『ギルガメシュ王ものがたり』から読み盗った3つのこと
みなさん、こんにちは。
今回は、出口治明 著『教養は児童書で学べ』で紹介されている『ギルガメシュ王ものがたり』から読み盗りました。(「能動的な読書」を目指しておりますので、「読み盗(と)る」というアグレッシブな言葉を使わせてもらっています。)
では、本書の概要と読み盗った3つのことを書いていきます。
本書の概要
最強の男が二人登場します。宮本武蔵のような孤高かつ最強の王 ギルガメシュ、ターザンのような温厚かつ最強のナチュラリスト エンキドゥです。彼ら最強の二人を心優しき歌姫 シャマトが仲立ちして物語は進んでいきます。
物語の序盤では、ギルガメシュもエンキドゥも「人間の優しさ」を知りませんでした。しかし、エンキドゥはシャマトと出会い「人間の優しさ」を知り、ギルガメシュと闘うことになります。死闘の末、転落しかけたギルガメシュをエンキドゥが助けます。
そして、ギルガメシュは初めて「人間の優しさ」を知ることになります。
本書は最強の男たちの胸アツ友情物語です。
では、『ギルガメシュ王ものがたり』から読み盗った3つのことを書いていきます。
まず1つ目は、
①書くことの原点
です。
この物語の舞台は、古代の発明王国 メソポタミアで、世界最古の物語と言われています、巻末の文を引用します。
メソポタミアに住んでいた人々は、いろいろな発明をしました。灌漑、車輪、最初の法典、60分を1時間とすることなどです。なかでも、もっとも重要な発明は、書くことでした。
古代最高の発明が「書くこと」で、「書くこと」について書いている今にロマンを感じます。
また、訳者のあとがきには
多くの人が研究をし、解釈を加え、想像力をはたらかせて、物語を再構成してきました。この絵本『ギルガメシュ王ものがたり』の作者もそのひとりです。
と記されています。
数えきれない人の読み書きの跡から、書くことの原点 を読み盗りました。
続いて2つ目は、
②友達は幸せを呼ぶ
ということです。
冒頭にギルガメシュの人物像が描かれています。
ギルガメシュは、大きく、つよく、なんでももっていましたが、しあわせではありませんでした。友だちがいなかったからです。
「友達がいないから幸せではない」というのは言い過ぎな気がしますが、友達は大切だと思います。精神科医 樺沢紫苑(かばさわしおん) さんの動画をシェアします。
孤独は不幸を招き、友達は幸せを呼ぶ と読み盗りました。
最後の3つ目は、
③いい絵本は視覚をフル活用させる
ということです。
全体をとおして洗練されたデザインに感動しました。
・細部まで工夫された描写
・臨場感のあるコマ割り
・統一感のある配色
ラクダだけが唯一涙を流していたり、ギルガメシュたちが米粒のように小さく描かれていたり、像の設置前後を描くことで時間経過を表現したり、と本当に細部まで緻密にデザインされています。ぜひお手に取って確認していただきたい、おすすめの本です。
いい絵本は視覚をフル活用させること を読み盗りました。
まとめ
『ギルガメシュ王ものがたり』から読み盗った3つのこと
① 書くことの原点(数えきれない人の読み書きがあって今があること)
② 孤独は不幸を招き、友達は幸せを呼ぶこと
③ いい絵本は視覚をフル活用させること
次回は『モモ』(ミヒャエル・エンデ/大島かおり 訳) から読み盗ってみます。
最後までお付き合いいただいて
ありがとうございました。
では、またです。
貴重なお時間をありがとうございます。よき時間となりますように。