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【フランスおいしい旅ガイド】アルザスの都市別食べ歩き方

美食の国フランス。フランスの各地方には、その風土を活かした料理や伝統的なお菓子があります。フランスを20の地方に分けてそれぞれの特徴をご紹介します。今回はアルザス地方です。

アルザス Alsace

フランス北東部、東はドイツとの国境に流れるライン河、西はロレーヌ地方との境に切り立つヴォージュ山脈にはさまれた地方。その立地条件のため、紀元前1世紀にはローマ人が入植し、5世紀にはフランク王国に帰属されたが、1870年の普仏戦争以来、独仏間の領地争いが繰り返された。現在はヨーロッパの中心として平和と交流の役割を担っている。

アルザスは文化的にドイツの影響を受けながらもフランスの生活文化を巧みに融合させて、独自の文化を生み出した。古代からゲルマン系の人々が住み、現在でもこの地で話しているアルザス語はドイツ語方言であり、この地方のほとんどの料理名はアルザス語である。豊かな土地に恵まれ、伝統と強い郷土意識に支えられたアルザスの食文化は奥が深い。またアルザスには乾燥した温暖な気候をいかしたブドウ畑が広がり、コルマールを中心にワイン産業が発達している。北部ではホップが栽培され、ビールの生産が盛んである。また、アルザスは、クリスマスにモミの木を飾って祝う風習の発祥の地といわれている。

*アルザス地域圏は、2016年にシャンパーニュ=アルデンヌ地域圏、ロレーヌ地域圏と統合されて、グラン・テスト地域圏 Grand Estとなっている。

データ
県名:Bas-Rhinバ・ラン、Haut-Rhinオー・ラン
旧地方名:アルザスAlsace
主要都市:ストラスブール Strasbourg

特産品
フォアグラ、果実の蒸留酒(キルシュ、ポワール・ウィリアム、オー・ド・ヴィ・ド・ミラベル)、アルザス・マスタードMoutarde d'Alsace(白マスタードで作る、黄色が強く、辛みの少ないマスタード)

おすすめのお土産
陶器、ハンジグッズ、布製品、ジャム、フォアグラ、蒸留酒

■都市別ガイド

アルザスは南北約200kmの細長い地方。主要都市は北からストラスブール、コルマール、ミュールーズで、これをアルザス鉄道(TER)が約1時間で結んでいる。切符売場近くに時刻表(無料)がおいてあるので、まずこれを手に入れるとよい。リクヴィール、リボーヴィレといったワイン街道沿いの小さな村へは、日曜日以外なら、コルマールからバスの便がある。電車やバスの時刻は、季節によって、あるいは曜日によって異なるので注意が必要。

●ストラスブールStrasbourg


ストラスブールは、ライン川の支流に位置し、EU(EC)諸国統合の本会議場、欧州議会(Palais de l'Europe)があることで知られている。歴史的にみるとこの町は幾度かドイツ領シュトラスブルクだった。なので、急勾配の屋根と木組みの建物、重厚なカテドラル、ザワークラフトの上にソーセージがのったシュークルート、ビール等、ドイツ的なものが幅をきかせている。バスで10分も行けばドイツとの国境。

アクセス
パリ東駅からストラスブールまで特急で約4時間。1日約10本。例えば7:49にパリを出発すると、11:41ストラスブール着。駅から町の中心へは歩いて20分位。目指すお店はほとんどが、カテドラルとKleber広場の間にある。

モデルコース
ストラスブール大聖堂→ステンドグラス美術館→お菓子屋さんめぐり→プティット・フランス(所要1日)

観光スポット
□ストラスブール大聖堂(Cathedrale)
煤けたローズ色の重々しい建物。壁面には数え切れない程の彫刻が落ちそうな位くっつき、尖塔がすくっと1本伸びている。12~15世紀に建てられたゴシックの教会、と聞くと2本の塔のシンメトリーな美しさを持つ大聖堂を思い浮かべがちだが、ここはちょっと趣が違う。しかもこの尖塔の高さは142mでフランス1。赤いのは、付近のヴォージュ山地から切り出した赤色砂岩で造られたため。前の広場には紙芝居のおじさんが客を集め、偶然民族衣装を着たパレードの人々が通りかかる。周りには土産物屋が並び、どの店にも大小様々なクグロフの型が置かれている。鐘楼に登ることもできる。エレベーターは上りのみ。屋上は結構な眺め。赤茶色の三角屋根の街並みの向こうに、ヴォージュ山地や黒い森まで見渡せる。下りは階段。ちょっとつらい。

□ステンドグラスの美術館(Musee de l'Oeuvre Notre-Dame)
カテドラルの裏手にある。現存する最古のものといわれるキリストの顔のステンドグラスが展示されている。

□プティット・フランス(La Petite France)
イル川に面した色とりどりの壁と黒い木組みの家々が並ぶ地帯。レストランには赤やピンクの花が飾られている。時折観光客を乗せたボートが通る。小フランスというけれど、どうみてもドイツ。グリム童話の主人公が出てきそうな雰囲気だ。川沿いのカフェのテラスでビールを飲みながら、大パノラマを楽しむのもよい。時間を忘れて気ままな旅人になれる。

お菓子屋さん
□Naegel:ネゲル
9, rue des Orfevres, 67000 Strasbourg Tel:03.88.32.82.86
地方色豊かなお菓子屋さん。カテドラルの近く。イートインあり。(2001/5/22)

□Christian:クリスティアン
10, rue Merciere, 67000 Strasbourg Tel:03.88.22.12.70
12, rue de l'Outre, 67000 Strasbourg Tel:03.88.32.04.41
ストラスブールに2軒ある老舗のチョコレート専門店。パンもおいしい。サロン・ド・テあり。(2001/5/22)

□Thierry Mulhaupt:ティエリー・ミュロップ
18, rue du Vieux Marché aux Poissons, 67000 Strasbourg Tel:03.88.23.15.02
白とオレンジのモダンな店構え。オーナー・パティシエのティエリー・ミュロップ氏が作るお菓子は、斬新ながらアルザスの伝統をふまえる。グラニュー糖をまぶしたクグロフはパンとケーキの両方のおいしさがあり絶品。独特の製法で作るパン・デピスもおすすめ。(2001/5/22)

□Épice et Chocolat:エピス・エ・ショコラ
5, rue du Temple Neuf, 67000 Strasbourg Tel: 03.88.32.43.80
カテドラルの近くにある「ティエリー・ミュロップ」のチョコレート専門店。(2001/5/22)

□Kubler:クブレ
29, Avenue des Vosges  Tel: 03.88.35.22.27
ストラスブールのイル川のすぐ北にあるMOFパティスリーAntoine Hepp氏のお店。こちらのクグロフは軽さを出すため、発酵して膨らんだら冷蔵庫に入れ休ませ、また膨らますという作業を3回繰り返すのだそうだ。日持ちは3、4日。クグロフは平日用のパンで、土日はクロワッサンを作る。スペシャリテはオレンジロール(まわりにバターを塗ってあられ糖をふりかけて焼いたもの)、チョコレートとマンゴーのケーキ、地方性を出しているものとしては、リンゴとシナモンのケーキ、ブリオッシュ生地のもの、タルト・フロマージュなど。常時20種類くらいのケーキを店に出している。(2003/6/13)

□Pain d'Epices:パン・デピス
14, rue des Dentelles, 67000 Strasbourg Tel:03.88.32.33.34
マリ・クレールにのっていたパン・デピス専門店。店内は全てパン・デピス。プティット・フランスにほど近いその店は、お菓子の店なのにとても洒落ていて、店員さんもおしゃれ。しっとりクッキータイプがおすすめ。シナモン、クローブ、カルダモン、生姜、胡椒といった香辛料がかなりきいていて、くせになりそうな味。(2001/5/22)

グルメスポット
□Kirn Traiteur:キルン・トレトゥール
19, rue du 22 Novembre, 67000 Strasbourg Tel: 03.88.32.16.10
総合食品店。真空パックのシュークルートあり。ケーキやトゥルトも充実。(2001/5/22)

□La Boutique d'Antoine Westermann:ラ・ブティック・ダントワーヌ・ウエステルマン
1, rue des Orfevres, 67000 Strasbourg Tel: 03.88.22.56.45
ストラスブールの3ツ星シェフの惣菜屋。パテ、テリーヌの缶詰、瓶詰め、ベッコフの瓶詰めなど。(2001/5/22)

レストラン
□Au Crocodile:オ・クロコディル
10, rue de l'Outre, 67000 Strasbourg Tel:03.88.32.13.02
ストラスブールのど真ん中にある3ツ星(2002年現在)。ルレ・エ・シャトー。ヌーヴェル・アルザシアン。観光のついでに寄るにはもってこい。入口の天井からワニがぶら下がっていて、地下のトイレの前はジャングル状態。(2001/5/22)

□Buerehiesel:ビュールイーゼル
dans le parc de l'Orangerie, 67000 Strasbourg Tel: 03.88.45.56.65
3ツ星(2002年現在)。ルレ・エ・シャトー。植物園の中にある。蔦のからまる一軒家で、軽井沢のハイソなイメージ。ベージュの壁に黒い木組み、軒先にドイツ風のあひるの看板が下がっている。(1996/8/26)

□Chez Yvonne:シェ・イヴォンヌ
10, rue du Sanglier, 67000 Strasbourg Tel: 03.88.32.84.15
女主人が切り盛りしているというヴィンシュテュップ(ワインの飲める居酒屋)。店内はウッディで重みがある。地方料理各種あり。グラスワイン多数。(2001/5/21)

□L'Ami Schurtz:ラミ・シュルツ
1, rue Ponts Couverts, 67000 Strasbourg Tel: 03.88.32.76.98
プチット・フランスの川辺のブラッスリー。中州にある可愛らしい一軒家。ここでのお目当てはアメール・ビエールという、ピコンというリキュールの入った甘苦いビールと、アルザス名物シュークルート。(2003/6/12)

□Le Cerf:ル・セルフ
30 rue du Général-de-Gaulle, 67520 Marlenheim
ストラスブールの西21kmのマーレンハイムにあるテロア・モダンな2ツ星レストラン(2003年当時)。シェフは、郷土色をモダンに表現することで定評のある、若手オーナーシェフ、ミシェル・ユセールMichel Husser氏。(2003/6/13)

●スフレンハイムSoufflenheim


アルザス北部の陶芸家の村。クグロフ型やベッコフ用の陶器を作っている。この村には窯元が10軒位軒を連ねていて、それぞれに特徴ある陶器を作って販売している。パンフレットを見ながらオリエンテーリングのように順番に一軒ずつ覗いていくのもよい。

アクセス
ストラスブールからルンツェンアイムRountzenheimまで電車で35分。そこからアグノーHaguenau行きバスで5分。駅(無人)にタクシーはいないので、このバスに合わせて行動するしかない。村の入口にもバス停はあるが、村の真ん中で降りると良い。

モデルコース
行き:12:17ストラスブール発→12:53ルンツェンアイム着 13:20発のバスでスフレンハイムへ
帰り:17:05発のバスで駅へ 17:25ルンツェンアイム発→18:00ストラスブール着

観光スポット
□Henri Siegfried
10, rue de Haguenau Tel: 03.88.86.60.63
陶器の工房。スフレンハイムでは17世紀から陶器を作り始めた。当初はアプトの森の土を使っていたが、最近はリモージュの土を使っている。製法は3種類あり、①ろくろを使ったもの(水差しなど) ②型抜き(テリーヌ型、クグロフ型など) ③機械製。形を作ったら釉薬をかけ、女性たちが絵を描いて、乾かす。それを1000℃で8時間焼成。(2003/6/12)

●コルマールColmar


コルマールはアルザス地方でも珍しく戦火にほとんどあっていない。ストラスブールの南、ライン川の上流にある、古い街並みを残す静かな町。アルザス・ワインの生産地としても有名。アルザス・ワインは畑の名ではなく、ぶどうの品種によってワインに名前がつけられている。

アクセス
ストラスブールから電車で35分。駅から町の中心へは歩いて15分位。

モデルコース
ウンターリンデン美術館→お菓子屋さんめぐり→プティット・ヴニーズ(所要半日)

観光スポット
□ウンターリンデン美術館(Musee d'Unterlinden)
もと修道院だった建物を改造し、蔦のからまる回廊を通路にしている。ドイツ人のグリューネヴァルトによって描かれた“イーゼンハイム祭壇画”は必見。十字架にかけられたキリストの表情は苦痛にゆがみ、体は青紫の斑点が浮き出て、反り返ったまま硬直している。悲惨の一言。ところが裏側には、傷の癒えたキリストがいる。手に打たれた釘のあとから、光が発している。復活の雰囲気が生々しく伝わってくる。他にコルマール生まれのマルティン・ショーンガウアーの絵や銅版画が展示されている。

□プティット・ヴニーズ(La Petite Venise)
運河に沿ったアルザス特有の木枠造りの建物が建ち並ぶ区域。ストラスブールのプティット・フランスにそっくり。なんでこちらはベニスなのだろう。

お菓子屋さん
□Helmstetter:エルムステッター
11-13, rue des Serruriers, 68000 Colmar Tel:03.89.41.27.78
1776年創業。ドミニカン教会の前。サロン・ド・テあり。ダニエル・エルムシュテッター氏は、クグロフ作りの名人。(2001/5/19)

□J.P.Bechler:ベシュレール
4, rue Charles Mache Wldor, 68000 Colmar Tel: 03.89.41.07.34
お店はコルマールの市内と郊外に2軒ある。クグロフ、クロワッサン、ブリオッシュ生地のパンなどがある。アルザスパンで特徴的なのは、ビールを使ったPain a la biere。これはビールとライ麦を混ぜてイーストを入れたものをパン生地の表面に塗って焼く。すると表面がメロンパンのようにひび割れる。(2003/6/14)

グルメスポット
□La Ferme:ラ・フェルム
34, rue des Tetes, 68000 Colmar Tel: 03.89.23.43.55
食材店。惣菜、香辛料、チーズなど、こだわりの品。(2001/5/19)

レストラン
□Auberge de l'Ill:オーベルジュ・ド・リル
2 rue de Collonges au Mt-d'Or 68970 Illhaeusern Tel:03.98.71.89.00
イローゼルン村の3ツ星。オーベルジュもある。川沿いのロケーションが素晴らしい。まずテラスで食前酒をどうぞということで、イル川沿いのテーブルで暮れてゆく夕日をみながら、カクテルをいただくのが最高。(2001/5/20)

□Au Fer Rouge:オ・フェール・ルージュ
52, Grand'rue, 68000 Colmar Tel: 03.89.41.37.24
コルマールの中心部にある伝統の名店(1ツ星)。シェフはPatrick Fulgraff氏。(2003/6/14)

●リクヴィールRiquewihr


ぶどう畑の中にある小さなワインの村。入口にはアーチ型の門があり、そこをくぐるといきなり中世の街並み。1本しかないメインストリートには観光客がそぞろ歩きしている。ゆるやかな坂道の両側にはワインやワイングラス、食料品を売る店が並んでいる。小道には洒落た看板のレストラン。花を飾った時計台が目立っている。

アクセス
コルマールから、月~土のみ1日8本のバス(Pauli Autocars)で30分。このバスでリボーヴィレまで行くことができる。

モデルコース
11:00コルマール発→11:28リクヴィール着(バス)
14:38リクヴィール発→14:53リボーヴィレ着(バス)(所要3時間)

観光スポット
□アンジ美術館Museé Hansi
16, rue du General de Gaulle Tel: 03.89.47.97.00
アンジ(1873~1951年)は、アルザスの伝統的な風俗を多く描いたコルマール出身の風刺画家。彼の描くアルザスの衣装をきた女の子や風景などの作品は、陶器の模様になったり、絵はがきになったりして、アルザス中の観光地で売られている。ここはその本家。1階がショップ、2階が美術館になっている。1階のレジでお金を払って、2階へ。こじんまりとした4部屋位の美術館だが、日本語の説明書もある。彼の絵画や絵皿などが飾られていて、1室には大きなテーブルと椅子があり、ビデオを流している。店の看板やメニューなども手がけていたようだ。下のショップでは、壁掛けや絵、絵本、絵はがき、フェーブ(小さな陶製の人形)などを売っている。(2001/5/19)

グルメスポット
□Dopff & Irion
66, rue du General de Gaulle, 68340 Riquewihr Tel: 03.89.47.19.02
ワイナリー。試飲もできる。(2001/5/21)

●リボーヴィレRibeauvillé


リクヴィールの少し北。丘の上には11~14世紀の古城がそびえ、麓にはカラフルな木骨組みの家々が並ぶ。中央の広場にはルネサンス様式の噴水や、15世紀ゴシック建築の教会がある。野生のコウノトリが生息する。
プチトランで町を一周するのもよい。

アクセス
ストラスブールから電車で35分。コルマールからバスで45分。

モデルコース
行き:14:10コルマール発→14:53リボーヴィレ着(バス)
帰り:18:25リボーヴィレ発→19:10コルマール着(バス)(所要半日)

グルメスポット
□Les Fois Gras de Liesel:レ・フォア・グラ・ド・リーゼル
3, route de Bergheim, 68150 Ribeauville Tel: 03.89.73.35.51
フォアグラ専門店。コルマールに支店あり。鵞鳥と鴨のフォアグラ、トリュフ入りのテリーヌなどがある。フレッシュなフォアグラのテリーヌを買ったら、ジュレをつけてくれた。(2001/5/19)

□Jean-Paul Metté:ジャン・ポール・メッテ
9, rue des Tanneurs, 68150 Ribeauvillé Tel:03.89.73.30.11
アラン・デュカスご用達という蒸留酒の醸造所。アルザスはおいしい果物が色々あるので、蒸留酒も豊富。奥は工場になっている。色々とテイスティングさせてもらえる。キルシュ、ポワール、フランボワーズといった定番から、アカシアの花、アニス、バジルなんていうのもある。オレンジやフランボワーズは香りがとても華やか。(2001/5/19)

レストラン
□Caveau de l'Ami Fritz
プチホテルのテラスレストラン。タルトフランベ、ストラスブール風(シュークルートがのっている)とベッコフあり。タルトフランベは予想とは違ったが、悪くない。ベッコフはかなり塩辛い。売れ残って煮詰まってしまったのか、元々なのかは定かではないが。(2001/5/19)

●マンステールMunster


マンステールチーズの村。山奥の小さい村だと思っていたのだが、実はけっこうな町。観光客も多い。チーズを作っているのはさらに山の方。またマンステールにはコウノトリがたくさんいて、市役所の屋根には5つ位巣があった。

アクセス
コルマールから電車(またはSNCFが運行するバス)で30分。レストランのある農家は、マンステール村ではなく近郊の村にある。

グルメスポット
□Freme du Buhl
31, rue de l'Altenhot, 68380 Metzeral Tel: 03.89.77.75.20
マンステールを作っている農家。突然訪問したが、見学させてくれた。作業場には入れず(おそらく衛生上の問題)、ガラス越しに覗き込む。フレッシュなものもおいしいのよ、と言うので、頼んで試食させてもらう。牛小屋には子牛が2頭いて、大人は近くの牧場に放しているのだそうだ。(2001/5/20)

□La Graine au Lait
333a La croix d'Orbey, Lapoutroie 68650 France Tel: 03.89.47.50.76
Lapoutroieにあるマンステールの製造、販売所。見学者も受け入れている。マンステールは1000年前から食べられている伝統あるAOCチーズ。牛はヴォージェンヌ種。製法は、まず農家から届けられた乳を35℃に温め、凝乳酵素(プレジュール)を入れて凝乳(カイエ)を作る。固まった凝乳を型に入れ、水分を抜く。昔はサパンの型を使っていた。翌日型から抜き、塩をつける。塩は味、表皮をつくる、保存、脱水のために加える。量は重さの2%。3~5日置いておき、カーブで1ヶ月熟成する。その間、3日に1回、水で表皮を洗う。試食は、無殺菌乳、殺菌乳、BIOの乳のマンステール、クミン入り、ゲヴェルツトラミネールのマールで表皮を洗ったもの、そして真空パックのタルト・オー・マンステール(温めて食べる)などをさせていただいた。(2003/6/14)

●ニーデルモルシュヴィールNiedermorschwihr


フェルヴェールさんのジャム屋さんがある村。

アクセス
コルマールから、1日数本のバスで25分(平日、土曜のみ)

モデルコース
行き:12:10コルマール発→12:35ニーデルモルシュヴィール着(バス)
帰り:13:14ニーデルモルシュヴィール発→13:47コルマール着(バス)
(所要2時間)

お菓子屋さん
□Maison Ferber:メゾン・フェルヴェール
18, rue des Trois Epis, 68230 Niedermorschwihr Tel: 03.89.27.05.69
クリスティーヌ・フェルベールChristine Ferberさんの店。コルマールからバスで行くと、途中Turckheimという小さな村を通り、ワイン畑の中を進む。バスは教会の前に止まる。村に店は1軒しかない。なのでここはパン、お菓子、野菜、日用品、雑誌なども売る貴重な店なのだ。ジャムは壁一面に並んでいる。ルバーブ、いちじく、ミラベル、クエッチ、グロゼイユ、フランボワーズなどの果物のシンプルなジャムから、それらを組み合わせたもの、アルザスのワインで煮込んだもの、スパイスを効かせたもの、さらに玉葱や人参といった野菜のものまで。値段はほとんどが33FF(赤いキャップ)で、一部43FF(緑のキャップ)のものがある。アルザスの瑞々しいフルーツを使い、新しい感覚で作るジャムの名声は日本にも伝わっている。パリではジャン・ポール・エヴァン、ボン・マルシェ、ラファイエット・グルメなどで購入できる。クグロフ、タルト類も素朴で深い味わい。(2001/5/19)

●ミュールーズMulhouse


コルマールの南45km、スイスとドイツの国境の近くにあり、ストラスブールに次いでアルザス地方で2番目の規模を持つ。18世紀に繊維産業を確立して以来、工業都市として発展してきた。工業技術の粋を集めた博物館(鉄道、自動車)が点在する。お菓子的には、某有名日本人パティシエが研修した名店「ジャック」がある。

アクセス
ストラスブールから電車で1時間。コルマールから30分。飛行機を利用する場合は、スイスとの国境にあるバーゼル(フランス語ではBale)空港からリムジンバスあり。

お菓子屋さん
□Jacques:ジャック
本店:50 avenue d'Altkirch, 68100 Mulhouse Tel:03.89.44.27.32
支店:1, place de la Reunion, 68100 Mulhouse Tel:03.89.66.45.46
□サロン・ド・テ「le mozart」
25, place de la Reunion, 68100 Mulhouse Tel:03.89.66.48.48
オーナーシェフのジェラール・バンヴァルト氏は、フランスを中心とした高級菓子店の協会「ルレ・デセール」の会長も務めた人物。ホールのタルトや焼きたてのヴィエノワズリー、キッシュなど。フェルベールさんのジャムもある。バターは全てエシレ、クリームは農家から直送、アーモンドは2種類のスペイン産のものを店でローストして、マジパンまで作っているとか。(2001/5/20)

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