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📷📄: 熱帯雨林ジャングルでの撮影で注意すること

蝶の撮影で東南アジアの森やジャングル等で蝶の撮影をしたことがある。

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その時に起こった諸問題を掲示したい。

と言っても、海外における森やジャングルに類する場所での撮影はそれほど多くは無い。出来れば入りたくは無いのが本音。

台湾、マレーシア、インドネシア、インド、タイ、ベトナム、カンボジア等での撮影をしてきたが、森や密林に入らなければ撮影できない蝶もいるので是非無く密林に入る事がある。

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特に熱帯雨林ジャングルでは日本と違って森に住む動物の種類も多い。そんな中でよくヘビの危険性が揚げられる。

しかし幸いなことにキータンはまだ一度もヘビに出くわしたことは無い。
日本よりも圧倒的に毒蛇の種類も多い。

昔、台湾にある蝶の採取者が行った時、多くの血清を持って行ったそうだが全種類の毒蛇に対応できる血清を用意出来なかった、と言っていた。
ヘビ毎に異なる血清が必要で、万が一毒蛇に噛まれた場合、ヘビの種類が判らないと対処が出来ないと言っていた。故に、噛んだヘビを捕らえて病院に持って行く必要があるのだとか。

最近ではネットでもポイズンリムーバーが販売されているのでキータンの場合はそれを2本ほど携帯していく。

実際に遭遇した事件で一番悩んだのは、ヒルである。
特にマレーシアやインドネシアのジャングルには多く生息し、いつの間にか皮膚に吸い付いている。

吸い付かれた瞬間は全く気がつかない。
ホテルに帰ってシャワーを浴びてから気がつくのである。

シャワーを使い始めて何気に流れていくお湯を見ると赤くなっている。
それで初めて自分のふくらはぎに2~3匹吸い付いているヒルに気がつくのである。

毎日ジャングルに入っていたので実に深刻な問題であった。それでまず、ヒルの習性をジャングルで観察した。

木立の下に落ちている沢山の枯れ葉の下にいる。
そこを棒でつつくと、ワラワラとすぐに2~3匹のヒルが姿を現す。つまり、隠れては居るけどそこら中ヒルだらけなのである。ジャグル内での木陰で腰を下ろしたものなら100%ヒルの餌食になる。腰を下ろしたい場合は、例えば河原の陽の当たる石の上などにするべきだ。

さらにやっかいな事に木の上からも落ちてくる。動くモノを感知して落ちてくるのか動物の二酸化炭素を感知して落ちてくるのかは知らないがとてもやっかいである。肩などに落ちて、首筋を狙うのだろう。

試行錯誤の末の対策は、地面から這い上がってくるヒルに関してはレインスパッツが有効なのが判った。高級なものでなく、単にゴムだけを使用した安価なもので十分である。雨対策として持って行ったのだが、ヒルにも有効だった。上から降ってくるヒルに関しては折りたたみ傘をさして歩いた。

この様な姿勢での撮影は困難を極めたが怠ると大変な事になる。

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次に、ダニである。
これは何とホテルの部屋のクローゼットの中にいた。ダニの付いた服を着てしばらくしたら胸の当たりでチクっとした痛みがあった。ごく僅かな痛みだったので単なる気のせいで済ましていて数時間後シャワーを浴びようと服を脱いだら胸に小豆大に大きくなったダニが1匹食いついていたことがあった。

決して安宿ではなかったが、ホテルのクローゼットやベッド等も虫除けスプレー等を使って対策をするべきだと思う。

タイでは蟻に攻撃されたことがある。たまたま撮影時に自分の立っていた足元にアリの巣があり、それでアリが這い上がってきて毒針で刺された。これがかなり強烈な痛みであり、片足がしばらく動かないくらいであった。
本来ならば同定の為数匹捕獲すべきなんだろうが、そんな余裕など無かった。

次に、襲われた、というよりか、最初見たとき自分が見たモノを信じられなかった事件があった。これはマレーシアのジャングルに隣接した自然公園での出来事であった。

ハイビスカスの花も咲き乱れ蜜を求めて蝶が来る。
それを狙って炎天下小さな池の畔でボーと佇んでいた。僅かに直径10メートル前後の池でスイレンの花なども咲いている。

かれこれ1時間近くも池の周囲で撮影し少し離れたベンチで池の方を眺めていた。すると水面が少し揺らいだ。次の瞬間、巨大な何かが出てきた。
連日の撮影で疲れているのかな、と瞬きをしてみたが・・・間違いなく、オオトカゲであった。体長は2mほどもあった。水からあがり、池の縁をノシノシと歩き遊歩道を越えて隣接するジャングルの中に消えていった。

慌てて撮影したが池から出た後であった・・

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こんな巨大なトカゲが白昼堂々とそこらへんを闊歩しているのである。
この手のオオトカゲは別の所でもみた。

ジャングルの中から車の走る公道に現れたのであった。
こちらは少し小さかったが、それでも1m以上はあった。このドラゴンのせいで車がストップしていた。

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さて、ジャングルと言っても場所が変われば危険の種類も変わる。

次の例は、カンボジアで遭遇したある場所の問題。

アンコールワットの遺跡は、正確には『遺跡群』であり、ジャングルの中にあちこち点在している。

そんな遺跡の内でも比較的遠方にある遺跡で、クバルスピア遺跡というのがある。川床に刻まれたレリーフのある変わった遺跡である。

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アンコールワットの遺跡が集中する場所からかなり距離がある。
キータンは、現地のバイクで引く三輪車みたいなのを往復20ドルでチャーターして片道1時間以上かかった。

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現地は、渓流沿いの道を登っていく山道なのであるが、途中の山の片側が進入禁止地域で黄色地に黒のドクロの看板があった。

つまり、まだ地雷除去がされてない場所なのであった。
実はこの周囲には多くの蝶が生息しており、特に渓流近くの砂地で給水をしている。立ち入り禁止地域を外して撮影をするわけだが、危険は伴う。

何年か前、既に地雷除去済地域を歩いていた日本人カメラマンが対人地雷の被害にあった、というニュースを読んだことがある。

映画のインディジョーンズは、アンコールワット周囲での撮影も行い、ハリウッドが鳴り物入りで地雷除去を行ったとされるが、まだまだ対人地雷が埋設されている場所が多く、被害に遭う人も少なくないと聞く。

あまり人の行かない様な地域にはできる限り入るべきでは無い。

時には、蝶の撮影も命がけである。


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