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フラミンゴを追いかけて①

ナクル湖のフラミンゴはどこに?」の後日談

「私、この写真撮りたいの、これどこ?」
カメラマンを名乗る友人が、プロカメラマンが撮った1枚のフラミンゴの写真を見せて聞いてきた。
砂漠を飛ぶ5羽のオオフラミンゴという写真です。分かっていることは「撮影地ナミビア」のみ。

さーて、こういうときどうやって調べる? このブログのテーマですね。取材の“裏ばなし”。
まずはフラミンゴの生態、環境、季節による変化などを徹底的に調べました。

検索ワードは<フラミンゴ ナミビア>
生息地は2秒で分かりました。ウォルビスベイのようです。

調べを進めていると、「ラグーンにいる」との記述がありました。ラグーンってどこ?
(↑現在の地図にはしっかり「フラミンゴ・ラグーン」って書かれていますね。海がピンク色。フラミンゴが食べる藻や甲殻類がいるってことです)
現地の旅行会社にコンタクトをとってみる。
「フラミンゴが見たいんだけど、ラグーンってどの辺りですか?」
返事は、
「半日ツアーで連れていきますよ」
数社に問い合わせたけれど、いずれもこの回答で場所は明言してくれず。

ピンク色に染まった海に近いホテルを10軒ほどピックアップして、実際にそのホテルからフラミンゴを見に行った人達の口コミを読みあさると、「歩いて行ける」とコメントが付いたホテルがありました。かなり近づいた!(もちろん生息域は広範囲にわたっています)
フラミンゴがどこにいるのかはだいたい分かってきました。さて例の質問は―――、

ウォルビスベイ(海)のフラミンゴではなくて、そのカメラマンが探していたのは砂漠を飛ぶフラミンゴ
ウォルビスベイはナミブ砂漠の中にある港町だけれど、例の写真が撮影された砂漠はどの辺りなのでしょう?
そもそも、
・なぜ砂漠を飛んでいるの?
・どこに飛んで行くの?
・何しに飛んで行くの?
フラミンゴって水鳥なのに、なぜ水が無い砂漠を飛んでいたんだろう?
不思議でしょう?ちょっと知りたくない? たぶんその答えに、あの写真を撮影したカメラマンが伝えたかったことがあるのでしょう。なぜ砂漠?
えーーと、

うーーん、

たぶん……、
生息地のウォルビスベイは湾。つまり海水なのだから淡水を飲みに飛んで行くのでは?  または潮でベタベタになった羽を洗いに行くのかも。
とにかく近くに淡水が流れる川や湖があるに違いない。もう一度衛星マップを探ると、町の東あたりに水場がありますね♪
ここかな? 拡大すると……、

「Bird Sanctuary」と書かれています。やったー♪ もしかしてあっさり答えが出たかも。
そこで、「Walvis bay - Bird Sanctuary 」で画像検索してみると、ペリカンに混じってフラミンゴの姿ありました。
あの「砂漠を飛ぶフラミンゴ」という写真は、ラグーンからここに飛んで来るシーンに違いない。
ただし大事なことがひとつ。

フラミンゴは1年中ウォルビスベイにいるの? 
このブログでも何度も書いていますが、サファリは季節がとーーっても重要なのです。

ケニアのフラミンゴを調べていたら、ナクル湖が増水したため近年ここにいるフラミンゴは卵を産み落とすことができなくなり、産卵の時期には繁殖地まで飛んで行くようになったことが分かりました。ウォルビスベイのフラミンゴも、ここでは産卵しないはず。
だってウォルビスベイは海だから満潮になったら卵が流されちゃいますよね。どこか安全な所に飛んで行って産むのでしょう。
さて、どこ? いつ?
さぁ、ここからが難しくて、そして興味深かった! 次回に続く

<フラミンゴ取材の記事 index>
ナクル湖のフラミンゴはどこに行っちゃったの? フラミンゴ探しの旅|武田ちょっこ*まるまるサファリの本|note
フラミンゴを追いかけて①|武田ちょっこ*まるまるサファリの本|note ←今お読みの記事はここ
フラミンゴを追いかけて②|武田ちょっこ*まるまるサファリの本|note
フラミンゴは追いかけて③|武田ちょっこ*まるまるサファリの本|note
フラミンゴの飛翔が見た

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