マガジンのカバー画像

『まるまるサファリの本』*サファリ取材の裏ばなし

22
『まるまるサファリの本』の取材には様々なエピソードや裏ばなしがあります。どうやって目当ての動物を追いかけるのか等、サファリが楽しくなるヒントにもなるお話です。
運営しているクリエイター

記事一覧

<保存版>チーターはマサイマラのどこにいるの?チーターがいる所と探すコツ

ゲームドライブでお目当ての動物が見られなかったとき、 「野生だからね、しょうがないよ」 と言い訳をするドライバ―さんは多いです。もちろん野生なので思うようにいかないのがサファリ。でもお目当ての動物の目撃確率を上げることは可能なんですよ。 ※「チーター探しのコツ」の取材を進めていると、自然を追っているだけでは分からない思わぬ展開もありました。読み物としても、ぜひ最後までお読みください! チーターの目撃率は7割強ぐらい(?) マサイマラ国立保護区でゲームドライブを1日して、チー

有料
1,000

サファリは今日もドラマチック・セレンゲティ国立公園

サバンナってね、ドラマにあふれているんですよ テレビのドキュメント番組を見ていると、動物達が織りなす感動のドラマが描かれていますよね。干ばつを生き抜く姿や、自然の中で賢く生き抜く知恵、親に学び群れから独立する子etc. そんな感動の世界を生で感じたくてアフリカまで繰り出す方も多いと思うのですが、2泊3日ほどのサファリではそんなドラマなんて無い無い。 って思っていませんか? サファリ中は、 「ライオンだ!わーい♪」とか、 「チーターがいた!ラッキー♡」とか、 目の前に動物が現

知らないと損してる!?せっかくのアフリカ旅行を失敗しないための3つの要素

残念なサファリにしないために 私が『まるまるサファリの本』を作ろうと思ったきっかけは、 「何十万円も支払って遠くアフリカまで繰り出すのだから、残念なサファリはなくしたい。最高のサファリを楽しんでもらいたい!」 という思いからです。 サファリが初めてであれば、自分のサファリが残念だったどうかも分からないで帰ってくるかもしれません。でも実はちょっと損しているケースが多いのです。知ってみたら歴然!  サファリを楽しむために(残念にしないために)、私が絶対に必要だと思う重要な要素

アンボセリ国立公園でライオンの目撃率をあげるには

ライオンが確実に見られるのは、ケニアではマサイマラNR。タンザニアではセレンゲティNPとンゴロンゴロクレーター。 でもね……、 アンボセリ国立公園でライオンの目撃率が上がっています! 2012年頃から、私は行くと必ず”目撃しています。しかも2度3度。 以前は今ほど見られなかったのですが、それでも国立公園の南にあるキャンプサイトで寝ていたら、夜中にライオンの唸り声を何度も聞きました。 実は私が取材した限りでは3つのプライド(群れ)がいます。 車の窓から闇雲に探すより、「こ

有料
600

アンボセリ国立公園のすんごい光景を見逃さないで!

ゾウの群れが次々とやってくる! 以前書いた記事、『ゾウが600頭も大集合ーーを探す旅』の取材で発見した “ゾウの通り道”。これについてはぜひとも『まるまるサファリの本』で紹介したい。 だって、アフリカ最高峰の壮大なキリマンジャロが見られるアンボセリで、ダイナミックなアフリカゾウが次々と現れる場所と時間があるんですよ。 せっかくケニアに来たら見逃さずに見たいでしょ⁉ というわけで“ゾウの通り道”を徹底取材してきた裏ばなしです。 2015年12月~1月の取材で偶然見つけたアフ

サファリでライオンの狩りが見られたのは運だけではないのです2

「ライオンのハンティングが見たい!」 という無茶ぶりに応えるために立てた作戦を実行する時が来ました! さぁ、結果はいかに!?  前半のストーリーはこちら↓ メスライオン達のターゲット1 私達が目指すプライド(群れ)のテリトリーに到着したとき、ライオンは大きなバッファローを水場に追いこんでいました。 到着早々、期待以上の展開。さあ、メスライオン達は群れでバッファローを倒すのか⁉ ところがお気に入りのドライバ―“あんちゃん”の見解は、 「いや、遠くにイボイノシシがいるだろ。

サファリでライオンの狩りが見られたのは運だけではないのです

ライオンのハンティングが見たいな。 同行者の一人が言いました。←言うのは簡単(笑) でも、ここは『まるまるサファリの本』の著者(私)が案内するのだから、なんとかして見せてあげたい!と血がうずきます。 いつも以上に徹底した下調べが始まりました。すると、 ライオンのハンティングが見られる確率が上がるかも⁉という条件が2つ揃ったのです。 条件1: 私達がマサイマラNRを訪問するのは2023年1月7日~10日。1月7日は満月です。 ライオンのハンティングについて私の仮説では、

アフリカ1美しい鳥!ライラックニシブッポウソウ飛ぶ姿を逃さず撮る方法

『世界の美しい鳥』の表紙に選ばれた鳥、ライラックニシブッポウソウ サファリ好きの間でも、初めてケニアに来た人でも、 「わー、きれい!」 と思わずカメラを向ける鳥です。ただでさえ美しいこの鳥は、飛ぶと幸せの青い鳥♪ 飛ぶ姿を撮りたい!そこで枝に止まっているライラックを見つけてカメラを向け、じーーーーーっと待つ。というのをやったことがある人も多いのではないでしょうか? でもねー、鳥ってすばしっこい。「あ!」と思った瞬間には飛び去っている。失敗。 「今飛ぶぞ!」っていう兆候が分

サファリは運だけではないのです!自然観察力がカギ

良いドライバ―さんがいたら紹介してください という問い合わせを読者の方から時々いただきます。サファリの良し悪しはドライバ―さんで決まると言われますもんね。 でもよほどサボリ癖がない限り、たいていの動物は問題なく見つけてくれますよ。ダメなドライバ―さんなんて、そうそういません。 ただ、こだわりを持ち始めると普通のドライバ―さんでは足りなくなってくる。私にも「絶対この人!」というドライバ―さんがいます。 ドライバ―さんは動物を探すとき、 1.経験値と並外れた視力で探す 2.ド

ゾウが600頭も大集合⁉――を探す旅

「アンボセリにゾウが大集合する季節があるんだって?」 某国の国営放送を見た、という友達からラインがきました。 彼女の話では「年末年始の頃、アンボセリ国立公園にゾウがたくさん集まってくる」とその番組は言うのだそうです。 友達:「何百頭も集まるんだって!」 アンボセリNPのゾウの群れは他のエリアに比べて比較的大きく、30頭を超えるものも少なくありません。 何百頭ということは、そんな群れが10以上集まってくるってこと? 私:「なんで?」 友達:「知らない。なんで?」 私:「………

フラミンゴの飛翔が見たい!

「フラミンゴってさぁ、生で見るとうるさいし、臭かった」 ーーって言うんだよね、みんな。ナクル湖に行ったらフラミンゴが見たいです!って言うくせに。 でもね、うるさくても臭くても、フラミンゴが一斉に飛び立つ飛翔シーンは感動しますよ!サファリでは枯草の哺乳類が多いので、まずピンクの大群を見るとそれだけ「自然って芸術的だな~!」って感心します。そしてその一つ一つが生きている命。野生の動物の行動は人間にように遊びや無駄が少なく、命の営みに直結していること多いですよね。フラミンゴが一斉

サバンナの脇役達 トムソンズガゼル

トムソンズガゼルの赤ちゃんって感動的に健気 写真のキャプションについて書いたページで「ガゼルの赤ちゃんって健気」というエピソードに触れました。 トムソンズガゼルの赤ちゃんは生まれて間もなく母親と離れて、たった一匹で健気に生き抜くのです、という話。 ―――見たい!そんなガゼルの姿、ぜひ見てみたい! さぁー、取材開始です! 段取り8分仕事2分。取材の前にまずは下調べです ガゼルの赤ちゃんっていつ生まれるの? まずはそこから。 ・赤ちゃんっていつ生まれるの?  ・どこで生まれる

フラミンゴを追いかけて③

とあることをきっかけに「砂漠を飛ぶフラミンゴ」について調べることになりました。面倒くさーーっ。ところが調べてみると、 フラミンゴってものすごく魅力的なことが分かってきました ①フラミンゴは子育てのために生息地の湖から500㎞も飛んで行く。 ②到着した湖は繁殖の楽園なの?と思えば、実は世界一危険と言われるナトロン湖。 ③あまりにも危険すぎて卵を狙うジャッカルなどの天敵がやってこないのがナトロン湖へ行く理由。しかしそれはフラミンゴにとっても決死の子育て。 ④事実、写真家リック・

フラミンゴを追いかけて②

前回からの続き。  とある人に頼まれてフラミンゴを調べることになりました。 面倒くさー。 ところが生態などを調べていると、フラミンゴって面白い。むちゃくちゃ興味深い。一般的なフラミンゴのイメージって、 「ピンク、きれい、素敵、美しい、可憐♡」 そんな感じ? いやいや、違うのよ。見てくれにだまされるなっ!って話。調べてみるとフラミンゴって無茶マッチョ。えげつないほど屈強で、感動するほどたくましく、生き抜くための根性が壮絶。見てくれの美しさに反して、厳しく過酷な人生を送ってい