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支援学級のあり方、振り出しに戻る。

振出しにもどり、今後も何でもありの支援学級に。

先日、私の勤める自治体の市教委から、今後の支援教育のあり方に関する説明会がありました。

要は、4月の文科省の通知を受けて、次年度より支援学級の在り方、在籍基準の明確化をします!と言っていましたが、各方面からの批判とご指摘の結果、今まで言ってきたことは「撤回します!」ということでした。
結局は今まで通りでオッケーになりました。

今まで通りでオッケー👌というのは、喜んでいる人もいるだろうけど、私はほんとにそれでいいのか疑問がいっぱいです。
〇特に障害がなくても入級でき、
〇個別で当該学年の学習のフォローをしてもらえて、
〇自立活動はほぼしない
という感じです。
通常の学級での漢字ドリル、計算ドリルの直しと遅れを取り戻す場所って感じです。それだけで支援学級に在籍でき、通常の授業から取り出されます。
保護者の中にも、支援学級に入級すれば支援教育就学奨励費は貰えるし、手厚い支援だと喜んでいる人が多いし、通常の学級担任は、手のかかる子が教室からいなくなるので、「どんどん、支援学級へ!」と大歓迎いう感じです。

文科省は、国連の「インクルーシブ教育に逆行する」という趣旨の指摘を受けても、4月の通知は撤回しないといってます。うちの自治体は「文科省が撤回していないので、今後どうなるかはわかりませんが、とりあえず今回は文科省の通知に基づいて支援学級の在り方を変更するということを撤回する」といってます。そして、支援学級、通級で学習のフォローもオッケー👌と文書を保護者に向けて出してしまいました。
これって、文科省の手引きからも外れると思うんですが、、、。

なんか、それが「〇〇市のインクルーシブ教育だ」みたいに書いてましたけど、「共に学ぶ」からどんどん離れて支援学級に大量入級を認めることがどうしてインクルーシブ教育なのか、疑問しかありません。

通級と支援学級にどんどん送りこんで分離することがインクルーシブ教育につながるという不思議な思想が理解できないのは私だけでしょうか、、、。

軽度の子をどんどん通常の学級から分離しているうちの自治体の方針に私はどうしても違和感を覚えます。
他の自治体ってどんな感じか興味があります。

「支援員」の配置についても、「通級指導教室の設置がある学校にのみ配置する」ということで、なんでそうなるのか意味が理解できません。
通級指導教室も自校にあれば原則「授業中」ということで、放課後はしない方向というのも???という感じです。
どういう方向性で行政が動いているのか、何を目指しているのか、理解できなさ過ぎて、首をかしげていたら折れそうになりました。


支援学級って、何なんでしょう。
通級指導教室って何なんでしょう。
インクルーシブ教育って何なんでしょう。

よくわからなくなりました。

ただ、たくさんの子どもたちが通常の授業から分離され、専門性のない場当たり的な教師と貴重な時間を潰している現状は見ていて辛いものがあります。


本当に「共に学ぶ」を目指すなら、通常の教育の在り方にメスを入れるしかないと思うんですけど、そこの議論がないままに支援学級や通級だけどうするんだという話をしても、ゴールに近づくようには思えません。

一教師としてはなかなかその辺は力及ばずなので、行政が「通常の学級」の受け入れ態勢と「支援学級」の在り方をリンクさせながら両方を考えていってほしいと切に願うばかりです。


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