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人生初の胃カメラ体験

胃カメラと聞いて、心躍る人はどのくらいいるだろうか。
少なくとも私は、「胃カメラなんて絶対にやりたく(飲みたく)ない!」と思っていた。
胃カメラ=苦しいというイメージが、どうしても拭えなかったからだ。

しかし歳を重ねるうちに、そうも言っていられなくなってきた。
ストレスを感じるたびに胃もたれや胃痛に悩まされることが増え、先日とうとう胃痛と吐き気で夜中に目を覚まし、数日間寝込んでしまった。

市販の胃薬で騙し騙しきていたものの、これはいよいよ限界かもしれない…。
でも胃カメラは嫌だ。
でも私の胃も限界を訴えている。
でも胃カメラは嫌だ。(1行前に戻る無限ループ)

そんなとき、数年前に近くに開院した消化器内科の内視鏡検査は、とても評判がいいらしいことを小耳に挟んだ。
検査の際は鎮静剤を使用してくれるため、非常に楽に検査が受けられると好評らしい。

私もこれまで、「胃カメラのときは鎮静剤を使ってもらったら、寝ている間に終わるよ!」と友人・知人から聞いてはいた。
鎮静剤を使用して胃カメラを受けた人の中には、「気づいたら検査が終わっていた」という方も多いのではないだろうか。
ネット上でも、検索してみると同じような感想がたくさん見られる。

近隣でも評判のいい内科ならば、信じて頼ってみてもいいかもしれない。
そう思い、私はとうとう人生初の胃カメラを飲むことを決意した。
以下はそんな私の率直な初胃カメラ体験談である。(あくまで個人の感想です)

検査を受ける前に

検査体験の前に、まず書いておかなければならないことがある。
私の常用薬についてだ。

私は何年も前からパニック障害・うつ・不眠症を患っており、現在も通院・服薬をしている。
飲んでいる薬には、
・抗不安薬
・抗うつ薬
・眠剤
が含まれている。
実はこれらの薬はすべて、胃カメラ検査時の鎮静剤(静脈麻酔)が効きにくくなるリスクがある

このことは検査の事前説明時にもらった用紙にも記載されており、私も「全部飲んでますが大丈夫でしょうか…?」と率直に不安をぶつけた。
鎮静剤が効きにくい場合、薬の種類や量を調整してくれるとのことだったため、それなら大丈夫か…と私は安堵した。
というか、ここまできたらもう腹を括るしかねえという気持ちの方が強かった。

検査当日

そしていよいよ検査当日。
やはり初の胃カメラに対する緊張感はかなりあったものの、それ以外の体調不良などもなく、予定通り検査の準備が始まる。

まずは採血があり、そのまま鎮静剤の下準備として点滴を繋がれた。
採血や点滴は割と慣れているので、ここまではどうということはない。

次に、「胃の中の泡を消すための薬を飲んでください」と、小さな紙コップを渡された。
少しとろみのついた液体が入っており、量は100mlあるかないかというくらい。
この薬の味が、甘いとも苦いともなんとも言えない味で、正直おいしくはなかったが、ちびちびとどうにか飲み干した。

さて、その後はいよいよ検査台へ。
血圧計とパルスオキシメーター(血中酸素飽和度を測るための指先につけるアレ)を装着され、喉に麻酔スプレーを噴霧される。
まんべんなく喉に噴きつけられるのだが、これはすぐに飲み込まず、10秒ほど喉に溜めてから飲み込むように言われた。
指示通りに10秒待って飲み込むと、一気に喉がじんわりと痺れた感覚が。

喉の麻酔が終わると、検査を受けるために横向きの姿勢になる。
マウスピースを口に嵌められ、検査を受けるための体勢はバッチリだ。
そして看護師さんが言った。
「では今から鎮静剤入りますよー。うとうとしてきたら、そのまま眠っても大丈夫ですからねー」
胃カメラは寝ている間に終わったという人たちの記憶は、大抵このあたりで途切れている
ああ、私もこの後目を覚ましたら、もうすべてが終わっているのか…。

そう思ったのだが。
え?
眠るどころか、うとうとの「う」の字もないんですけど??

目も意識もバッチリな私の様子を見て、先生が看護師さんに、鎮静剤追加の指示を出した。
そういえば、鎮静剤の効きが悪い場合は量を調整すると言われていたな…。
なるほど、量が足りなかったのか。
もう一度看護師さんが言った。
「鎮静剤追加しますねー」

…。
……。
え??
相変わらずうとうとする気配もないんですけど???

さすがに焦る私に先生が言った。
「ちょっと目を閉じてみましょうか」

…え?
目を閉じたら眠れるとか、そういう感じ?
眠気なんて微塵も感じてないけど、そんなことある??
そう思いながらも、言われるままに目を閉じる私。
侵入してくる胃カメラ

!?
え!?
めちゃくちゃ起きてるし、カメラ入ってくるのバッチリわかるんですけど!?
しかし文字通りまな板の上の鯉状態の私に、今更なす術などあるはずもない。
何度か「オエッ!」となりながらも検査は進み、恐らく5分ほどでようやくカメラが抜かれた。
「いつ鎮静剤効くの!?」と思っているうちに気づいたら検査が終わっていたが、思ってたんと違う

しばらくは放心状態だったのだが、鎮静剤が抜けるまで安静にするためのリラックスルームに移されたあたりで、ふと気づいた。
確かに数回「オエッ!」となったものの、耐えがたいほどの苦痛ではなかったかも…と。
不快感や苦痛がゼロと言うと嘘になるのだが、まったく眠ることができなかった割には、想像したほど苦しくなかったように思う。
初めての胃カメラだったので比較はできないが、少なくとも二度と受けたくないとは思わなかった。
むしろ、バリウムと比べたら時間も短いし胃カメラの方がラクかもというレベル。

検査後に知ったのだが、私が受診した消化器内科の人気の理由は、先生の内視鏡検査技術が非常に優れていることだった。
もちろん鎮静剤が効けばよりラクに検査を受けられるのだろうが、効かなかった私の結論。
胃カメラ検査でもっとも重要なのは、先生の技術だと思う。

このnote記事を見て、胃カメラ検査が不安になった方もいるかもしれない。
実際に私がそうだったように、長い期間、抗うつ薬や抗不安薬などを服用している人は、鎮静剤も効きにくいかもしれない。
だから検査を受ける病院を探すときは、ぜひ先生の検査技術に対する評判を参考にしてほしい。
鎮静剤が効かなかったときの大事な保険だから!!!

ちなみに私は今回の検査で逆流性食道炎と判明し、ポリープも見つかったので、念の為病理検査をしてもらうことになった。
やはりきちんと検査してもらうだけでも、安心感がまるで違う。
今後も定期的に胃カメラ検査を受けようと思わせてくれた先生と、優しい看護師さんたちにひたすら感謝。

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