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【へ】へのへのもへじと弁当とヘレン

五十音一文字ずつから三つの言葉を選び、自分語りをしています(五十音ブログ)

絵描き歌もアート

テーマにしている安野光雅さんの『あいうえおの絵本』の“へ”の絵、へのへのもへじ…。

絵描き歌といえば、昨年、大好きな日本橋のギャラリー“Art Mall”さんで『つるさんはまるまるむし』という詩画集と出会い、家に連れて帰ったのだった。

Art Mall さんでは、伺うと必ずわくわくする出会いがある。
その中でも、特にご縁があるもの、惹き寄せられたものは、家に来てもらう。年に一点か二点だけなのだが、すごく満たされた気持ちになる。

たとえば、2018年に出会ったちびロボもそう。

写真を見ているだけで、あの時のワクワクが蘇ってくる。幸せな時間だった。

こんな時だからこそ、作家さんもギャラリーも今まで以上に応援したいな。

応援は、するのもされるのも好き

私はいくつか自分のテーマと決めている言葉があるが、その一つが「応援」である。

応援してもらったことのほうが多いかな。

身近な、しかも大きな応援としては、私が最も苦手とする料理を、長男が引き受けてくれたことだろうか。

高校に入ってしばらくしたら、お弁当を自分で作ると言い出した長男。料理好きなので、安心してお願いした。

初めて自作の弁当を持っていったら、友だちから「今日のお前の弁当は、弁当らしい弁当だなぁ」と言われたとドヤ顔で帰ってきた。
これまでの弁当がどうだったかはさておき、朝から大学いもを揚げるなんて感心する。いろいろ工夫しながら卒業まで欠かさず作っていた。

大学卒業後、就職浪人していたころは、家族の食事を一手に引き受けてくれて本当に助けられた。

裁縫は長女、買い物は二男と、うまく回してくれたおかげで、私は楽に仕事が続けられたと感謝している。
最近は、末っ子が美味しい料理を作ってくれるようになった。ありがたいことだ。

お茶だけは、自分で淹れるようになってきたので、私も少しは進歩してはいるんだけどね(何のアピールだ)。

Helen Wheels

お茶を飲みながら頭の中に浮かぶのは、不思議と今日の予定ではなく、これからのことや今までのこと。
特に、こんなゆっくりした朝は、昔々の淡い恋心を思い出す。

タイトルに入っている『ヘレン』って何だろう?と思ってくれた人はいるだろうか。

五十音ブログでは毎回有名人やキャラクターの名前を入れているが、今回は違う。ポール・マッカートニーが歌うヘレンは車の名前だ。

私が中学3年のとき、ビートルズが好きな友人たちとイングリッシュネームなんてものを付けて遊んでいた。サリーやミシェル、モーリー、、、私はおこがましくもポールの奥さんの“リンダ”を名乗っていた。

小学校のころから思い続けていた男の子をヘレンと呼んだ。ポールの『Helen Wheels』のヘレン。邦題は『愛しのヘレン』である。

自分から告白してはいなかったが、告白していたようなものだったんだなぁと今は思う。愛しの…、なんだから、それ以外は考えにくい。

それでも私は、自分の恋心はうまく隠して仲の良い友だちでいると思っていた。

ただ純粋に、楽しそうにしている姿を見られれば私も嬉しかった。笑顔で語りかけられると、音が聞こえてしまうのではないかと思うほど胸がドキドキした。

ある日、帰り際に右手を出されて、それが握手を意味しているんだと気づいたとき、頭が真っ白になった。
家に帰ってから「手を洗わない宣言」をした私を、母は微笑ましく見ていただろう。母の表情を見る余裕なんてまるでなかったから分からないけれど。

あんなに素敵な握手は、後にも先にもあの時一度きりである。

今でも同期会などでヘレンの姿を見ると少し胸がキュンとして、少し緊張する。だけどこうして文字に起こせるのは、それが大切な思い出として、きちんと昇華出来ているからだと思う。

無垢な気持ちを抱いていた私を思い出すことはあっても、過去に戻りたいとは思わない。
過去を解き放った私は、こんなにも自由なのだから。

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