裏学習塾ニュース令和2年第3号

学習塾ニュース第348号を配信しました。

正直言って2020年の流れを読むよりも、目先の生徒が欲しいというのが心情ですが、それでも、先を予測しながら動いていなければ何の戦略も方向性もない塾になってしまいます。

ちょうど「塾と教育2月号」が送られてきました。

〇 塾と教育 http://www.juku-kyoiku.com/

TOPはこう読むという特集が続いてますので、それをざっと眺めるのが常になっていますが、今回、気になったのは、

〇多角化と言っている経営者が多い。
〇ICTと言っている経営者が多い。
〇地域や卒業生との関わりを持ちたいと言っている。

ということです。多分、これらは5年前には、まったくなかったワードです。多角化を進める理由は、生徒が少なくなっているからでしょう。
もっと言えば、関東以外では、少子化が進みます。そうすると将来、組織を維持するための利益を塾だけでは確保出来ないということだろうと思われます。

ICTに関しては、人件費の問題も絡むでしょうし、場合によっては、他社に販売することで新しい柱にするということも出来るでしょう。

どちらにしても、単なる塾ではなく、「教育産業」としての動きが顕著になって来ました。教育は、老若男女関係なく必要ですし、各生活ステージに合わせた学びが必要でしょうから、そちらにシフトする会社もありそうです。

大手ですらそうですから、地方の中小は今から軸足をズラすことを今から考えておく方が無難です。

早い話、塾だけでは組織も大きくなれないどころか維持できないというのが実情だろうと思われます。
中小塾の場合、地域密着型が多いと思いますので「地域」とどう付き合うかがポイントになりそうです。地域は、人の集まりですので普段から生徒・保護者、他の関係者との付き合いをやっている塾には、まさに新しいビジネスチャンスが出てきます。

特に最近は、

〇学童
〇学校内塾(無料塾)
〇フリースクール

などを市町村などと連携してスタートする塾も増えています。
これらは、地域密着型の塾でないとなかなか難しいですので、地域をどうするというプランがあるのであれば、行政と話をしてもいいかも知れません。

一方、2020年は、塾の形も更に変わりそうです。個別から自立型への転換が
進んでいますが、本当にうまくいっているかどうかは怪しいところです。

映像系は、自立の部類だと思いますが、ここに来てブレーキがかかってきた
イメージがあります。どうしても映像だと臨機応変に対応出来ない、他に無料のものが多いなど(デジタルは、基本無料化していく方向に動きます。)問題点が多く出てきています。

AIを使った指導も増えるでしょうが、まだまだこれからですので、結局、自立でも人の関与が避けては通れません。私がお薦めするのは、(特に高校部)

〇一人一人に塾で課題を与えて、公文式のように指導する。
 (宿題は、残り時間でやるくらい)

という方法です。これだと講師にもあまり負担がありませんし、解答を見て
分かる生徒であれば、どんどん先に行かせれば良いだけです。

自立型は、今ではFCにすら導入されています。多くはICTを使うようですが、大学入試には、どこまで有効かは未知数です。使える生徒であれば、無料のYouTubeなどでもうまく使ってやるでしょうし、デジタルは無料というのは、大原則になっていくでしょうね。

自立系で失敗するのは、宿題を中心に置く塾です。

〇宿題に親はお金を払わないからです。

そのため宿題を中心におくのであれば、その理論武装をしておく必要があります。(私の塾は、高1,2生は、宿題を中心にしてますので説明を先に保護者にして います。)

少子化で問題になるのは、生徒数(母集団)が減ることも問題ですが、それ以上に生徒間の学力のバラツキが大きくなることです。

今まで上位層だけをターゲットにしていた塾が、中間層まで相手しないといけなくなったり、下位層も面倒みたりという状況が出てきます。絶対数が必要であれば、仕方ない部分ではあります。


しかし全ての層にマッチングした指導方法はありません。

結局、成績を上げてナンボの商売ですので、どの層も成績を上げていかないといけない。一方で、経営体としては、なるべくコンパクトな組織で、シンプルな形で指導したいわけです。この辺りの落としどころが、その塾の成長を決めていく大きな要因になるでしょう。

あと地域密着型ビジネスでお問い合わせが多い(本当に最近多い)のが

〇通信制高校

です。これは、学校により仕組みが異なりますので、スクーリング(単位取得のために必要な授業)は、本校に行くものと、スクーリングも自分の校舎で出来るものとに分かれます。

前者は、「サポート校」と呼ばれるもので、後者は分校のような扱いになります。私は、分校の扱いの方ですが、これはどちらが良いとかという問題ではないのでここでは割愛しますが、ただ地域によって必要とされる教育を実現しやすい学校であれば問題ないでしょう。

〇ただし学校と塾は、似て非なるもの

というのが正直な感想です。生徒の集め方も色々と話を聞くと塾とは全く異なりますし、成功している学校を見ても、正直、塾出身の私には??と思うことが多いものです。塾以上に問題解決力が必要とされるだろうということ、様々な縛りの中で、地域にどう貢献するか?という姿勢が問われていることなどが、あるのだろうと思います。

ただ2020年以降、地方在住の個人塾経営者は、上記のようなものを考えざる
を得なくなって来るでしょう。今から少しでも種をまいておくことをお薦め
します。

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