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【干支水滴 寅】の道行3「サンプル作り」

こんにちは。上出惠悟です。

長右衛門窯で轆轤や造形を担当する柴田は東京藝術大学で彫刻を学び、その後文化財を修復する仕事に就いていたので、芸術や仏像については深い知識があります。九谷焼はもちろん陶磁器や食器についてはそれ程詳しくありませんが、物を見る眼と自ら理解しながら進めていこうとする手を持っていて、私が信頼している職人の一人です。

画像は文化財修復保存に従事していた2015年頃の柴田(株式会社 東京文化財センター)。

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そんな柴田に寅の水滴のラフ案を見せてみると、やはり2案目が面白いと言ってくれたので、これで進めてみることにしました。そこで尻尾の収まりを少し変え、口吻(マズル)を付け足した下記のスケッチを柴田に渡します。手で考えるということを大切にしたいので、基本的に厳密な図面を描くことはあまりしません。実際に造形を進めて行くと初めて判ることや気付くことがたくさんあるので、柔らかなイメージや佇まいを膨らませたら一旦柴田に渡します。

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上出長右衛門窯の道行

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現在進行中の新作開発の紆余曲折するストーリーを、テキスト、写真でお伝えしています。旅は道連れ世は情け。これまで秘密にしていた新作とそのアイ…

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