとき、それは思考停止なのではないかと疑うべきです。

望ましいアプローチは、変化が起きた後の社会を受け入れ、そこに工夫を加えることです。環境の変化に抗うのではなく、変化を詳細に考察し正確に認識する。その変化の上に私たちの新しい営みを積み重ねることで、望ましい環境を構築していくのです。

理想を求める情熱、事実を捉える社会学的想像力、解決を創造するクリエイティビティを養い、音楽愛で世界を満たしましょう。

文:イワモトユウ(Chooning 代表)

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