多裂筋
起始停止
起始:C4〜仙骨
停止:各起始部から2つ〜4つ上の椎骨の棘突起)
まとめて言うとC4〜仙骨までびっしり付着
作用
多裂筋は胸椎部より腰椎部の方が筋腹が大きいため胸椎より腰椎への関与が大きい。
腰椎の前傾(伸展)、仙骨の前傾、脊柱の反対回旋、側屈(同側)
仙骨に付着する筋肉
仙骨が前傾すると仙結節靭帯、仙棘靭帯が伸ばされる。
多裂筋が機能するためには胸腰筋膜がきちんと働いている必要がある。
腹横筋や腰方形筋など。
椎体に対して胸腰筋膜の中間層が両サイドの棘突起から横にピンっと張ってくれることで椎体は安定して、前後に回転できるようになる。
これが片方が強すぎたりするとうまく多裂筋が作用してくれなくなる。
多裂筋が作用しないと、仙骨が後傾する。
すると、大臀筋や大内転筋、ハムストリングも機能しなくなる。
仙骨が後傾すると股関節の伸展可動域は狭くなる。
理由は、仙骨(寛骨)が後傾していると股関節は伸展していると言えるから。
20度しかない伸展可動域がもうすでに行われていると言う状況になるため、後ろに引こうにも引けない。
大内転筋が機能しないと立脚の後期で小指側に体重が乗る。
おさらい、大内転筋は坐骨結節から内転筋結節(大腿骨の内側上顆)(腱性部)
恥骨坐骨枝から大腿骨粗線の内側唇(筋性部)に付着。
大内転筋はねじれて付着しているが、股関節を屈曲あるいは伸展させていくとねじれがほどけていく。
屈曲時においては外旋方向に、伸展時においては内旋内転方向に働く。
特に伸展内旋内転動作強い。
つまり大内転筋が働かないと伸展内旋内転動作ができなくなる。
大臀筋は骨盤の後傾作用がある。これは間違いない。
しかし姿勢においては逆のことが言える。
立脚時骨盤が後傾している=大臀筋は機能していない。
骨盤が後傾している状態というのはさわればわかるが大臀筋はタプタプ。
逆に骨盤が前傾している人はだい大腿直筋は機能していない、タプタプと言える。
つまり緊張しているかしていないかは条件下によって変わってくる。
重力に従って垂れているため、緊張ではなく機能不全と言えるが、マッチョが肘を少し曲げながら歩いているのは機能不全だからではない。重力に対して逆らって肘が曲がっているため緊張していると言える。
多裂筋のチェック&リリース
側臥位の状態で下方の股関節を45度屈曲の状態で、上方の膝が胸につくかどうか。
もともと骨盤が後傾していて多裂筋がのびのびの人は余裕でつく。
これが前傾している人、あるいは短縮位になっている人は胸につかない、下方の足がついてくるというようなことが起こる。
その状態で寛骨の後傾を促しながらニートゥーチェストさせる。
反対に、骨盤が後傾していてのびのびになっている人に対しては、足をフラットに戻してもらい、骨盤の前傾を保ったまま屈曲してもらう。このとき自分の足を相手の屈曲する足の前においておき、ガードする。
こうすることで、遠位側が前に出れないため近位側が(大腿骨頭)が前に出ようとする。
それをさらに骨盤の前傾をアシストすることで骨盤ごと前傾するように持っていける。
多裂筋のトレーニング(アクチベート)
四つん這いになる
まずは頚椎と胸椎と腰椎と骨盤の動きを見る。
スタート姿勢は、頚椎から骨盤までまっすぐ。
片手を浮かして、その反対の足を浮かせる。
その手と足をお腹の下でタッチする。
その時に腰椎が丸くならないように保っておく。この時に多裂筋が使われる。
骨盤が前傾できない人に対しては、
椅子に座ってもらい、骨盤の前傾を促す。それと同時に両手を前に出し骨盤を前傾させたまま手の高さは変えずに上体を前傾させていく。そして後傾を繰り返す。
そして前傾を保ちながら立つ。ここで多裂筋で仙骨の前傾を保ちながら大臀筋の伸張性収縮でくっと立ち上がる。
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