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フランスで親の「仕事」を全うする友人

久しぶりに、フランスのブルターニュ地方に住みながら2人の子育て中の古い友人と話しました。

コロナとの共存が始まってから、離れている昔からの友人と話す機会が増えました。行動範囲は確実に狭くなったのに、世界が広がったような不思議な感覚を味わっています。

人間は環境の生き物。フランスで何年も暮らしている中で変わる事と変わらない根っこの部分があるように、私にも、群馬に越してきたことによって変わった部分と、変わらない根っこの部分はあると感じます。

どっちがいいとか悪いではなく、いつでも「その両方含め、他にもいろんなエッセンスがミックスされて今の自分が出来ている」と認識している事が、大切かなと思っています。

私は「軸がぶれないね」とよく周囲に言われるのですが、ぶれない根っこの部分を自分で把握しているだけで、実はその外側にある「環境によって変化する部分」は海の中の海藻のようにゆらゆらしています。

そして、それでいいと思っています。海の中でもすっくと微動せず立っていようと思ったらそれはきっととてもしんどい。でも、じゃあ簡単に海底からひっこ抜けるかと思ったら、そうはいかない。そういう感覚で行けたらいいなと考えています。

フランスは「超学歴社会」?


話がずれましたが、「この人もきっとそういう人だ」と感じたフランス在住の友だちがいます。

彼女と教育について話して興味深かったこと。最近になってよく聞かれるようになった「教育格差」について質問をしたのですが、

「私はフランス語を話すわけじゃないから、あくまでもその上での私の考えだけれど」と前置きして「フランスは超学歴社会だよ」と。

そもそも、高校に行く段階で、職業訓練高校に行くかどうかが別れるので、中学でもうある程度の進路は決めないといけない。職業訓練高校を選ぶと、もう大学には行けないのだそうです。

大学はほとんどが無料で、最初に登録費が数万円くらいかかるだけだそうで、その結果、真面目に勉強する子としない子の差が激しいのだそう。これはなんとなくイメージがつきました。

大学よりレベルが高いとされるエコールは要はエリート養成学校で、ここを出た人達がいわゆる社会のトップを占める構造なのだそうです。格差の上に成り立ってる社会よ。とのことでした。

フランスのパリに住んでいる辻仁成さんがロックダウン中のフランスの(パリの)教育について読売新聞に寄稿している記事があったのでリンク貼っておきます。
https://www.yomiuri.co.jp/life/20200520-SYT8T1230098/


もう16年も前に知り合った友人の、「たしかに経済主義、民主主義なんだから、格差はあって当然じゃない?親の仕事って、どんな社会だって自分の子どもに自分で自分の道を切り開いていけるだけの力と知恵を付けてあげることでしょう?」

という言葉が印象的でした。

世界中、いろいろな国でいろいろな教育現場の取り組みがあります。

が。

人のせいにしないで子育てする

「格差なんてそもそもあって当たり前、その中で一生懸命親としての仕事を全力でやるだけのこと。学校や政府のせいにしないで親がちゃんとやればいいだけでしょ。休校中、自分の睡眠時間が数時間減ったって、それくらい今だけなんだからどうにでもなる。」と言い切る姿が凛々しくもあり、頼もしくもあり。

着付けと書道の師範を持っている「歩く日本の伝統」のようだった彼女に、フランスの超個人主義がエッセンスとして加わってザ・最強ママになっていてまぶしい(笑)

そうだね。
文句言わずにやればいいだけ。私も頑張ろう!と思えた貴重なやりとりでした。


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