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子供は鏡

突然、長男から「俺って価値のある人間なんかな?」と問われた。

真面目で神経質で、かなりの心配性。

けれどその分慎重だから、小中学校では毎日クラスで一番に登校して、テスト勉強もいつも自主的にやる。「勉強しなさい」なんて、長男には一度たりとも言ったことがない。過去の私に「見習いなさい!」と言いたくなるくらいだ。


それでも心配性な彼の悩みは尽きないらしい。

休校中の課題が一問でも解けないと不安。

友達にどう思われているか不安。

人混みが苦手だから、人の多い場所に出掛けるのが不安。


楽しいことや、得意なことよりも、どうしても不安なことや苦手なことに意識が向いてしまう。

あーこれ、カウンセリングに通い始めたときの私とまったく同じだわー!と思った。


思春期だし、更に高校生になるこのタイミングでのコロナ騒動だし、そりゃ普段以上にメンタルも不安定になることだろう。

私も彼の自己肯定感を、もっと伸ばす育て方をしてあげられなかったことを悔みつつ、私自身がカウンセリングから学んだことを伝えた。

完璧だとか、一番なんて目指さなくて良い。

失敗なんかいくらでもして良いし、失敗しても挫折しても、それだけで人は死んだりしない。

出来なかったことより、出来たこと。

苦手なものより、好きなもの。

今はそれを大事にすれば充分だから、と。


これは、息子に向けているようで、私自身への言葉でもある。

息子に何かを諭すとき、それは私自身への戒めの機会でもあると、私はいつも思っている。

子は親の鏡と言うけれど、本当にそう。目の前で悩んでいるのは、かつての私。もしかしたら、今でも時々顔を出す私。


「貴方は私にとって特別だよ」という私の言葉を受け取ってくれる存在に、私自身も生かされているのだ。


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