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松本で見る真夏の夢『空中キャバレー』

2年に一度まつもと市民芸術館で開催される『空中キャバレー』。

参加型エンターテイメントショー、演劇と音楽とサーカスの個性が融合したライブパフォーマンスなどの言葉で称されているが、この空間の魅力は実際に体験しないと分からない。石丸幹二さんがゲストに出た2013年がきっかけだったが、すっかり虜になり2017年、2019年と松本に来ている。

劇場内のマルシェでは、街のお店が多数出店し、食べ物や飲み物だけでなく、アクセサリーや雑貨などを販売している。劇場を出ても街中のあちらこちらのカフェでコラボメニューが用意されていて、まさに街ぐるみで楽しんでいるのが分かる。

いいよ松本! 好きだぜ松本!!
《注》地名です。個人名ではありません。

2013年

搬入口からの入場というところから、常識をくつがえされてドキドキする。マルシェを楽しみ会場に入ると客席数が少ない。ほとんどは広いステージにそのまま座るのだ。

参加型というより、一体化といったほうがしっくりくるパフォーマンス。あっという間に非日常の世界へ誘われる演劇体験。目の前で行われる綱渡り、頭上で揺れる空中ブランコ。アコーディオ二スト cobaさんの素晴らしい演奏&これまた素晴らしい生バンド。

お目当ての石丸幹二さんは『思い出を売る男』で、歌だけでなくサックスも披露。他の芝居でも大活躍。

世の中にこんなに楽しいことがあるだろうかと思うほど楽しい楽しい時間を過ごした。
日帰りで帰る予定を変更して、急きょ安宿を取り翌日も観ることにしたほどだ。

2017年

2017年のゲストは吉野圭吾さんと劇団新感線の高田聖子さん。圭吾さんとは2回もハイタッチできたうえに、目の前に転がられてしっかり目が合うなんて!
ゲキシネではお馴染みの高田聖子さんを生で観るのは初めて。とにかく存在感すごすぎ!
その場の空気を全部持っていっちゃうのに孤立しないってどういうこと!?

マニアックに嬉しかったのは、大好きな片岡正二郎さんにダンスの輪に誘ってもらったこと。座っている私の両手を正二郎さんが掴んで立ち上がらせてくれた。キュン。

2019年

2019年のゲストはまたまた石丸幹二さん。会場前に設けられたマルシェでクッキーを売っている。怖い雰囲気の化粧に口調も荒く、近寄りがたいオーラを放ってはいるものの、人に囲まれてあっという間に売り切れてしまう。そりゃあ手ずから物が買える機会なんて無いから。

2013年と違って2019年は幹二さんのお芝居は無かったが、間近で歌を聴かせてもらった。松本が好きという気持ちが込められた歌。

『k.テンペスト』で拝見した役者さん方も流石の演技と存在感で、まるでお伽話の中にいるような気がしてくる。特に藤木孝さんが素敵だった。2020年に亡くなられたのが残念でたまらない。

サーカスも端から端まで魅力的で、言葉に詰まるほどだ。と言いながら、開場前に前に並んでいた70代の奥様が「初めて」とおっしゃるので、30分くらい魅力を語ってしまった私なのだが(しかも、これから観るというのに‥)。

演出の串田和美さんは魔法使いのような人で、この人の手にかかると目の前の何気ないものがキラキラと輝き出す。何の力みもなく、老若男女問わず楽しみたい人はみんな楽しもう〜と気楽に仲間に入れてくれる感じだ。枯れたセクシーさもたまらない。

あ〜〜
好きなものがあるって幸せ〜〜

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