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ポケモンWCS2023のアニメーションCMがめっちゃいい。

この今年のポケモンWCSのアニメーションCM、見ました?このムービーめっちゃいいんですよ。マジで。めっちゃいい。めっちゃいいんです。ポケモンやべえなってなるし、横浜やべえなってなるし、去年のWCSを思い出すし、パシフィコ横浜、行きてえ~~~~ってなるんですよ。たった一分の動画でこんなに横浜行きたくなることある?ってくらい僕は横浜に行きたくなりました。今年のWCSは8/11~13日です。

僕の口からどうしても説明したいことがあります。別段説明しなくても単純にアニメーションとしての出来が良すぎてテンションは上がるんですけど、自分の口で言いたいことがあります。去年ロンドンに赴いてWCSの解説をやらせてもらった『ポケモンユナイト』に関してはさておき、ポケモンのあれそれに詳しいわけではないので、何か浅い部分があったらそれはどうか大目に見てください。

まず、世界各国の仲間たちがポケモンを通じて集まるってコンセプトが超いいじゃないですか。超いい。僕はもうゲーマーとしてはおじさんの部類ですが、おじさんはゲームが世界を良くするとか、仲間を作れるとか、そういうことは子供の頃に教わりませんでした。どちらかと言えばゲームはひきこもりを助長するとか、脳に悪影響があるとか言われて育ってきたので、ゲームを通じてみんなが仲良くしているのを見ているだけでも、なんか嬉しいもんなんですよ。当然ポケモン緑は世代です。超嬉しい。

僕は子供の頃からゲームで友達を作ってきた、当時としては異物気味の人間であって、それを世間的にはあまり信じてもらえず、何かと後ろめたい気持ちで生きてきました。それを、ポケモンが、世界的規模のコンテンツが、こうして胸を張ってやってくれて、素晴らしいものだと言ってくれることで、自分の人生が肯定された気になるんです。ああやっぱり僕は間違っていなかったんだと。

その時点でなんか嬉しいし、それが横浜という近所で行われることが嬉しい。世界的にも暗いニュースが多い中でどんよりした気持ちで過ごす日も多いですが、横浜の埠頭にホゲータとポケモントレーナーがいるだけでこれだけ幸せな気持ちになれるんだから、ポケモンはやっぱりすげえなと思います。

ゲーマー的に嬉しいのは各タイトルのゲーム環境が反映されているらしいんですよね。ノーマルテラスタルのカイリューが強いのはさすがに僕でも知ってるレベルだし、ポケカのルギアとミライドンもなんか聞いたことがあるから、その筋の人が見て納得するようになってるんでしょう。こういうの当たり前に思うかもしれないけど、地味にすげーことだと思います。ちゃんとゲーム内の環境わかっている人がアニメの現場に立ってるってことじゃないですか。

現行のゲームがアニメ化とか漫画化とかした時に、制作側がゲーム側の理解度が低くて残念な奴になる現象を人生誰でも一度は経験していると思うんですが、あれって「ゲームがわかってる人」が現場にいなくても物はできるし、だからこそ現場で軽んじられがちだからそうなるんだと僕は思っています。アニメの現場に素人が口を出すなとか言われそうなの想像つくし、実際そこは素人なわけだから、ゲームわかってる側も謙虚になっちゃうところじゃないですか。

でもそうなっていないのは、現場にちゃんとゲームをわかってる人がいて、話し合いが出来ているってことであって、少なくとも「ゲームをわかってる人材」が一定の価値を認められていて尊重されている、そういうことです。それってめちゃくちゃ嬉しいことじゃないですか。この動画は明らかにゲーマーが尊重されていると僕は感じます。ゲーマーを尊重するってこういうことですよ。マジで。

なんのタイトルとは言いませんが、カードを動かす大型筐体のアーケードゲームのPVで、ゲームと一切関係ないレバーとボタンをアップにして「そして、ゲームセンターは居場所になった。」って動画作った奴はマジで反省してほしいと僕は今でも思っています

話を戻します。このPVはゲーム内環境を反映していると言いましたが、一つ疑問が生じます。『ポケモンユナイト』はMOBAというジャンルの性質上他タイトルよりも環境変化やアップデートの頻度が多いわけですが、その上でアニメーションとして現環境を反映したものを作れるのか?ということです。このクオリティのアニメが作られるのにどれほど時間がかかるのか僕は知りませんが、少なくとも作り始めと作り終えたときのタイミングで、ゲーム内環境が同じであるということは考えにくそうです。

実際、CMの『ポケモンユナイト』部分で活躍するポケモン達は、現環境の中心となるポケモン達からは少し離れています。まあこれは幾分仕方がないことでしょう。それこそ、つい数日前にミュウツーが追加され、むちゃくちゃすぎて一日で弱体化修正が入ったくらいであり、それほど環境変化の激しいゲームです。それでもCMに選ばれたポケモン達が全くの見当違いということはなく、今年のWCSの予選ではよく見られたポケモン達で構成されており、ちゃんとわかっている人が監修していることを感じることができます。

しかしここで違和感があるのは、ゲッコウガです。ゲッコウガは今年の世界中の予選を見回しても、ほとんど選択されなかったポケモンであり、なぜ一番前に登場してルカリオと戦っているのか、一見よくわからない状況です。ほかのゲームはゲーム内環境を反映しているのに、なぜ『ポケモンユナイト』では環境にほとんど姿を見せていないゲッコウガがこんなにもフィーチャーされているのでしょうか?

ここから先はあくまで僕の推測であることを前置きしておきますが、僕は一瞬映ったホロウェアで直感しました。ホロウェアとは『ポケモンユナイト』のゲーム内でポケモンの見た目を変えるためのもので、使用するポケモンをおしゃれに着飾るために欠かせない存在です。

上の動画より引用しました。かっこいい

この帽子をかぶっているゲッコウガのホロウェアは『さすらいスタイル』と言います。ゲッコウガらしさが溢れる人気のホロウェアですが、『ポケモンユナイト』のまだ長くない歴史において、この『さすらいスタイル』のゲッコウガが極めて印象的なシーンがありました。それが昨年のWCS、つまりは世界大会の優勝チーム、『BLVKHVND』のOverlord選手が使用したゲッコウガです。


世界を震撼させたゲッコウガ

去年もゲッコウガは環境的に望ましい立ち位置ではなく、ほとんどのチームが使うことのなかったポケモンでした。難敵、『RENAISSANCE』を前に後がない状況で、突如現れたのがこのOverlord選手のゲッコウガです。当日は長丁場で少し疲労感を感じていたことは否めなかったですが、このゲッコウガの登場で目が覚めたことをよく覚えています。というのも、このOverlord選手のゲッコウガが意味不明なほどに強かったからです。それまで誰も使っていなかったポケモンが突如として現れ、信じられないほどの活躍をし、戦況を一変させていく。その衝撃はすさまじいものでした。

このCMはきっと、去年のWCSの影響を受けて作られているのだと僕は思います。そうして見れば、『かそうパーティースタイル』のルカリオも昨年のWCSで大活躍していたのは記憶に新しいですし、エースバーンも『BLVKHVND』のJunglebook(jb)選手が使用してチームを優勝に導いたポケモンです。

環境変化の激しい『ポケモンユナイト』においてCMで見せるポケモン選択という難しいオーダーで、この『さすらいスタイル』のゲッコウガを登場させたのは流石だと思いました。例えばザシアンを登場させるかどうかも難しい判断だったと思うし、例えばこれが担当した人があまりシーンを理解していない人で、去年のWCSは長すぎるからとかそんな理由で決勝の試合だけを見てポケモンを選択したら、こうはならないと思います。決勝にゲッコウガは出ていないですしね。それでもあえて、あの時世界が確実に震えたこの『さすらいスタイル』のゲッコウガを選ぶことに愛を感じたし、嬉しくなりました。

今年のWCSがこの動画一本でより楽しみになりました。そのことがすごい。もちろん、今話した昨年王者『BLVKHVND』も、名前を『LUMINOSITY』に変えて予選を勝ち上がってきています。横浜で見れます。熱い。日本代表も実力十分の4チームが揃っており、優勝が日本チームということも全然ありえます。熱いですね。見ましょう。見ます。

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