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非腐女子の一般人が、ボーイズラブものの二次創作同人誌を読んでみた。

先日、十年来の友人から突然「実は腐女子だった」というカミングアウトを受けた。
わたしと言えば、深夜アニメにも少年漫画にもいまひとつ興味がないので、ボーイズラブものの二次創作同人誌というのは未知の世界。男性向けの同人誌であれば、過去に何度も目にする機会があったのだけれど。
そんなわたしが勧められるがままに三十冊ほどの同人誌に目を通したので、一般人が二次創作モノのボーイズラブ同人誌を読んだときの感想を書いてみる。※一部に性器の表現があるので閲覧ご注意ください。

版元の作画に近づけようという意欲を感じる

男性向けの同人誌では、女性キャラクターがとてつもない巨乳に描かれるなど、版元の作風をあまり意識せずにデフォルメされる傾向が強いように感じる。ある意味、作者のカラーが出ているというか、オリジナリティが高いというか。
一方でBLものの同人誌では、原作絵をかなり意識した作風が多いように見えた。もちろん、作者ごとに個性はあるのだろうけれど、わたしのような素人が見ると、二次創作なのか公式絵なのかわからなくなるほどよく近づけている。

作品のストーリーを踏襲

「実はあのとき、このキャラクターの心境はこうだった」といった切り口で描かれることが多く、版元となった作品のストーリーをかなり踏襲している傾向が強いように感じた。
なかには「このストーリーは何話で描かれなかった部分という設定です」といった注釈が入っているものも。
そのため、元ネタを知らないと話がまったく見えてこない。元ネタをよく知る人ならば「なるほどそうだったのか…!」と思えるようなものなのかも。

心理描写が多く、イヤラシさは控えめ

絡みのシーンでも心理描写が多く、性描写はティーンズ向けのエッチな本と同程度といった印象。18禁じゃないやつ。性描写に割くページも少なめ。
男性向けの同人誌では、「女性キャラが電車で痴漢される」などキャラクターを活かした性描写が多く見られるのに対し、BLものの同人誌では「あのストーリーの裏でこんな葛藤があって実は愛し合っていたふたり」といったストーリーを活かした性描写が多いように感じた。

男性器のサイズがリアル

男性向けのアダルト本では、男性器が「いやいやその大きさはねえよ」なサイズで誇張されることが多いのに対し、男性器のサイズが割とリアルだったのも印象的。「そうそう、現実のオトコってこれぐらいだよね!」と感心してしまった。攻める男の子と受ける男の子で、サイズが違うのも目についた。受ける男の子は小さいことが多いのね。

原作を読んでみたくなった

今回、シリアスなものからコメディ色が強いものまで、元ネタ八作品・三十作あまりの同人誌に目を通した。
男の子同士というところに抵抗を感じるかと思いきや、版元の作品によく似せたうつくしいイラストと、惹きこまれる心理描写のトラップで、まるで少女マンガを読んでいるような感覚に。
それがたとえオッサン同士の絡みみたいな作品でも、切なくなったり、キュンとしたりする感覚は、まさに少女マンガ。
兎にも角にも、BL同人誌にチラつく本筋のストーリーが気になり、原作と合わせて読んでみたくなった。いま読んだら確実に、フィルターをかけてキャラクターを見てしまうに違いないのだけれど。

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