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「「やめておけ。お前らの腕ではあいつは倒せん」」

スレイヤーズ本編のほうは第一部まで紹介しきったのに、短編は全然進んでいないのでちょっと焦りはじめました。
そんなわけで、すぺしゃる3巻です。

神坂一著 『ナーガの冒険』(富士見書房、2012年)

電子書籍なので出版年が新しいですが、実際は1992年とかですね。

すぺしゃるのほうは、話が会話文で始まことが多いような気がします。
読者としては、主人公のリナと金魚のフンのナーガのことをよく知っているので、他者の言葉からはじまることで、すぐに物語の展開がわかる、という効果があるのかもしれません。

…… なーんて、難しそうなことも書けなくはないですけど、「人を見た目で判断してはいけません」と「人は第一印象が9割」が矛盾しない、というのがスレイヤーズのおもしろさでもあり。

すぺしゃる3巻の1話目は「ヒドラ注意報」。
もうすぺしゃるの話数多すぎて(短編で30巻以上)、ものすごく特徴的なはなしと、本編にうっすら関わりのある話しか記憶に残っていないのが現状です。
むりだよ、1冊に5話とか入ってるんだもん。

で、「ヒドラ注意報」はヒドラ退治を頼まれたリナ&ナーガに、「町一番の剣士」のおっちゃんがいちゃもんつけるところから始まるわけです。
そりゃね、リナはすぺしゃる時点で14歳か15歳でしょ。
で、童顔だからより幼く見える。
ナーガは「悪の女魔道士」ファッションで露出狂のような格好をしているから、よくてこけおどし、普通に見て「変な人」。
そりゃおっちゃんも「やめておけ」って言いますわな。

まあこのおっちゃん、いかつそうな見た目に反して、ちょっとした擦り傷をめちゃくちゃシリアスに痛がってみたりするので、自分も見た目詐欺なんですが。

すぺしゃる世界、そんなひとばっかりだよ。
だんだんナーガがまともな人に見えてくるもんね。

んで、すぺしゃる3巻の目玉といえば、表題作にもなっている「ナーガの冒険」と、その前日譚にあたる「キメラの恐怖」ですよ。
OVAにもなっているエピソードな上に、なんたって内容が馬鹿らしいほどにインパクトがあるので、これはスレイヤーズ読者はみんな覚えてるやつでしょ。

なんなの、リナを素体にしてキメラを作る計画って。
そんなことを考えるディオルじいさん、まじ狂ってる(「キメラの恐怖」)。
そしてリメラ計画が失敗したからって、ナーガのホムンクルス10体作る(「ナーガの冒険」)って、神経イカれてる。
天才の周りには天才と変人しか集まってこないんですかね。
そりゃそうだ、一般人では対等に話もできないもんね。

このディオルじいさん、やってることは頭おかしいし、この世界に「人道的」とか「人権」って概念は…… 一応あるか。
あるにも関わらず、「人間をキメラにする」「人間のコピーを作る」をやってのける異常性、半端ないな。
…… 文字だけにすると、赤法師レゾがやってたこととおんなじだな?
なに、ディオルじいさん、そんなに頭良くて魔力あったの?
レゾレベルとか洒落にならないんだけど???

どうしよう、長年のイメージがガラガラと音を立てて崩れ去っていきそう……

あれでしょ、どうせゼルが以前相談した相手も、きっとディオルじいさんでしょ。
どっかにそういう設定なかったっけ?
なんとなくある気がしてる。

いやほんと、人は見た目によらない。
けど、やっぱり力の使い方を間違えるかどうかは、ある程度見た目でわかるよね。
ナーガみたいにね。

ディオルじいさんへの謎が深まる話になってしまった。
おかしい、こんなはずでは。

やっぱりスレイヤーズすぺしゃるの人たち、ネジが3本くらい外れてますね。
知ってた。


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