読書メモ 『錯覚の科学』第三章 自信の錯覚

クリストファー・チャブリス, ダニエル・シモンズ『錯覚の科学』文春文庫

第三章 自信の錯覚

• チェストーナメントの参加者に「あなたの一番新しいレーティング」「そのレーティングに自分の実力が正しく反映されていると思うか」を質問。プレイヤーは自分のレーティングを知っていたが、現在のレーティングが自分の実力だと答えたのは21%、過大評価されていると答えたのは4%、過小評価されてると答えたのは75%だった。

• 弱い人ほど自信が強く、何かを覚えたての人ほど自信過剰になりがち。

• グループ討議の手法は、弱気なメンバーの間に「集団内での保身」に近い感覚を生み出して、現実論よりべき論が強くなる。──集団でなら各自の能力で問題解決、よりよい答えになるという錯覚

• 支配的な性格の人のほうが、リーダーになる傾向があった。支配的な人は先に発言しただけ。数学問題の94%で、グループが出した答えは誰かが最初に言った答え。リーダー選びの主な決め手は自信だった。

• 詐欺師は自信が強い

• 自信の強い人は、数週間隔てて、同様のテストに答えてもらったが、2度とも自信過剰だった。自信には敷衍性(フエンセイ)があり、一つの能力で自信が強ければ、他の能力でもしかり。

• 雑学クイズでは、一人よりペアの方がが自信が高まっていた。しかし、正解率が上がる事はなかった。

• 参考書を診て診断する医者よりも「どうでもいい」と言いたげにささっと処方を各医者のほうが評価が高かった。自信で人を見がちだが、アテにならない。

・自信の強い証人は裁判で影響を与えやすく、記憶の正確さか、その人の性格どちらが自信の源か正直に判断していない。

第四章 知識の錯覚へつづく

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