「自然な英語」はどうすれば身につくか?
※本記事の内容は筆者が学生時代にゼミで実施したアンケートとレポートの内容を元に執筆しています。
英語力=「自然な英語」の判断力なのか?
日本語ネイティブの私たちは「雨」という名詞に対し、自然と「降る」という動詞を使いたくなります。
「雨が落ちる」だと少し違和感がありますね。
そんな感覚はもちろん英語でもあって、「分かる」という動詞一つをとっても understand, figure out, comprehend, recognize などがありますが、これらを好き勝手使える訳ではありません。状況に応じて語を選ぶ必要があります。
そんな語と語の自然な繋がりの事をコロケーションといいます。
ゼミで調査して分かってきた事ですが、「自然な英語」の判断力、英語のコロケーションの力は、どうもTOEICなどの資格試験で計られるような一般に言う「英語力」と直結する訳ではなさそうなんです。
私のアンケートではCEFRレベル(=英語力)とコロケーション習得度(≒自然な英語の判断力)との相関係数を調べました。
まずは私自身で10個の英文を作成しました。この中には正しい表現も、敢えて悪いコロケーションを使用した表現も含んでいます。
サムネイルにある "This meat is hard." がその一例ですね。
それらの英文をネイティヴの先生に見せ、各英文がどれだけ自然かを5段階で評価頂く事でコロケーションテストが完成しました。
その後アンケート回答者には、自身のCEFRレベルとコロケーションテストに答えて貰いました。
コロケーションテストは1問につき満点が5点、先生の模範解答から最も乖離がある回答を0点とし、その間の選択肢は均等な差分となるように配点。
これで50点満点のテストとして点数が出せるので、6段階で分かれるCEFRレベルとの相関係数が算出可能となる訳です。
集計が終わって、いざExcelで相関係数を計算!…してみると、
0.440
という比較的低い値でした。
国内で英語を独学するだけでは、英語の資格試験の点数に比べて「自然な英語」の判断力が置いてけぼりになる可能性がある
という、私個人的にも耳の痛い結果です。カッコいい英詞を書きたくて英語頑張ってきたのに…!
また独学で身に付けられるコロケーション力の限界は、各種英語試験のライティング・スピーキングのスコアを頭打ちにする一要因でもあります。
私が講師をしているIELTSでも、高得点を目指すならやはりリスニングとリーディングで稼げと言われる事が多いですね。
自然な英語はどうすれば身に付くか?
じゃあどうすればというお話で、一番手っ取り早いのは当然留学などの海外経験なのですが、非英語圏でも出来る工夫は沢山あります。
・映画や洋楽などのコンテンツで生の英語に触れる機会を増やす
・英英辞典、コーパス、ポップアップ辞書など様々なツールを活用する
・英単語の勉強を語訳の暗記にとどめず、チャンク(ある程度の長さのフレーズ)で覚える
・ライティング、スピーキング学習の比重を上げる などなど。
そして、これら全ての原動力となるのが憧れというモチベーションです。憧れるのをやめるのはやめましょう…
映画や洋楽などからモチベーションを得て自発的に情報収集を行い、単語の身に付け方を工夫する。そこで得たフレーズをまた映画や洋楽で確認したり、自分自身でアウトプットしたりする。
そんなサイクルを回すことが、非英語圏でできる学びとしては最も本質的じゃないかなと思います。
日本における英語学習の二大機会、大学受験とTOEIC L&Rだけではどうしてもそのサイクルは回せません。点数を上げることに全力を注ぐ中ではアウトプットの機会が少ないし、リーディングの中でコロケーションを聞かれる事も稀なので。
自然な表現というのは、それを身につける事はもちろん
どの程度身についているのか自分自身で判断する事さえ難しいです。大の独学好きの私もこの点は限界を認めざるを得ません。
けれどその限界を先延ばしになら出来るはずです。
モチベーションや行動力、英語との関わり方の創意工夫にかかっていると思います。
以上、10,000字のレポートの内容を平易にまとめてみました。外国語習得は果てしない道のりだなあと改めて思わされましたね…
質問あれば何でも聞いてください!お仕事として英語の指導も承っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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