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春だからふりかえる

春だから、ふきのとうを食し、ツバメを愛で、つくしを探しまわった。
春の素材、コンプリートした。

そして、春だから、上の子アメとの一年をふり返ってみようと思った。
苦い思いをたくさん味わった一年だった。
その前の一年もたいへんだったけれど、その前もたいへんだったし、三年くらいずっと「たいへん」に追い立てられている気がする。



一年前の春、アメは1年生になった。
やりたいことがあって、それをできるところに、めでたくおさまった。
ハッピーエンドだったはずなんだよな。

以前noteにも書いた通り、アレでアレになったころから、全く勉強できない状態が長く続いて、成績は危機的状況だった。
”全く勉強できない”が少し回復したところで、さほどがむしゃらに勉強できたわけでもなく。
それでもなんとか、本人の希望していたところにすべり込めた。

ラッキーという言葉で片付けるのは、しのびない。っておかしいんだけど、あまりにたいへんな日々だったので、軽々にラッキーとは言いたくないような。
それで、当日アメに解ける問題が出たってことなんだろうな、とわたしと夫は解釈することにしたのだが。いや、それを一般的には幸運というのか。

とにかく、次のステージに進めば大丈夫だ、と思っていた。
本人が行きたいと希望していたところで、やりたかったことができるのだから、さすがにやるだろう。

ようやく肩の荷が下りた、と思っていた。
ここまで、わたしも夫もどれだけサポートしてきたことか。
なかなか扱いが難しく、期間限定だからがんばれた部分がある。
そして本人の年齢的にも、この先、親は敢えて手を出さないでいるくらいが、よいだろうと考え、手を放した。

そのようなことで、アメはふらぁ~っと新しい環境に飛び込んでいったのだが、
ひと月もたたないうちに、生活も、学業も、ぼろぼろになってしまった。

朝起こしても起きられないから休みがち。
時間の使い方がおかしいので提出物が仕上がらない。
情報の整理ができないので、複数の提出物の期限を管理できない。
情報が読み取れず、提出物があったことにも気付けない。

などなど。
どこがどれだけヤバいことになっているのか、全体を把握することもできず、どこから手を付けたらいいのかわからないほど、悲惨なことになっていた。

このままではヤバいな、間違いなくヤバイ。

朝、力づくで起こそうとしたり、なだめて起こそうとしたり、より一層がんばった。
課題のために、自習室を借り、食糧を持たせ、送り迎えをした。
なんとか取り返してもらわなければ!と、大層がんばった。

でも、親のできることはこれくらいしかなくて、親がいくらパタパタとがんばっても、土俵の外なので、本当の問題は解決しなかった。
自習室に連れて行くことはできても、課題は進まなかった。
そのうち連れて行こうとしても、部屋から出てこなくなった。
やがてすっかり行かなくなってしまった。

朝はなにをしても起きなくなった。
起きる、起きないの騒動の時が長くなるほどに、険悪になり、敵意を向けられるようになった。

ある朝、枕を投げつけられ「こんな家、出て行ってやる」とすごまれた。
あぁそうかい、そうかい。
わたしのかろうじて保たれていた理性っぽい糸が切れた。

先方が「借金してでも…」とおっしゃったので、
「あなたのような方が、どこでお金を借りられるのかご存じ?お部屋も保証人がいないと貸してもらえないでしょうね。お金はわたしのお金を貸して差し上げましょう。無利子で構いませんが、借用書は書いていただきますね。保証人はお父さんに頼めば、なってくれるでしょう」などと、大人の威を振りかざして、真正面からお見舞いしてやった。
当然のことながら、史上最悪の諍いに発展してしまった。

おっとー余計にまずいことになっとる。
仕切り直し、仕切り直し。

わたしはあなたの敵ではない。敵意はない。あなたの人生がよりよいものとなるよう、ただそのことだけをひたすらに望んでいる。

と、まずはここから

朝起こすことはあなたの望みだから、憎まれても疎まれてもウザがられても、毎日続けてきた。わたしの役割だから、やめてしまったらあなたが困るだろうから、こちらも義務感でやっていただけだ。わたしの望みではない、あなたの望みのはずだ。違うのならやめさせてもらうが。

と、スタンスの確認をし

起きたいんだよね。でも、起きられないんだよね。困ったね。困ってるよね。どうしたらいいんだろうね。こっちはできることを全てやってるんだよ。
課題もやらないといけないのはわかってるんだよね。でもできないんだよね。困ったね。どうしたらいいだろうね。わたしが課題をするわけにもいかないしね。

と、寄り添う姿勢を見せ

あなたはどうしたいの?しがみついてでも今のところにいたいの?
正直ここだけじゃないと思うのよ、他にも生きる道はあるよ。アルバイト先でそのまま雇ってもらえそうならそれでもいい。最終的に自分で生計を立ててくれたら、なんでもいいんだよ。

と、ゼロベースでの見直し

相談できる、しかるべきところはある?
それで解決するかどうかわからないけど、このまま何も手立てを打たなかったら、まぁ間違いなく悪い方に行くよね。
今たぶん分岐点なんだよ。一歩踏み出すか踏み出さないか、どっちを選ぶ?

と、選択と決断をせまる

自分の力だけでどうにも立ち行かなくなったときは、困っています、と手を上げて声を出すんだよ。それがないと、助けたいと思う人が周りにいても助けられないし、逆にそれがあったら、いくらでも救いの手はあるんだよ。

と、立て直しをうながす

今すぐ連絡をして、アポイントを取りなさい。今でないと面倒になって後回しになって、それをわたしに指摘されてまた攻撃的になって、魔のスパイラルに入るから。
これだけは今すぐ、たった今、この場で。

ここはどうにも譲れないので強制。

めでたく、学内の相談室とつながりました。

今日はここまで。

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