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『パクる』ことを自覚しているか否か。


以前、データ入力とか、文字を打つ仕事がしたいなあ…という話になったとき。

知り合いの一人が言った。

「誰かのブログ適当にパクればイイじゃん。ファッション系とか、みんなやってるでしょ」

その発言に、唖然とした。

私はファッション系ブログをまず見ないから、実態は知らないけれど、サラッと「パクればイイ」なんて発想が出てくることも、「みんなやってる」なんて安易に正当化することも、まるで理解出来ない。

何より、私が創作活動をしていると知っている相手から、そんな言葉が出てきたのが衝撃的すぎた。

いや、人のものパクって金儲けに走るくらいなら、私もう創作辞めるわ…。


創作界隈では、パクリ問題はたびたび炎上しているけれど、大体はパクったもしくはパクられた当事者ではなく、関係ない第三者が火種を起こしているケースが非常に多い。

私自身は正直、誰が誰をパクっていようが、別にどうでも良い。

声を上げるとしたら当事者だけだと思っているので、検証画像なんかをご丁寧に貼りつけて拡散している第三者の人たちは、今日も元気だなあくらいである。

そこへ首を突っ込むつもりはないのだが、その行き過ぎた正義感が果たして本当に当事者の為になっているのかは、考えて欲しいとは思うけれど。

「親切という名のおせっかい」とみつを氏も言っていたものだ。


しかしながら、中には「これは自ら火起こししてるから仕方ないな…」という人も居る。

某人気スケートアニメのキャラ原案を担当していた漫画家さんに至っては、Twitter上で堂々と「どんどんパクればいい。素人にはバレないから」というようなツイートにより燃料を投下してしまっていたので、これに関しては擁護のしようがない。

本人は「参考にする」的な感覚なのかも知れないが、「パクる」という言葉を自ら使ってしまっているところが非常に残念だ。

「私、パクってます!」と宣言しているようなものなので、そりゃあ炎上もするでしょう、と。


絵でも小説でも、何かを参考にすることは、私自身は全く問題ないと思っている。

絵が不慣れな人が、他の絵を参考に見ながら書くだとか、小説なら自分の好きな作家さんの本を読んで勉強するだとか。

大切なのは、そっくりそのまま丸写しはしないこと。

それからもっと大切なのは、参考にさせてもらったものに対して、リスペクトの気持ちを持つこと。

よく「トレパクだ」なんて叩かれている人を、創作界隈ではまあ山ほど見てきたけれど、後者の気持ちを持っていない人が、物凄く多い印象だった。


「◯◯を参考にさせて頂きました」って一言添えるのは、そんなにも躊躇うようなことだろうか。

創作活動以外においても、人間関係や様々な場所で、相手へのリスペクトというのは非常に重要だと私は思う。

リスペクトが無いと、結局は独りよがりの作品・世界になってしまう。

尊敬の念を示さないのなら、何かしら後ろめたい気持ちがあるのか? それこそ、『パクリ』という自覚があるのか?と、逆に思ってしまう。

繰り返しになるが、私はパクリ行為をしている人をわざわざ吊し上げたり、炎上に参加したりするつもりは全くない。

バチバチやり合うのは当事者同士だけで良い。

ただ、創作者として、明らかに何かを参考にしていても、堂々と自身の手柄とばかりに鼻を高くしている人とは、相入れないなあとは思う。

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