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白菜のぬか漬けが食べたくて

毎朝、YouTubeを見ながらストレッチをするのが日課となっている。ジャンルはさまざま、流行り廃り紆余曲折あり、最近はバードフィーディングとか、配線整理の動画にはまっている。

YouTubeって、わたしの生活にブームを巻き起こすのだ。
自発的にやろう!と思ったのだと見せかけて、実は見えざる手に操られているような、踊らされているような‥そんな気もしないでもないが、まぁいいや踊っとけ〜となる確率がかなり高い。

整体、メイク、収納、手芸、カフェ、冷凍ストック、家電などなど、いろいろ見て、手を出してきた中に、漬物もありまして。

漬物屋のおじさんが、漬け方を教えてくれるんです。おじさんが全然ユーチューバーっぽくなくて、異色を放っています。癖になります。

その中で、白菜のぬか漬けの回があって、それがものすごーく美味しそう。
でも、白菜の白いところが強敵というか、強情っぱりというか、そこの繊維を破壊することが肝心らしく、ひと手間ふた手間かかります。

動画では、まず白菜にまず塩をして、重石をして、水気を抜くという下準備があり、ぬかに入れる前の段階で、すでに2、3日かかる感じで。ばりばりめんどう~だけど、うまそう〜でも絶対めんどう〜行ったり来たり、逡巡。

それでもYouTubeの魔力は、わたしの揺れ動くめんどくさ心を、行動を起こす方に、えいやーちょちょい、と押してくれる。一気に「食べたい、家で作ってみたい!」側に、針が振れた。

ほんと、かるーい「いいな」の気持ちから「よしやるぞ」へ、人をその気にさせる、かき立てるパワーが半端ねぇ、大したやつだYouTube。

で、漬物おじさんは、白菜を樽に入れて重石をしていたが、そんなものうちにはない。ご家庭にあるもので適当に代用。

四つ割りにした白菜に塩をすりこみ、ビニール袋に入れて、上からペットボトルを、どうだと言わんばかりに2、3本乗せてみた。
ちなみに、我が家で一番ズッシリ感のある、トマトジュースのペットボトルにしました。比重がね、きっとね。

白菜の白いところ、重点的にぶっ潰すように、トマトジュースをあっち向けたりこっち向けたり。ときどき指圧。通りすがりにムニムニっと、重石以上の仕事をする。

そのようにして、白菜さんにはテーブルの上で2日ほどゴロゴロ過ごしていただきました。
ときどきトマトジュースがずり落ちて、床まで落ちていたりするので、割れない傷つかないペットボトルでよかったと胸をなでおろす。

水分も出て、やわらかくなったところで、ぬかに漬けると、「美味しい~売ってるやつみたい〜」あっという間になくなりました。手間のわりにあっと言う間。この手間を考えたら、売ってるぬか漬けのこと、高いなんてもう言わないよぜったい、と思いました。

白菜は今が旬、春までにたくさん食べたいってことで何回か作ったのですが、テーブルの上に「ビニール袋に入った白菜と、不安定に乗っけられたトマトジュースが2本」が常態化するのはいかがなものか、と少々反省。もし足の上に落ちてたら、指の骨確実にヤバイ。

ある日、行きつけのホームセンターをうろついていると、漬け物用のたる(本物、とても大きい)が売られていた。漬物石もあった。
売ってるんだ〜キラーン。
いやいやいや、なにを始めるんだ君。かぶりを振る。

すると、漬物用品コーナーの隅っこに、漬物器なるものが。
参考までに「漬物器」とは‥って検索したら、こんなのが1番に出ます。

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落とし蓋みたいなのがあって、圧がかかるようになっているんですよ~
で、サイズもいろいろで、冷蔵庫に入りそうなのもある。
これなんじゃね?と即購入。

白菜なら4分の一玉漬けられます、と書いてあるが、そんなに入るのか?と疑念を抱いたので、白菜を外の葉から使っていって、ちょーっと小さくなるまで待って、小振りの白菜を4等分にして、突っ込んだ。
むぎゅむぎゅむぎゅむぎゅ・・・なんとか入った。
が、ふたが閉まらない。しかたねぇ、白菜を折り畳んで、押し潰す。握力勝負。強引にふたを閉める。ネジネジして圧をかけるのだが、ネジネジできない。ネジネジの余裕なし。

なんだーこれ。ほんとに4分の一入るのか??

冷蔵庫を開けたついでに、ちょっとずつネジをまわす。いけますかねー?なんてお伺いを立てる感じで。

数日圧をかけ、そろそろ変色してきそうなので、ぬかにイン。
1日くらいで十分、とのことだったので、全部切ってみる。

漬かってない・・・
げっ、フレッシュ白菜の味がする~

その昔、母がキャベツがない!と言って、白菜の千切りを添えたことがあった。それは、予想以上にたえがたい代物だった。お願いだからそれだけは二度としないで〜レベル。それ以来、生の白菜のサクサクは、超苦手なのだ。

何度か試してみたものの、漬物器の圧は四つ割り白菜には不向きのようで。なんなのさ、漬物器と謳っておきながら、とふてくされながら漬物器のレビューを検索した。めっちゃ評価高い。どこのサイトを見ても、異常に高評価。みんな大満足。

どうしていつまで漬けてもうちの白菜は生なのさ、と思ったら、画像で判明。ザクザクと3、4センチ角に切られた白菜を漬けていた。

そ、そだねーそうだよねー

芯までプレスするほどの圧はないわな、と悟る。ぬか漬け用の下漬けは、つながった状態でないとぬかの中で迷子になってしまうから、ザクザク切れない。ゆえに、ぬか漬けの下漬けに漬物器は不向き。

と、延々、長々と書いてきて、ずっと白菜のぬか漬けのことを考えていたら、突如新しい方法を思いついた。

白菜を割らずに、葉を1枚ずつきれいにはがして、塩をして、二つ折りかなんかにしてプレスして下漬けをしてから、ぬか床に入れたらいいのでは??漬物器も使えて楽なのでは??ぬか床の中で葉がバラバラになることもなく、サイコーなのでは??

バラバラにならないように、根元をくっつけておかなくちゃ、とばかり思っていたけれど、一枚一枚漬けてもいいのだなぁ。思い込みは危険、発想の転換は大事。

そして「白菜 ぬか漬け 一枚ずつ」で検索。
やっぱり先人がいた。っていうか、郷土料理じゃん。名前もついている。

わたしの迷走のゴールは「白菜の畳み漬け」だった。
なんだかじーんとする。noteありがとう。





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