読書メモ 『錯覚の科学』第四章 知識の錯覚

クリストファー・チャブリス, ダニエル・シモンズ『錯覚の科学』文春文庫

四章 知識の錯覚

• 知識の錯覚、トイレについて知っているつもりでも、実際は使い方を知っているだけかもしれない。身近な器具について実際以上に知っていると思い込む。

• シドニーのオペラハウスや、ブルックリン橋は当初予算の約2倍、ボストンのビッグディグは約2.5倍になった。

• ホフスタッターの法則「なにごとも予測以上に時間がかかるものである──ホフスタッターの法則を計算に入れても」

• 見慣れたものは分かった気になりやすい。経済用語や理論の上っ面に通じているだけで市場理解していると思ってしまいがち。投資家はもっている情報量が多いほど、自分は知識があると考えている。しかし、短期的リスクに関する情報が多い投資家は長期的リターンの情報を持ちにくい。

• 人の脳はパターンを見つけやすいが、実際は存在しないものを見ている。

• 選択的なマッチング=データの一部のみに見られたパターンに注目し他は無視した。

• 心理学初級の教科書には、なぜ水難事故の割合がアイスクリームの消費量と関係有るのか、その理由を答えなさいという課題がある。

• ある相関関係に因果の関連性があるかどうかを調べる唯一の方法は実験しかない。

• 似た二つのものの相関関係は因果関係とは違う。抽象的な原則は知ってても受け入れるのは難しい

• ある二つのものの関連性を指摘する説があったとき、その実証実験をした場合。任意に人が集められるか考えてみるといい。

• われわれは単に状況説明で仄めかされている事から反射的に推理してしまうのに加えて、自分が推理を加えた用語をその必要がなかった物語より強く記憶

• 人は理屈をはっきり語られるより、論理の飛躍を好む。「語らずに仄めかせ」という古い言葉もある

• 外から見ると、意思決定者が決断をおこなう動機は、だたひとつに思える。だが、もちろんいかなる込み入った決断にも複数の動機が絡んでる。


第五章 原因の錯覚 第六章 可能性の錯覚へつづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?