股関節のインピンジメントについて
今回は股関節のインピンンジメントについてお話ししていきます。
そもそもインピンジメントとは、挟み込みのことです。
ですので、股関節に限らず、肘、膝、肩などにも当てはまります。
今回は股関節のインピンジメントですので、寛骨臼と大腿骨における挟み込みについてお話ししていきます。
股関節のインピンジメントは、健常者でも普通に起こります。
そして、年齢関係なく、若い人も起こりうるものになるのでぜひ知っていただきたい内容になります!
ぜひ最後までお付き合いください!
特徴
股関節においては恥骨筋や腸骨筋などアウターの筋肉の挟み込みと言うよりかは、関節唇や関節軟骨がインピンジメントの原因になりやすいです。
関節唇と言うのは、寛骨臼に大腿骨がよりハマりやすくなるようになっているものをいいます。
関節軟骨と言うのは、寛骨臼と大腿骨の間にあるクッションのようなものです。
これらは、痛みの原因になりやすく、また変形しやすくなっています。
インピンジメントが起きると
股関節のインピンジメトが起きると、関節可動域の制限や疼痛が起こってきます。
いわゆる、足が上がらないと言うような問題が起きやすいと言えます。
股関節のインピンジメントは比較的起こりやすいものです。
変形性股関節症との関連性
変性形膝関節症と変形性股関節症になる人合わせて、4800万人いると言われています。
日本人の2.5人に1人がなると言われている変形性の障害ですが、この変形性股関節症と股関節のインピンジメントは強い関連性を持っています。
どう言うことかと言うと
股関節のインピンジメントは変形性股関節症の初期症状ではないか?と考えられていると言うことです。
変形性股関節症の方の関節唇と股関節インピンジメントが慢性化している方の関節唇の形状は一致しているという報告もあります。
このことから、股関節のインピンジメントを放置すると、変形性股関節症につながるのではないかと考えられます。
股関節インピンジメントの原因
大腿骨頭のすべり、過大大腿骨頭、股関節形成不全(寛骨臼側と大腿骨側どちらの場合も言える)、頚部骨折などが原因でインピンジメントが起こるとされています。
股関節インピンジメントの種類
センサー型、カム型、混合型があります。
【センサー型】
寛骨臼側の構造不全
若い女性の方に多いと言われています。
【カム型】
大腿骨側の構造不全
男性に多いと言われています。
【混合型】
寛骨臼と大腿骨どちらにも原因があるもの
臨床上、これが一番多いと言われています。
可動域の制限
股関節のインピンジメントが誘発されやすいタイミングは
屈曲、内旋、外転
の時だと言われています。
言い換えると、スクワットの時に足を開くので外転、しゃがんで行くので屈曲、そしてニーインすると内旋、と言うような形になります。
つまり、スクワットする時にニーインしてしまい、繰り返しそれを続けていくと変形性股関節症予備軍になってしまいます。
さらに股関節の内旋可動域は、屈曲と内転位の時、大幅に低下します。
高齢者やアライメント不良の方は、このように股関節の内旋可動域が狭いと言われています。
そのような人ほど、インピンジメントリスクは高くなります。
カム型
カム型の場合、他動的に屈曲、内旋、外転を行なった場合、痛みがより強く出やすいと言う報告もあります。
カム型のインピンジメントでは、大腿骨頭から大腿骨頚の前上部の形状に異常がある人が多いです。
大腿骨頭から大転子へ向かっていく大腿骨頚のくびれというものがなく、むしろ膨らんでいると言うような状態です。
このくびれがないせいで、屈曲に伴い骨頭と寛骨臼縁で衝突します。
すると当然ですが寛骨臼側の関節軟骨が損傷したり、繰り返されることで断裂したりします。
このように骨と骨が何度も接触することで、メカニカルストレスによって骨棘と呼ばれる出っ張りができてしまいます。
この出っ張りができてしまうと運動療法ではどうすることもできないので、要手術になります。
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