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静かな時間が好きだ

昼でも夜でも、何も聞こえない(虫の声や生活音は別にして)静かな空間に漂う感じが好きなのだ。
小さいころからずっと、「しん」っと静まり返った空間に身体を放りなげて静寂の中を漂うのが好きだった。
そう、漂うのだ。時間も制約も何もない空間に。
ただ、そこに個体としての私が浮いている…そんな感覚だ。

東京に暮らして、気づけばもう30年にもなるけれど、この町で音のない時間を過ごすのは難しい。昼と夜の境目がないこの町では。
それでも時々静かな時間が訪れる。
皆が仕事に出かける日中の、住宅街が静まり返る時間。
遠くから子供の笑い声が聞こえたり、
車の走り去る音が聞こえたりする時間だ。
深夜…部屋の明かりを全部消しても少し明るい部屋で、耳を澄ます時間。
「あ、静かな空気が流れている」と気づいた瞬間、私の中にはほんの少し幸せで穏やかな気持ちが湧き上がる。

思えば私たちの日常には、こうした小さな小さな幸せがある。
大事なことは、自分の幸せな時間が何かを分かっていることだ。

それだけで私たちの心は、忙しい、慌ただしい、疲れ気味の毎日がふんわりと、まるでお日様をあびた布団みたいにふかふかになるんだから。

サポートして頂きましたら、甘いものなど食べに行かせて頂きます✨😌✨