見出し画像

「摘便」を知らない? 便秘薬を飲み続けることで発生するリスク

こんにちは。腸セラピスト&日本腸セラピー協会代表の加藤です。腸セラピー専門サロンを営んで、約10年になります。

突然ですが「摘便」とは何かご存知でしょうか? 私は恥ずかしながら、ボディーワーク業界に何十年といるにもかかわらず、腸セラピストになってから、その言葉に初めて触れました。

ある日、当サロンにお越しくださったお客さんから「将来、母のように摘便を受けることは避けたいので、いまのうちに便秘薬から卒業したいと思います」

といわれ、「摘便」とはなんだろう?? とその時に初めて知りました。

便秘でお悩みの方が、将来、摘便を受けることがないようこの記事が参考になればと思います。

摘便とは何か?

摘便は、重度の便秘に対処するための医療行為で、医療従事者が直腸内に溜まった硬い便を直接手でかき出す処置を指します。

一般的な便秘治療(食事の改善、運動、薬物療法、浣腸など)が効果を示さない場合に実施されます。

摘便を必要とする人

  • 重度の便秘に悩む人
    長期間にわたり排便がない、または排便が極めて困難な人。

  • 身体的または神経的障害のある人
    身体的障害や神経障害が原因で自然な排便が難しい人。

  • 高齢者
    加齢により腸の運動能力が低下し、便秘になりやすい人。

  • 長期間の入院や活動不足の人
    長期のベッド上での生活や活動量の減少が原因で便秘になりやすい人。

上述したお客さんのお母さんとは、高齢者でしたが日常生活に問題はありませんでした。ただ、摘便を受けることになった背景は、便秘に対しての長期にわたり便秘薬を服用し続けてきたからでした。

便秘薬と摘便の関係性とは?

1. 耐性の形成

便秘薬を長期間連続して使用すると、薬への耐性が形成され、薬の効果が弱まる可能性があります。これにより、より強い薬または他の手段(例えば摘便)を必要とする状況になることがあります。

2. 腸の運動能力の低下

一部の便秘薬は、腸の運動を刺激して排便を促しますが、長期間の使用により、腸自体の自然な運動能力が低下する可能性があります。腸が正常に機能しなくなると、自力での排便が困難になり、摘便が必要になることがあります。

3. 依存性

長期間にわたる便秘薬の使用は、心理的、物理的依存を引き起こすことがあります。これにより、薬なしでの排便が難しくなり、便秘が慢性化する恐れがあります。

便秘薬を長期にわたり服用された方の腸

腸セラピストとして約10年間、毎日、人のお腹に触れておりますが、便秘薬を長期にわたり服用してきました、という方のお腹にも触れてきました。

そのような方の腸の状態は、触れてみると、まったく弾力がない弛緩しきってしまったようなゴムを連想させます。

当サロンでは、約9割ほどの方が便秘の症状が改善されますが、残念ながら、このように腸が弛緩してしまうと、改善はとても困難です。つまりお手上げ状態となってしまいます。(※私のセラピストとしての力量としては、ということです。)

予防するには?

摘便という状況を避けるためには、日常生活における便秘の予防が鍵となります。主な予防策は以下の通りです。

  • 食生活の改善:食物繊維が豊富な食事を心がけ、十分な水分を摂取することで、便の質を改善し排便を促します。

  • 定期的な運動:身体活動を増やすことで腸の運動を促し、便秘の予防につながります。

  • 適切な水分摂取:水分を十分に摂取することで、便を柔らかくし排便を容易にします。

  • 睡眠の改善:適切な睡眠時間の確保と、質の高い睡眠をとることは、腸の動きをよくするために不可欠です。

  • 便秘薬の適切な使用:医師の指示に従い、便秘薬を必要最小限にし、長期間の使用を避けることが重要です。

まとめ

生活習慣が健康の土台です。生活習慣の改善と適切な予防策を講じることで、摘便を含む重度の便秘治療を避けることができます。

便秘でお悩みの方へ、いまからでも遅くはありません。

生活習慣を見直すこと。便秘薬から距離を置くこと。

を心がけてみてくださいね。

……………………………………………

代表(著者)サロン

日本腸セラピー協会認定サロン




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?