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フラミンゴを追いかけて②

前回からの続き。 
とある人に頼まれてフラミンゴを調べることになりました。
面倒くさー。

ところが生態などを調べていると、フラミンゴって面白い。むちゃくちゃ興味深い。一般的なフラミンゴのイメージって、
「ピンク、きれい、素敵、美しい、可憐♡」
そんな感じ?

確かに可憐で美しいです

いやいや、違うのよ。見てくれにだまされるなっ!って話。調べてみるとフラミンゴって無茶マッチョ。えげつないほど屈強で、感動するほどたくましく、生き抜くための根性が壮絶。見てくれの美しさに反して、厳しく過酷な人生を送っているることが分かってきたのです。しかしリサーチャーでもまだ分からないことが多くミステリアス。

美しく、たくましくて、ミステリアス。
これはライオンやチーターより面白くなってきた♪

あまり知られていないけど、フラミンゴは渡り鳥
2014~2015年、ナクル湖からいなくなったフラミンゴを探していると、水かさが増したためナクル湖で卵を産めなくなり、ナトロン湖に飛んで渡って行くことが分かってきました。詳しくはこちら

ナミビアのウォルビスベイに生息するフラミンゴも渡るはず。だってウォルビスベイって海なので、ここで卵を産んだら満潮時に卵やヒナが溺れちゃう。
じゃあ繁殖期にはどこに飛んで行くんだろう?――と調べてみたところ、とりあえず分かったのは3ケ所。
・フィッシャーズパン
・スワパン
・カンファーズダム

ではウォルビスベイのフラミンゴはいつ渡って行くの?
この答えはナクル湖から消えたフラミンゴを探すように簡単にはいきませんでした。

繁殖地フィッシャーズパンの地元情報では雨が降り出すと(12月)やってくる、2月がピークという証言が多いようです。
ところが出発点となるウォルビスベイの情報を探っていると、「1年中見られるよ」なんて観光客の証言がたくさん出てくるのです。そんなはずはない。見られたとしても繁殖のシーズンは減っているはずです。
たまたまそこにいた観光客は、自分が目にしたフラミンゴが多いのか少ないのかまでは分からないのでしょう。そこで、「写真は嘘をつかない!」と思い、旅レビューでフラミンゴが写っている写真を700枚余りチェック。(←下調べも大変なんですよww)

写真が語る限りでは10月~2月は少ない模様。6月頃からそこそこ増え、9月が最も多いようです。
ここまでは机上の話なので、とにかく行ってみないと。

やってきましたウォルビスベイ!
到着したのは2018年10月10日。ちょっと遅かったかな。
(目的はエトシャ国立公園だったので、ウォルビスベイは後回しでした)

やっぱり少ない
少ないし、遠い

地元のガイドさんに聞くと、
「先週飛んで行った」
とのことでした。やっぱり遅かったー。そして、ここで謎の展開が起きるのです。
「12月に戻ってくるよ」
とガイドさん。え? ええ?
12月にはフィッシャーズパンにいるんじゃないの? なぜ12月にウォルビスベイに戻ってくるの?
ガイドさん:「知らん」

そして更に謎が深まる。
私:「飛んで行くの見た?」
ガイド:「いや、俺ここで生まれて育ったけど、見たことないよ」
え??

そこで町の人達に片っ端から聞き込み。
「フラミンゴが渡って行くの見たことある?」
ホテルのスタッフ、土産屋、レストラン、ツアー会社etc. 会う人会う人に訪ねてみても、答えは
「No」
むむむむむ。更に調べを進め、分かってきたことはどうやら、

フラミンゴは夜行性かもしれない。
ということ。諸説あって、
「コフラミンゴは夜行性、オオフラミンゴは昼行性」
という説があれば、
「どちらも夜行性」
という説もある。うーーん、本当にミステリアス。

でも、夜行性であれば地元の人達が渡る姿を見たことが無いというのも納得ですよね。それから、ケニアのマガディ湖で聞いた話を思い出しました。
「(フラミンゴは)朝早くに飛んで行ってしまう。夜にまたやってくるよ」

マガディ湖は1963年、工場建設によってフラミンゴが繁殖できなくなった湖です。以来産卵のために飛んでくることはなくなりました。
でもフラミンゴが夜行性であるならば、工場が稼働していない夜間に餌食にやってきて、陽が昇ると避難する―――という説明がつくかな。

現地で取材はしていなので「12月に戻ってくる」理由はよく分からないけれど、繁殖のために飛んで行く10月なら “満月の夜に渡るフラミンゴ” なんて素敵な光景が見られるのかも♡ これは見てみたーい♡♡
で、渡りについて調べてみたところ、「夜に渡る鳥は星をナビゲーションにしている」とのこと。←なんだぁ、満月じゃないじゃん、明るすぎる。

でもつまり、
10月10日の訪問で「先週飛んで行った」というのだから、10月の始め頃で月が細く星が見やすい夜にその姿が見らるかもしれない!!

見たい!!
こうして私のフラミンゴ探求は続いたのでありました。

<フラミンゴ取材の記事 index>
ナクル湖のフラミンゴはどこに行っちゃったの? フラミンゴ探しの旅|武田ちょっこ*まるまるサファリの本|note
フラミンゴを追いかけて①|武田ちょっこ*まるまるサファリの本|note
フラミンゴを追いかけて②|武田ちょっこ*まるまるサファリの本|note ←今お読みの記事はここ
フラミンゴは追いかけて③|武田ちょっこ*まるまるサファリの本|note
フラミンゴの飛翔が見たい

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