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「私が着物にはまったのは、成人式でも七五三でもない普通の日々からでした。」

着物が好きです。
noteのトップ画面は、浴衣でベトナム旅行をしたときのものです。着物で旅行もいいものですが、もう長らく海外に行っていなくて、そろそろ海外旅行の仕方を忘れそうです。

私が着物にはまったのは、この7年くらいのことですが(え、もうそんなに経つ??)、思い起こすと小さいころから興味はありました。
うちの2階には祖父母の物置部屋があって、その箪笥の引き出しのひとつかふたつに、きれいな柄の布がぎちぎちに詰まっていました。小学校のころだと思いますが、わたしはその引き出しを開けては、中の布をめくって触るのが好きでした。
つるつるして、柄がたくさんあって、ひんやりしていて、何度開けたって布の種類はかわらないのに、何度も開けては触って楽しんでいました。

年に1回は、花火大会で浴衣を着せてもらっていましたが、自分ではとんと着れず、というのを、成人するまで繰り返していました.
留学をするので、なんとか浴衣は着れるようになった、でも1時間くらいかかる、というかんじでした。

きっかけは、友人に「知り合いに日舞をならうんだけど、興味ある?」と誘われて、日舞を習いはじめたことです。
これも思い返すと、曾祖母の部屋には若い頃の踊りの写真が掛かっていて、幼稚園くらいのころはなんとはなしにその写真を眺めていたのでした。ということを、お稽古をはじめてから思い出しました。
何がどこで繋がるのか、わからないものですね。

さて、日舞のお稽古は浴衣で行いますが、習いはじめてしばらく経って,ようやく着付けを先生から習いました。
そのあとはもうサクサクと。もともと、なにか新しいことをはじめれば図書館で本を借りて、自分で色々やってみるたちの人間です。着付けの本をたくさん借りてきて、いろんな着付けを試しました。
着物は、幼い頃に触って遊んでいた祖母の着物や、曾祖母の若い頃の着物がうちの箪笥に眠っていました。気に入った色柄のものを引っ張り出しては、本を見様見真似で着るようになりました。

そんなころ、日舞に誘ってくれた友人が、「今度浅草に着物見に行くけど、一緒に行く?」と誘ってくれました。
はじめての着物のお買い物!
そして連れて行ってもらったのが、浅草にあるリサイクル着物のお店、福服です。
そして、当時浅草店の店長をされていた方の新刊に出会ったのです。

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山口さくら・善養寺ススム著『和洋ミックスコーデで楽しもう!カジュアル着物ブック』(廣済堂出版、2013年)

イラストでわかりやすく描かれた、着物入門の本です。
着物の季節や種類、格の話はもちろんのこと、日常着としての着物の楽しみかたがぎゅっと詰まった本です。
これを買った当初は、ブーツやセーターやベルトや帽子、そういった“はずした”着物コーディネートは全然できませんでした。
それどころか、半襟はまだ白しかないし、足袋も白しかないし、普通のコーディネートだって一苦労していたころです。
このころから、洋装ミックスコーデはわたしの憧れになりました。

連れて行ってもらったお店はとても楽しくて、いろいろ見て回って、存分に楽しみましたが何かを買うほどには思いきれませんでした。
それが今では、リサイクル着物を見にいくと気がついたら何着かぶら下げて帰路についているんですから、人間て変わりますよねぇ。

いまでは「どうせ普段着だし」と気にせずに着ていますが、気にしなくていい程度まで知識がついたのも、この本が入門になったからです。
着物や帯の種類、柄合わせや着付けのポイント、季節やTPOのこと、所作のこと、道具のこと。コンパクトな本ながら、一通りのことがこれで確認ができます。
そうそう、男着物にも十分なページがとられていて、男性にもおすすめなんですよ、この本。
ある程度自由に着るためには、もとの決まりをある程度知っておくことが大事ですね。そうすれば、外していい部分と決める部分が、次第にわかってきます。

この本が発売されたのが2013年。
もうすぐ10周年です。
カジュアル着物や、ミックスコーデ、自由な着物の楽しみかたが次第に世間に認知されるようになってきました。嬉しいですね。
着物は服ですから、日常のなかでは、好きなように心地いいように楽しめるのが、なによりです。

着物気になるな、着てみたいな、という方、浴衣から入るのがおすすめですよ。
もうすぐ春、あっという間に夏ですからね。
浴衣ショッピングの際は、ぜひ呼んでください。全力でコーディネートします。

さくらさんの本は新しいものがでていて、これから着物を始めるという人には、コチラもおすすめです。


放っておいても好きなものを紹介しますが、サポートしていただけるともっと喜んで好きなものを推させていただきます。 ぜひわたしのことも推してください!