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【フランスおいしい旅ガイド】ピカルディの都市別食べ歩き方

美食の国フランス。フランスの各地方には、その風土を活かした料理や伝統的なお菓子があります。フランスを20の地方に分けてそれぞれの特徴をご紹介します。今回はピカルディ地方です。

ピカルディPicardie

フランス北部、広大な台地の地方。英仏両王家による争奪が百年戦争の間中続き、1482年にフランス王国領となった。砂糖大根と麦の栽培で有名。野菜の宝庫でもあり、豆類や多種類のキャベツ、カボチャ、西洋ゴボウなどがとれる。しかし、1番はジャガイモ。モンディエという町では毎年、ジャガイモをフランス市民に普及させた薬剤師で農学者のパルマンティエにちなんで、パルマンティエ祭が開かれる。湿地帯が多く、網の目状に走る水路とか堀、ソンム川とその支流のおかげで、水鳥が多く渡ってくる。運河沿いや船上では、農作物などを売る水上マーケットも開かれる。シードルとビールを常飲する。

*ピカルディ地域圏は、2016年にノール=パ・ド・カレ地域圏と合併しオー=ド=フランス地域圏となっている。

データ
県名:ソンムSomme、オワーズOise、エーヌAisne
旧地方名:ピカルディ Picardie
主要都市:アミアン Amiens

おすすめのお土産
アミアンのマカロン

特産品
○ピカルディ風マスタードMoutarde Picarde
粉末にしてシードルヴィネガー、ワインを合わせたリンゴの香りのする辛くないマスタード。

■都市別ガイド

パリからアミアンまでは所要約1時間。週末の1泊旅行におすすめの地。見どころはフランス最大の大聖堂。お菓子はアミアンのマカロン。

●アミアンAmiens


アミアンは、パリの北130kmにあり、ピカルディ地方の首都。大聖堂と大学のある町で、落ち着いた趣が特徴。17世紀から繊維産業が盛んで、ビロードの産地としても有名。

アクセス
パリ北駅から急行で約1時間10分。

モデルコース
オルティヨナージュ→大聖堂→お菓子屋さん(所要半日)

観光スポット
□ノートルダム大聖堂Cathedrale Notre-Dame
ユネスコ世界遺産の13世紀の大聖堂。1220年に着工され、わずか68年で完成。外観には初期のゴシック様式が見られる。フランス最大の規模を誇る身廊は42.5m。正面は聖書を彫刻で表現している。ステンドグラスは18世紀のもの。内部はバロックの装飾。16世紀に造られたフランボワイヤン様式のバラ窓も必見。聖堂内の樫材の聖歌隊席には聖書や神話の登場人物、当時の色々な職業の人々など4000人の彫刻がしてあり、パン屋さんもいる。夜間照明は6月16日から9月30日まで毎日行われる。音楽を流しながら、大聖堂の正面に色のついた照明を当て、建設当初の姿を再現しているのだとか。これを目当てに集まってくる観光客も多い。

□オルティヨナージュHortillonnages(湿地栽培園)
ソンム川沿いにある湿地畑で、中世と同じピカルディ地方独特の栽培法で、野菜や果物、花等を栽培している。ここを水路を使って舟で観光できる。所要約1時間。

お菓子屋さん
□Jean Trogneux:ジャン・トロニュー
1, rue Delambre, 80000 Amiens Tel: 03.22.71.17.17
お菓子屋さん兼お土産屋さん。工場製マカロンあり。1個3.3FF。アーモンド、砂糖、ハチミツ、卵白、甘いアーモンドのオイル、苦いアーモンドのエッセンスを混ぜて作る。(2001/8/29)

□Douceurs & Gourmandises:ドゥースー・エ・グルマンディズ
7, rue Henri IV, 80000 Amiens Tel: 03.22.91.24.23
自家製マカロンは6個21FF。1つずつ包んであるもの(日持ちする)は23.4FF。箱入りもある。チョコレートがけしてあるものは6個で30FF。チョコレートのチュイルもこちらのスペシャリテ。マカロンは、パート・ダマンドベース。この店で聞いた作り方は、アーモンドパウダー、砂糖を半々混ぜ、卵白を加え、ハチミツ、アプリコットのジュレ、リンゴのジュレなどを混ぜる、というもの。賞味期限は1ヶ月以内。作りたてを試食させてくれたが、ふわっとアーモンドが香ってこうばしい。ミニサイズもある。(2001/8/30)

グルメスポット
□Les Halles du Beffroi:レ・アール・デュ・ベフロワ
80000 Amiens Tel: 03.22.91.70.46
常設マルシェ。ガトー・バチュ大(400g)39FF、小26FF。ガトー・バチュは小麦粉、塩、卵黄、イースト、砂糖、バター、牛乳で作る。縦長のブリオッシュで、上部が平らな形が特徴。味はふわふわの甘味の少ないカステラのようで、酸っぱいような発酵臭がした。(2001/8/29)

□Etablissements Dubois:エタブリスモン・デュボワ
17, rue de Metz, 80000 Amiens Tel: 03.22.91.32.60
マルシェの向かいの道具屋さん。ガトー・バチュの型がある。(2001/8/29)
*ガトー・バチュの製造元Francis Freoille
rue de l'Eglise, 80132 Quesnou-le-Montant Tel: 03.22.24.13.43

レストラン
□Le T'chiot Zinc
18, rue de Noyon, 80000 Amiens Tel: 03.22.91.43.79
郷土料理の店。(2001/8/29)

●ボーヴェBeauvais


パリの北北西76km。ボーヴェは2000年の歴史を誇る古い町。

観光スポット
□サン・ピエール大聖堂(Cathedrale St.Pierre)
この大聖堂は1277年に建設が始まったが、身廊がつくられないまま現在に至っている。13世紀ゴシック。天井の高さは48m。16世紀のステンドグラスは色使いがすばらしい。

お菓子屋さん
□M.C.Locquet:エム・セー・ロケット
27, place Jeanne Hachette, 60000 Beauvais Tel: 03.44.48.16.08
お菓子屋兼サロン・ド・テ。ボーヴェの石畳チョコレート、チュイル・ド・ボーヴェTuiles de Beauvais、マカロン・ピカルドMacaron Picard:見た目はアミアンのものとほとんど同じ)など。(2001/8/30)

□A la Petite Marraine:ア・ラ・プティット・マレーヌ
29, place Jeanne Hachette, 60000 Beauvais Tel: 03.44.45.08.81
1903年創業のボーヴェで1番古いお菓子屋さん。スペシャリテはLes Bellovaquesという中にチェリーが入ったチョコレートボンボン。(2001/8/30)

●シャンティイChantilly


パリの北方約42km、ノネット川の水をひいて造られた人工池に浮かぶルネサンス様式のシャンティイ城には、17世紀にはモリエールやラシーヌなど多くの文豪が集まってきた。競馬場と豪華な厩舎、貴重な美術品が展示された美術館など見どころが多い。が、食べ歩きの目的はただひとつ、このお城が発祥の地といわれているクレーム・シャンティイを食べること。

アクセス
パリ北駅から電車で約30分、RERで45分。

モデルコース
10:28パリ北駅発→11:11シャンティイ駅着
14:10シャンティイ駅発→14:53パリ着(所要1日)

観光スポット
□Château de Chantilly:シャンティイ城
ルネサンス様式の川の水をひいて造られた人工池の上に浮かぶ美しい城館。シャンティイの森は、かつて王家の狩猟場だった。「グラン・シャトー」と「プチ・シャトー」の2つから成り、フランス式庭園とイギリス庭園の2つの庭園を持つ。現在この城は、コンデ公美術館として絵画ギャラリーや大広間を公開している。

クレーム・シャンテイィが食べられるのは、お城のレストラン「キャピテヌリー」と庭にあるカントリーレストラン「アモー」。

レストラン
□Hameau:アモー
農村の疑似集落アモーにある水車小屋のような建物。ピカルディ地方の料理も食べられるレストランカフェ。クープは、ほのかな酸味とバニラの香りがするクリーム。ソフトクリームのようなひんやりとしたクリーミーな食感。添えてあるシガレットと相性が良い。(2003/10/31)

□Capitainerie:キャピテヌリー
お城の中のレストラン。前菜とデザートとコーヒーのセットがある。ミルクの香りがするクリーム。ふわふわした軽い食感。小屋に比べて甘さも控えめ。(2003/10/31)

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