ぽえむ22

「白き花びら」ほうふ しなこ

 冬の枯れ木に咲く花か
 見紛うほどの美しさ

 風に乗りて舞い散れば
 それは白き花びらなりきって
 ひらりきらりと溶けていく

 冬の枯れ木に積もる雪
 冷たさ忘れる美しさ

 風に吹かれて舞い上がり
 辺り照らした蛍のよう
 さらりゆるりと溶けていく

 夜を冷やして消えていく

 踏まれ溶け水泥を吸い
 汚く凍る澄んだ朝

 しかしそこには残らずも
 舞いて散り行く美しさ

 真枯れ木に咲いていた

 厳しき冬の白き花びら

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