推しに会いに行った話
0.はじめに
推しがいるということは、とても幸せなことだ。辛いことや悲しいことがあったときでも、推しを見ることによって元気をもらうことができる。また、余暇を楽しく過ごすにあたり推しの存在は大きな割合を占めるといえよう。
私にも推しがいる。その中でもひときわ特別なのが、声優の津田健次郎さんだ。
もはや説明不要とは思うが、この動画から約2年後の現在、『チ。』のノヴァク役を演じられている。
また、『呪術廻戦』の七海建人役や『遊戯王』の海馬瀬人役など多くのアニメ作品に出演されているほか、俳優、ナレーターなどとしても幅広くご活躍されている。
私は元々『呪術廻戦』が好きで、特に七海建人が好きなことから津田さんのファンになった新参者のファンではあるが、日々津田さんのお声や演技を楽しませていただいている。備忘録として、お会いしたいと思った経緯からお会いしたあとのことを記しておきたい。なお、記事は会いに行ってから一年近く経過してから書いているので、曖昧な部分もある。ご了承願いたい。
1.きっかけ
ある日私は津田さんの写真集が発売されるとの情報を手に入れた。
しかも写真集発売に伴いトークショー、お渡し会があるとのこと!
当時の私は不妊治療中。2回目の凍結胚移植を控えていた時期だった。
滅多にお会いできない大好きな芸能人であることに加え、妊娠したらしばらく遠出できないと考えた私は、お渡し会に参加することにした。東京と大阪で開催されるとのことだったが、私は東日本に住んでいるため特に迷わず東京にした。本当はトークショーにもぜひ行きたかったのだが、私は地方住みであり、ホテル代や飛行機代もかかるとなると金銭的に厳しかったため泣く泣く断念した。抽選だったし倍率が高かったと思うので、そもそも応募しても当たらなかった可能性は高いが...。
そんなわけで、無事お渡し会の先着争いに勝利した私だが、新たな問題に直面した。
2.ひとりで東京行けるかな問題
私の都会経験といえば、大分市に3年、札幌市に4年の居住経験と、3回の東京ディズニーリゾート、東京に慣れている人の同行有りの東京観光が2回、毎年の祖父母宅への帰省の際東京を経由する、といったところだ。今まで電車や飛行機に乗る際は必ず慣れている誰かが一緒で、その人に着いていけばよかったので、一人で乗れるか分からない。大分の電車と札幌の地下鉄なら一人で乗れるが、東京の路線数とは比べものにならない。加えて方向音痴ということもあり、東京で野垂れ死なないかとても心配だったので、東京に住んだことのある夫に相談した。
結果、以前に泊まったことのある蒲田であれば羽田空港からのアクセスが良いし、他の場所と比較すると少しは土地勘があるため、蒲田に宿泊することにした。
一人で飛行機に乗るのは初めてだったが、早めに空港に着き、案内表示をガン見しながら歩くことにより何とかなった。また、東京都内の移動についても案内表示とNAVITIME様とGoogleMAP様を交互にガン見することにより、電車の乗り換え方が分からない、迷子になるなどの問題も生じなかった。文明の利器様様で何とかなるものだな...。
3.いよいよ東京へ
旅行が楽しみなのは言うまでもないのだが、飛行機やホテルの予約や荷造りを後回しにしがちな性分である。そもそも宿泊プランの比較検討とか、必要だが当日ギリギリに詰めなくてはならないもの(例:メガネ、スマホの充電器)を忘れずに用意するとか、天候に合わせて服装を考えるとか、そういったことが非常に苦手である。同じような方はいるだろうか?
ともかく、悪戦苦闘しながら飛行機とホテルをおさえ荷造りを済ませ、いよいよ出発当日になった。羽田空港から蒲田への移動時間を考えておらず、ホテルに知らせていたチェックイン予定時間より遅く到着してしまうというトラブルが発生した(遅れる前にホテルに電話をしたが、その節は申し訳ありませんでした。)。
ホテルの食事は朝ごはんのみお願いした。バイキング形式で、つい取りすぎてしまった。
東京でもう一つ楽しかったのが大学時代のサークルの同期と先輩と会えたことだ。
有名だという餃子屋さんを紹介してもらい、美味しい食事と久しぶりの語らいを楽しんだ。
4.いざお渡し会へ
お渡し会は代官山の蔦屋書店で行われた。先の食事会で「(代官山の蔦屋書店は)札幌の紀伊国屋みたいな感じかな?」とサークル仲間に聞いたところ煮え切らない返事が返ってきていたが、このときの私は「?」である。
蒲田から代官山まで電車で移動した。乗り換え1回、30分ほどの旅路。
代官山の第一印象は、月並みにもほどがあるが「おしゃれ」である。蒲田は区役所もあるし(?)ビルも多いのでThe都会といった印象だが、代官山は高いビルが少ないからだろうか、落ち着いた印象であるのに間違いなく都会である。以前に観光した自由が丘も高いビルが少なくおしゃれな街並みだが、また違った感じを受ける。自由が丘はガーリーな印象、代官山はシックな印象だ。ちょっと何言ってるのか分からない(CV富澤たけしさん)が、ともかく、駅によって雰囲気が全然違って、東京というところは面白いと感じた。
徒歩十分もかからず、代官山蔦屋に到着。
…なんか札幌の紀伊国屋と全然違うぞ?札幌の紀伊国屋は一般的に皆さんが想像するであろう大きな本屋で、私自身よく学生時代に利用しており大好きなスポットであるが、代官山の蔦屋書店は土地柄かファミマからお手洗いまで濃い色の木目と暖色の照明で統一されておりオシャレ極まりなかった。なんか建物もたくさんあるし病院まである。
お渡し会は参加が決定した段階で、参加する時間指定の連絡があり、その時間の一定時間前から会場前に並ぶことができる仕組みとなっていたのだが、迷子を恐れるあまり私の参加枠から一時間以上早く到着してしまった。オシャレ空間をおのぼりさん丸出しでウロウロしたり(不審者)、津田さんの写真がたくさん飾られていたのでそれを記念撮影しながら過ごした。津田さんのいわゆる「痛バッグ」をお持ちの方もいらしていて、私なりにオシャレはしてきたものの、何かひと工夫できたらよかったとちょっと後悔した。
5.私、ちいかわになる
並ぶことができる時間になったため指定場所に向かったところ、まさかの一番目となってしまった。心の準備が…。後ろに並ばれた方に順番を代わってもらえるよう交渉するか迷ったが踏みとどまった。いよいよ本物の不審者になってしまう。
参加者の方が並び終わったタイミングで、スタッフさんから、お渡し会での注意事項などをお伺いした。他のファンの方々と一緒に聞いていたが、皆さん落ち着いていらっしゃるし、スタッフさんのお話にもしっかり耳を傾けられている。勝手なイメージで本当に申し訳ないのだが、芸能人に会えるとなったら暴走したり決まりを守らなかったりする輩が現れるトラブルが付きものだという偏見があった。そういった輩に大好きな人のファンだなんて名乗ってほしくないのは言うまでもないのだが、今回はいなさそうだったし、落ち着いた周りのファンの方々を見て安心した。津田さんやスタッフさんに迷惑をかけるなんて許さない(何様?)。
いよいよ私の番となったが、ここからは緊張しすぎて記憶が曖昧だ。
津田さん「こんにちは〜」
私「(あっいいお声...)あっ...」
変なところで立ち止まる私。
津田さん「こっちだよ〜」
私「(わっ...)あっ...」
スタッフさんにスマホを渡しツーショット撮影。
サインを書いてくださった写真集を津田さんから受け取る。
私「ありがとうございました...。」
サイン無しの写真集をスタッフさんから受け取り夢見心地で帰路に着いた。
...私はちいかわになった。三十代の人間の女性なので、厳密には「なんか小さくてかわいいやつ」という定義には当てはまらないが、「わァ...あ...」としか話せなくなってしまったので、もはやちいかわと言っても差し支えないだろう。
4コマ目のちいかわが私(?)
津田さんは私の前にもたくさんのファンの方のご対応もされているのに疲れたご様子も見せず、私のような不審者にも優しく対応してくださった。後からツーショット写真を見返すと、津田さんはいつものように素敵な笑顔なのに私はくしゃくしゃの泣き顔である。もう少しまともな顔しておけよ。
ともかく大きなトラブルもなく、お渡し会は無事に終了した。
6.お渡し会に参加してからの私と推し活
津田さんにお会いできたことは言うまでもなく、一人で東京に行けるという自信をつけられたこともあり、参加して本当に良かった。テレビ越しでもこんなに好きな津田さんが目の前に現れる体験は得難いものであり、津田さんの優しさに触れもっともっと大好きになった。
写真集もあとからゆっくり拝見したが、大人の魅力にあふれた素敵な写真ばかりだった。サイン入りのものもあるという素晴らしさ。宝物となった。
帰ってからも、変わらず津田さんの写真集や出演されているアニメ作品、ナレーターを務められているバラエティ番組や雑誌などを拝見している。特にオススメしたい番組は「何か"オモシロいコト"ないの?」。津田さんのナレーションも面白いし、菊池風磨さんとシソンヌの長谷川さんの掛け合いが絶妙で大好きな番組だ。
津田さんお誕生日の際の菊池風磨さん、「なんかオモ」名物ADのミヤハラさんとのスリーショット
金銭的にも時間的にも余裕があるわけではないため、たくさんのグッズを集めたりイベントに必ず参加するなんてことは難しいが、私なりにとても楽しく推し活ができている。蛇足だが夫にも別の推しがいるので、それぞれの推しの情報交換をする、一緒に推しが出ているテレビ番組を見るなど家族ぐるみで楽しく推し活をしている(私がぎゃーぎゃー騒いでいるのに夫が巻き込まれているだけのような気もする)。
これは私の持論だが、推し活というものは自分が幸せになるためにするものだから、人と比べてお金や時間を使えないことで辛くなってしまっては本末転倒だと思う。また、自分の方が推しに詳しい、グッズをたくさん持っているなどの理由で他のファンの方を見下すようなこともしたくないしされたくない。人には人の推し活ということで、他人と比べず今後もマイペースに楽しくやっていきたい。推し活貯金をしっかりして、またイベントに参加する機会をうかがいたい。
津田さんのますますのご活躍とご健康をお祈りし、このレポを終わる。
⋯ところで、CMに出演されているインスタントラーメンを購入した際にもらえる、可愛らしい黄色のカツラをかぶった津田さんが印刷されたクリアファイルが地元で見つけられずにいる。商品は売っているのにクリアファイルが入ってきていないそうだ。このラーメンが美味しかったと過去の私がTwitterに書き込んでいたので、食べたいしクリアファイルもほしい。困った...。