展示「みちのく いとしい仏たち」

東京駅ステーションギャラリー 2024年2月12日まで、を滑り込み拝観。

公開終了直前も混雑していた

民間仏は廃仏毀釈の流れなどで残っているものが少ないらしいが、東北にはお寺などに残っている。厳しい自然や環境の中でその地域で祈りを捧げられ続けた、その仏それぞれに尊い物を感じた。
今回展示されていたのが美術品ではなくて日常の祈りの対象で、お寺や個人蔵だったりと、なかなか持ち出すことが難しい仏様もあると思われ、この展示で集められたのも珍しいことかと推測する。

荘厳だとか中央のしきたりやデザインの流行は仏にもあったはずだが、それとは異なる。ここに集まっていた民間仏は人々の縋り付くような日常の支えや祈りを形にしたもので、その時代の生活の厳しい環境を生きて信じたものの原点がある気がした。
形は荒く顔も素朴だったりするが「これはあたしらの信じる物」で、他と比べるもんじゃないというのも理由なのだろう。見せるものでもなく、個との向き合うものだったのだろう。

知らないことが多々あったので、珍しく図録を求めて読んでいるのだが、この展示は添えられた解説がとても理解しやすく読みやすい説明テキスト。ここまでわかりやすく読ませるのは難易度高い技術と思ったんだよね。また構成ごとのタイトルも、図録のデザインも素晴らしいものでした。(ちょっと「かわいい」が多用されてる気はしたが笑)

2023年2月

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