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【窯まつり・絵付】の道行#5「普通ができない」

こんにちは。上出惠悟です。

実は窯まつり限定品としてこれまでお客様からの要望が最も多かったのは丼鉢でした。うどんやラーメン、天丼、親子丼などを食べるためのものです。窯まつりで売り場に立っていると「丼ってないの?」というお声を何度も聞きます。そんな声を頂いていたにも関わらず、これまで作って来なかったのは上出長右衛門窯が割烹食器を作ってきた窯元だからです。ご存知の通り、今では「割烹」という料理人に向けた食器だけに留まらず様々なご提案を積極的に行なっていますが、そのルーツは窯のアイデンティティとして大切にしたいと私は考えています。丼鉢は割烹食器ではありません。同様にパスタ皿、カレー皿のような器も作っていません(長右衛門窯の器でカレーを食べないで欲しいという意味ではありません)。たっぷりと飲み物が入るマグカップ(=エフゴマグ)を作る時も同様の葛藤がありました。

長右衛門窯がこれまで作っていたのは「菓子鉢」と呼ばれる茶道で主菓子を盛るための大鉢でした。

轆轤師の柴田が記した記事ですが、その葛藤について触れられているので宜しければ下記をお読みください。


そこで今年の窯まつりでは丼鉢をつくってみることにしたのです。
おまつりは実験の場でもあるので、定番品と違って気軽につくってみることにしています。

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上出長右衛門窯の道行

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現在進行中の新作開発の紆余曲折するストーリーを、テキスト、写真でお伝えしています。旅は道連れ世は情け。これまで秘密にしていた新作とそのアイ…

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