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感染症対策に、電子書籍

わたしは基本的には紙書籍派です。

物理的に”本を所有する”という行為が好きです。
本屋を練り歩いていると時折「本と目が合う」瞬間があって、「この本を今すぐうちに連れて帰らないと!」と思うことがあります。
そうやって家に買って帰った本が本棚に並んでいると、それだけで満たされた気持ちになります。

本を読みながら、「あとこれだけある」とページ数を手で確認できるのが好きです。
残りページが少なくなっていくのを感じながら、「あとこれしかないのに、こんな展開なんて……!」とハラハラさせてくれる本に出会うと、嬉しくなります。

印象深いシーンは、ページ数を覚えてはいなくても、大体の場所を覚えているので探すことができます。
あのセリフは真ん中より少し前の、右ページ中頃にあったな。
という記憶を頼りに、パラパラとページを捲っていくのは楽しいものです。

紙のかおり。
ページを捲る音。
手のひらの上の重み。

「本」というものは、そこに書かれた「物語」と「物語の入れ物」の2つが合わさってできています。


それではまったく電子書籍を読まないのかというと、そんな事はありません。
いつのまにか、電子書籍での蔵書も200冊を超えました。

そのうちの半分くらいは、漫画です。
最近は、本屋で漫画を買うことが少なくなりました。
電子書籍で漫画を買う利点は、なんといっても場所を選ばず読めるところです。
だってだって、通勤電車のなかでコミックスを開くのは、わたしにはどうにもはばかられるのです。
あとは、コミックスは1冊をすぐ読み終わってしまうので、通勤の長さだと2冊は必要なのもネックです。

初めて読む作家の本も、電子書籍で買うことが増えてきました。
電子書籍は、比較的セールになりやすいのが特徴です。
少し気になっていた読んだことのない作品が安くなっていれば、文庫本より気軽に手を出せます。
それで気に入れば、紙の本で買えばいいのです。

そう、電子書籍で買ったあと、結局紙の本で揃えたものも、いくつかあります。
そのうちの一つは、先日も記事にした、『乙嫁語り』です。
あれは紙で持っていたいタイプの作品です。

ほかにも、紙と電子の発売日が同時で、とにかく早く読みたかったりした場合にも、紙と電子の2つ持ちになることがあります。
『スレイヤーズ』の新刊が出たときなどはそうで、書店で予約していたにもかかわらず、0時を回った時点で電子で買って布団の中で読み切りました。
発売日が仕事のある日だったりすると、本屋に寄れるのは仕事帰りになってしまうので、電子書籍で買えるのはとてもありがたいのです。

逆のパターンもあります。
出先で読む本がなくなってしまったときに、すでに持っている本を電子版で買うのです。
おもしろさはお墨付きです。
読んだら必ず元気になれます。
あれこれ迷う必要なく、「そうだ、あれを読み返そう」と思ったときに、電子書籍はとても便利です。

紙の本が本棚に並んでいるのと同じように、電子書籍が手元にあるのも、精神衛生上とてもいいものなのです。


東京では週末外出自粛で、おそらくこれからしばらくは外出がままならない期間が続くことでしょう。
読書好きの人たちは、外に出るなと言われれば喜んで引きこもって本を読み漁ることでしょう。
わたしもそのうちの一人です。

外に出なくとも、アマゾンでもhontoでも、ポチッとすれば翌日か翌々日には届けれくれるのだから。
と、いつもどおり考えて、ふと、「そうだ、本の配送にも人手がいるし、配達員さん大変じゃん」と気がついたのでした。
当然のことながら、普段自分が通販に頼り切っていてあまり意識をしていなかったのです。

東京での感染を抑え込もうと思ったら、ライフラインとは関係のない配送はできるだけ減らさないといけません。


そう、今こそ、紙書籍派も電子書籍を盛大に利用すべきときなのです。
電子書籍なら、スマホでもパソコンでも読めるし、買い物は一瞬だし、他人の手を煩わせないし、すぐに読めるし、この状況においては利点しかありません。
気に入った本があれば、あとから紙で買い直せばいいじゃありませんか。

感染症対策に、電子書籍。

なんて言うと、ちょっと大げさですが。


紙書籍派も、この機会に電子書籍にちょっと触れてみてはいかがでしょうか。
なれてしまえば、かなり便利ですよ。


でもわたしも、やっぱり紙の感触が好きなんですけどね。

放っておいても好きなものを紹介しますが、サポートしていただけるともっと喜んで好きなものを推させていただきます。 ぜひわたしのことも推してください!