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MIU404 第5話  


 日本人店員が勤務するコンビニを狙った強盗事件が同時発生する。伊吹(綾野剛)と志摩(星野源)は、現場周辺の店舗でコンビニ店員に扮して張り込みを行うが、なんと、その店舗も強盗に襲われてしまう。さらに付近の店舗も次々と強盗に襲われるが、マークしていた捜査員によって一斉に確保される。犯人は外国人で、その大半が低賃金で労働する元技能実習生だった。
伊吹と志摩も同様に犯人を捕まえるが、二人に仕事を教えた留学生のマイ(フォンチー)が勤務する別店舗では、犯人を取り逃がしていた。その一件が発端で、マイに共犯の容疑がかかってしまう。伊吹と志摩は、マイの関係者から話を聞くために彼女が通う日本語学校の事務員・水森(渡辺大知)を訪ねるが…
そんな中、伊吹は恩師であり元刑事の蒲郡(小日向文世)に会いに行く。今は外国人支援センターで働く蒲郡から外国人労働者の実態を知った伊吹は、思わぬところから事件の真相に迫ることになるのだが…(以上、公式サイトから。)
 
 
タイトルの話。「夢の島」。日本を目指す外国人にとっては、ジャパニーズドリームを実現できる日本列島のことだと思われる。一方、日本人としては、東京にある、ゴミを埋め立てて造られた人工島の名前を思い出す。(小学校で習った!)
 
 ベトナム人の話。日本に住む外国人として、ベトナム人は中国人に次いで多いらしい。たしかに、コンビニやお店でベトナム人らしい人を見かけることは多いし、田舎に行くと工場や漁協の近くでチャリをこぐ一団とすれ違って、技能実習生かな、と思うこともある。雑誌の記事かなんかで、ベトナム人ギャングの記事を読んだこともあった。彼らは恐喝などの犯罪をやらかしてたまにニュースに出ているけれど、「日本人に迷惑はかけないようにしている」という。本当に「迷惑がかかっていない」かどうかは置いておいて、同じベトナム人をターゲットにしているということらしい。自分が不法滞在であれば警察沙汰は避けたいし、被害者も同じ事情であれば向こうも届け出ないので好都合なのだろう。記事を読んで、ベトナム人をターゲットにした犯罪集団が成り立つほど彼らのコミュニティが大きいことに驚いた記憶がある。
 劇中で「日本は世界4位の移民大国」というようなセリフがあった。実際にそういった統計データがあるらしい。体感としては、欧米諸国やらと比べて移民が多いイメージはなかったけれど、それは彼らが表に出てきていないからだという。居酒屋やコンビニの店員として働き、日本語でコミュニケーションをとりながらオペレーションをこなせるのはごく一握りのエリートだけ。残りは工場や一次産業など、普段目に触れないところで働いている。そういえば、地元では最近ホテルが次々に建っていたけれど、その清掃は多くが外国人だと聞いたことがある。あとは通販なんかでお世話になってる倉庫のピッカーとか。
(ちなみに、個人的に欧米には移民が多いイメージがあったけれど、なんとなく人種が入り乱れた絵面を想像していたからかもしれない。彼らは国籍を取得していたり2世3世だったりして、もはや移民ではなかったりするのかな。)
 そう。ルールを破ってこっそりバイトを掛け持ちしながら母国に送金したり、ギリギリの生活を送っている彼らの姿は「見えない」ようになっている。「数字が取れない」からテレビも取り上げないし、なかなか気づかないけれど、「朝5時の店頭に弁当を並べ」、「便利な生活を安く手に入れる」ことができる今の生活は、もはや彼らの存在なしには成り立たない。今回のタイトル、埋められたゴミの上に立つ、「夢の島」。見えない、もっといえば「見たくない」犠牲の上に成り立つ日本のことか。強烈なネーミングだった。
 強盗との関係を疑われてクビになるマイ。「うちの奥さんがね、怖がってしまって。」と店長。「女性の隊長を面白く思っていない奴は未だに多い」と陣馬。「何を恐れてるんだろうね、ただここにいて働いているだけなのに」と桔梗隊長。「ただそこにいて働いているだけ」の人間を、きちんと見て、きちんと向き合って受け入れない限り、ダイバーシティからは程遠い国のまま、ということなのかな。ちなみに、夢の島のスポーツ施設は、東京オリンピックの競技会場になっている。
 
気になったこと。
・結局水森は何をしたかったんだろう。借金を返したいのはわかるけど、ベトナム人を巻き込んでコミュニティを追いつめることをわざわざ選んだ理由がよくわからなかった。
 
 

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