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映画:見えない目撃者

森淳一が監督の「見えない目撃者」を見た。吉岡里帆が演じる、目の見えない元警察官が主人公である。

主人公が元警察官であったので、勝手にミステリー系の映画と思っていたら、スリラー系であった。途中から少しグロテスクなシーンがいくらかあり、慣れていないと少々驚くかもしれない。

話は目の見えない主人公が犯人を目撃したところから始まる。目撃者の主人公は目が見えず、犯人の顔が分からなかったことから、警察は犯人が特定できなかった。そこから、実際に犯人を見た人や、犯人に襲われた人の周辺人物を調査していくうちに犯人について段々とわかってくる話であった。

犯人の特定は無理なのでやはりミステリーではなかったのだなと改めて思う。
今敏の妄想代理人のように主人公の妄言の可能性も考えたが、そんなこともなかった。

話の中で、犯人は死体を切断することなどに興味があるのだなと思えるシーンが出てくる。そのシーンが出てきたところから、この映画のスリラー感が増してくる。

スリラー映画をあまり見たことがなかったので気づかなかったが、スリラー系の映画は、そのグロテススクさや怖さ、気持ち悪さというのを楽しむ映画なのだと気付いた。ホラー映画やヒューマンドラマで扱われる人や得体のしれないモノへの恐怖とはまた違う表現がされている。

吉岡里帆がインタビューで答えていたそうなのであるが、「スリラーをエンターテイメントとして届ける」ということに作成時に重点が置かれるのだろう。トラウマを産み付けるようにしたり、何か人の気持ち悪さを感じたりするような作品とは違うのだなと感じた。

終盤の追い詰められるシーンはスリラー映画として楽しめる要素が多かったけれど、序盤は大人しめだった。そのため、スリラー初心者にはいい映画だったのかもしれない。

私が生きることができるようになります。