INTJ女による婚約破棄ライフハック

婚約破棄は、とても見えづらい。芸能人の結婚や離婚発表はよく目にするのに、婚約破棄報道を目にすることはあまりないように思う。婚約破棄そのものがレアケースとまでは言わないが、「この度婚約破棄となりました。」と挨拶して回るものでもないし、離婚と違ってなにか手続きを要するものでもないので周知されにくい。

婚約というプロセスまで済んでいるのに白紙に戻す”なにか”が発生しているため、当人同士の問題で済まされるものでもなかったりする。場合によっては慰謝料や裁判といった問題も発生してくる。恋人関係の解消よりは重たいけれど、周知されにくいからかそんな経験している人をパッと見つけることが出来ない。私の周囲は結婚・出産ラッシュなのに、私だけが婚約破棄の道を辿っていた。

今もなお療養中の身ではあるものの、INTJ女による婚約破棄における気づきをここに記してみる。
なお、私がNoteを始めたきっかけは自分の思考整理のためだが、未来の私が絶望から立ち上がっていて欲しいという祈りも込めて記録している。婚約破棄というよりも、心身が壊れた時の自分なりのライフハックをまとめてみる。



最初はアドレナリンが出ているので意外と動けてしまうけど、休んだほうがいい

うつ病を発症したのには、婚約破棄だけが原因ではないが、婚約破棄は私の心身を破壊する十分なトリガーになった。けれど、婚約破棄になった次の日に会社に行けなかったかというと、実はそうではない。私はそこから3ヶ月近くは普段通りの生活を送っていたし、激務をこなしていた。過呼吸になったり、車がひっきりなしにたくさん通る道路に飛び出したくなる衝動を押さえつけて、満足に眠ることも出来ない夜を過ごしながら。

今思えば、このタイミングで一度休むべきだったのだろうけれど、目の前のやるべきことに忙殺されていたし、休むという発想すらなかった。婚約破棄にいたるまでの渦中もそれはもう地獄だったけれど、意外と動けるのだ。最初はアドレナリンがでているから痛みにも気づきにくい。会社では真面目でそこそこできる社員だったために抱えている仕事量もどんどん増えていく。不調で休むなんて発想はなかった。ストレスなんて、皆抱えて生きているだろうし…。

理性的に、合理的に、感情を殺しながら生きていたある日の朝、私の身体は動かなくなっていた。必死に足に力を入れてみても、立ち上がることすらできず、ただ涙が頬を伝うだけ。なんとかパソコンを立ち上げて、会社に休暇連絡を入れて、力尽きる。天井のシミをぼんやり眺めることしかできず、
「私本当にダメになっちゃったんだ。」
このときの絶望は色濃く残っている。

婚約破棄に至る過程も地獄だったし、エトセトラな事情で苦しみの渦中にいたけれど、渦中のときは「苦痛」に集中できる。悲劇のヒロインでいられる。
けれど、本当の絶望は少し遅れてやってくるものだと思う。その頃にはいつまでも悲劇のヒロインをやっていられない現実がある。
私はどんな時でも理性的でいようとした。自分にとって正しい行動を取ろうとしたし、なんならそれは今も変わらない。癖なんだと思う。感情を大事にしましょう言われてもよくわからない。

とはいえ、自分の感情に素直に従い、決して無理しない方が良いのは確かだろう。特に、体に何らかの不調が生じている場合、それはもうすでに無理している状態だ。
自分の感情を大切にするがピンとこない同士の皆様にいたっては、とにかく体を休めることに注力してほしい。しなければいけないことを一旦無視する勇気を持って、ただ眠ってほしい。そのほとんどは、しなければいけないという思い込みかもしれないし、眠る余裕すらないのは危険信号だ。

食べる、寝る、お日様を浴びる、これらの生命活動ができなくなるのが鬱病だろうが、こうなってから回復するのはすごく大変だ。食べられない、眠れない、胃が痛い…この時点で病院に行って、対処方法を聞くべきだったのだと思う。「頑張ればなんとかなる。」どんな時もある程度努力でなんとかしてきてしまった私は、ついになんともならなくなってしまったことにひどく絶望した。

とにかく外に発散する

①心療内科・精神科に行く

私は今までメンタルクリニックにお世話になったことがなかったので、敷居が高く感じていたが、さっさと通院すべきだったと思う。
問題は初診のハードルの高さだ。私の住んでいる地域では初診は1,2ヶ月先まで予約が埋まっていると言われた。不調の時に病院を探すのは本当に辛いので、私のように身体が全く動かなくなるその前にぜひ行ってみて欲しい。また、医師との相性もあるらしいので、合わないと思ったら病院を変えてみるのも手だと思う。
最初の1ヶ月は薬の副作用なのか、いままでの疲労の蓄積の結果なのか、毎朝吐き気で目が覚めたし、夜は睡眠薬がないと眠ることもできなかった。日中は何故かずっと眠たくて、身体が思うように動かなかった。今はだいぶ回復して、薬がなくても眠ることができる。医師の診断、時間、薬によって少しずつ回復しているのだと信じたい。

②インターネットの力を利用する

親愛なる友人や家族などあなたの味方がいるのであれば、その人に話を聞いてもらうのも手だと思う。
他人に話すことで、楽になれるタイプなのかそうでないのか。私は後者だ。あの頃、本当に心がささくれ立っていたので、他人に話したところで全く楽にならなかったし、話す気にもなれなかった。私のプライドはエベレスト級なので、同情されるのも面倒だった。

目の前の人の感情に没頭するタイプの方がいると思う。はっきりいう、私はこれはいらない。私の気持ちを理解してほしいなんて思わないし、理解できるわけがないと思っているから、「辛かったね。」というただの言葉はいらない。形だけの共感なんて、本当に不要。しかし、本当に理解できる相手ならどうか?つまり、形だけでなく、我が身と同じ事象を経験しているとしたら。

私はX(Twitter)で、アカウントを作成し、ひたすらに思考をぶちまけることにした。私は頭の中で常に言葉が浮かんでいる人間なので、とにかくその言葉を書き連ねた。そのうちに、婚約破棄、適応障害、不貞行為等同様の苦しみを抱えた人と繋がることができ、様々な話を聞くことが出来た。
今回の件で学んだことは、当事者にならないと見えてこないものがあるということ。私が本当に辛かったのは、理性的な選択がわかっているのにそれを選べないことだった。他人から見える世界と、当事者が見ている世界はやはり違うと思う。自分が経験していないと他人に寄り添うことができないと言いたいわけじゃないけれど、共感の重みが違う。形だけの共感は不要でも、本当に共感してくれる人がいるのであればそれは心強いものだと思う。

感情を自分の内に溜め込まず、発散させることは非常に大事だと感じた。その手法として、人に話すでもいいし、SNS等に投稿するでもいいし、同様の経験をしている人の手記を検索してみるでもいいと思う。誰に見せるわけでもなくノートに書き殴るのもよい。言葉に頼らず、体を動かしてみるとかでもよい。
私は言語化して発散が1番性に合ってた。その言葉の数々に、共感したとか、自分は言語化が苦手だけど私の文章をみてモヤモヤが晴れたなどとコメントをもらうこともあった。身近に味方がいなくても、画面の奥には自分の気持ちを理解してくれる人がいるのかと不思議な気持ちでいっぱいだった。
MBTI診断をしたのはこの頃だ。同様の体験をしていても事象に対しての感情の現れ方が様々だったので、この違いは何か?と思ったのがきっかけだ。

③占いで星のせいにしてみる

私は占いには懐疑的な人間で、都合のいいことだけ信じてもいいかなと思うタイプだ。子供の頃から生年月日で私の性格が当てられてたまるかと思っていたし、今日の運勢第1位は牡羊座です!って言われても、何を根拠に?と思ってしまう自分にとって、占いは娯楽にもなり得なかった。

そんな私が占いを勧めるのは単純な理由で
•話を聞いてもらえる
•不幸は星とかなにかの巡りのせいにしてくれる

この2点が大きい。占いは依存性が高いようなので、勧めるには微妙なところはあるのだが、金銭を介した赤の他人なのでざっくばらんに話しやすいと思う。私は知人から勧められた、よく当たるという完全紹介制の占いに行ってみた。なかなか良いお値段がしたが、迷っている理由が金銭的なものであればとにかくやってみることを大事にしていたので、ものは試しとやってみたのである。

占い師はとても柔和な方だった。色々話をしたが、一言でいうと今年の私は「リセットの星のめぐり」だそうだ。率直に「なんだそれ…?」と思ったのだが、自責思考の私には星のめぐりのせいにする発想はなかったので、面白く感じた。つまり、婚約破棄になったのも、休職しているのも、すべて失ったように感じているこの空虚も、今年はリセットの星の流れで、取捨選択の時期だから仕方ないのだそうだ。なんてことだ…。星のせいなら仕方ない。
私は過去や自分のことについては一切聞いておらず、未来ベースのことだけ質問したので、正解は未来にならないとわからない。けれど、少しずつ運気は上昇して、これ以上下がることはないと言われたのでホッとした。今年の私はぱっとしない運勢ではあるものの、来年再来年と明るくなっていくらしい。当たっているかどうかよりも、前向きな気持になれることが大事だと思う。

下手にわかるよとか、辛かったねとか、同情心やエンタメを楽しむ目を向けられても困る私は、占い師の距離感はちょうどよく感じた。星のせいにもしてくれるし。占いはうまく活用できるなら、悪くない選択だと思う。

慰謝料について

慰謝料については、請求できるなら絶対にしたほうがいいと思う。この件については婚約破棄界隈の方とも会話したが、裁判になると時間も要するし、精神的疲労も大きいので大変。でもお金は大事。傷ついた心が金銭で置き換えられるとは思わないが、それでもお金は大事だ。当面の生活費にするもよし、贅沢して心を満たすのもよしだ。
しかし、相手に対する情が残っていて、金銭を請求するのが心苦しいという場合もあるだろう。私の場合は、もしかしたらやり直せるかもしれないという淡い思いを抱きながらも、速攻で慰謝料請求したのだが。こういう自分は大好きだ。どんな風にお金を使ったのかは、機会があれば別記事でまとめたい。

まとめ

・精神的疲労を甘く見ない
・感情を大事にすることができないなら、せめて身体を大事にせよ
・焦らない。とにかく焦らないようにする(これが本当に難しい…。)
・この経験さえ糧にして、私はもっと強くなりたい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?