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「獣の国」第1幕 第27場(邂逅、そして)

邂逅、そして

■ 獣の延髄をナイフでえぐるイツァーク。

■ 獣の血がイツァークのゴーグルを汚す。



■ 遠くからの銃声に気付き、顔を上げるイツァーク。

■ 立ち上がり、イツァークは銃声がした方向を確認する。

■ イツァークが走り出す。





■ 立て続けに拳銃の引鉄ひきがねを引くレベッカ。

■ 銃弾は鉄格子の隙間を抜け、小部屋の外にいる獣たちの肉に穴を穿うがつが、獣にひるむ様子はない。



■ ジリジリと開け放たれた扉ににじり寄る獣たち。

■ 体を丸め横たわっている女をかばうように立ち、拳銃を構えるレベッカ。



■ レベッカは、獣たちから目は離さず、女に声を掛ける。

■ 小さな声で答える女。





■ 小部屋内にいた1匹の獣がレベッカに襲い掛かる。

引鉄ひきがねを引き、身体をよじるレベッカ。

■ 弾丸が獣の顔面に命中し、血飛沫ちしぶきがレベッカの身体を汚す。



うつぶせに倒れた獣は絶命している。

■ 全弾を撃ち尽くし、拳銃の遊底が開いている。

■ 獣たちが開いた扉から入り込もうと動き出す。



■ 拳銃の銃身側を握って鈍器のように構える、決死の表情のレベッカ。

■ 目を見開き、笑っているかのような獣たちの顔。





■ その時、突然の連射音、横からの銃弾が獣たちの体を揺らす。



■ 通路を走る人影。

■ 立ち止まり、両足を肩幅に開いて、腰だめに構えた短機関銃を連射する戦闘服姿の男。



■ 弾幕に押され、獣たちが小部屋の前から後退あとずさる。



■ ゴーグルにフェイスマスク、黒い戦闘服の胸には「C.G.C.」の赤い文字。

■ その男がイツァークであることに気付き、驚くレベッカ。



■ イツァークの黒い戦闘服は全身を切り裂かれ、至る所に血がにじんでいる。



■ イツァークは視線を向け、小部屋の中にレベッカともう1人の女、そして床に獣の死骸があることを確認する。

■ 小部屋の中に素早く入り込み、扉を閉めるイツァーク。





■ 小部屋の外の獣たちに向けて短機関銃を構えたまま、イツァークは身体を起こした女に顔を向ける。

■ イツァークは、拾ったペンダントヘッドを女に差し出す。



■ 目を見開く女。

■ 女がペンダントヘッドへ手を伸ばす。


■ 女は目を閉じ、ペンダントヘッドを胸の上で握り締める。



■ イツァークがレベッカに話し掛ける。

うなずくレベッカ。

■ イツァークは拳銃をレベッカに手渡す。



■ 短機関銃とナイフを手にするイツァーク。

■ 扉を開き、イツァークが外に出る。





■ 銃声を聞き付けたのか、あるいは血のにおいを嗅ぎ付けたのか、通路の奥の薄闇の中から次々と獣が現れる。



■ 1匹の獣がイツァークに襲い掛かる。

■ 短機関銃が火を吐き、獣の頭部から血が飛び散る。

■ レベッカに声を掛けるイツァーク。



■ 女を支えながら、走り出すレベッカ。

■ 逃げるレベッカたちを背に、イツァークは弾幕を張って獣たちを制しながら後退あとずさりしていく。





■ 細い横道に逃げ込むレベッカと女。

■ その横道をふさぐように立ちはだかるイツァーク。



■ 顔を少し横に向け、イツァークはレベッカに話し掛ける。

■ レベッカの顔が歪む。



■ 強い口調でレベッカを促すイツァーク。



■ 唇を噛み締めながら、レベッカは女を支えて横道の奥へと進んでいく。



■ 更に数が増えた獣たち、その1匹がイツァークに襲い掛かる。

■ 撃つイツァーク。

■ 銃弾は獣の側頭部を削るが、獣はまるで痛痒つうようを感じていないかのようにイツァークににじり寄る。



■ 全弾を撃ち尽くし、短機関銃の遊底が閉じている。

■ イツァークは銃把じゅうはから手を離し、短機関銃がごとりと床に落ちる。



■ ナイフを右手に持ち替え、顔の前に構えるイツァーク。

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