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レートパリティを保つためには。

レートパリティとは宿泊業界のレベニューマネジメントの概念の一つで、『価格の公平性』を意味します。各販売チャネルにおいて同じ宿泊プランの価格を同額になるよう揃える必要がある、ということです。

例えば、オンライン系旅行社へ価格設定をする場合、基本的に宿泊施設側ではレートパリティを保つため、同じプランの場合は価格が同料金で設定されているはずです。

パリティチェックといって、ライバル社の料金チェックを行い、オンライン系旅行社が『あっちのほうが安い』などと、クレームが入った場合、宿泊施設はペナルティを受けることもあります。

私は主に、AmazonとLINEマンガを利用して、漫画を読むのですが、ふと、漫画の販売サイトもレートパリティって保たれているのかなと疑問に思い、調べてみました。

『薬屋のひとりごと』
LINEマンガ:
話単位で3巻まで無料
単行本:1巻無料 価格:693円(コイン)

Amazon:kindle unlimited
単行本:1巻無料
単行本価格:693円

2社の比較だけでは何ともいえないところもありますが、意外とパリティ保たれているんですね。コインを大量に購入すると付与されたりするので、一概に比較はできませんが。

ちなみに今回は、LINEマンガの30%引きクーポンがあったので、LINEマンガで購入しました。

宿泊施設の話に戻ります。
漫画同様に、キャンペーンや期間限定商品など、旅行社ごとに実施しているイベントへの参画などがあり、特別料金を設定する場合はありますが、基本的には、食事付など、何か付帯するもの/ことがあるプラン以外は、価格差が出ることはありません。
以前に触れた、サイトコントローラーでの設定上も、各予約サイト別に、違うプランや価格設定をするのは非効率ですし、煩雑な設定では、施設側もどこにいくらで販売しているかを管理しきれません。

ではなぜ、比較サイトなどで価格差が生まれるのか。

これは付帯サービス(食事など)や、JTBなどの大手旅行社(以下、リアルエージェント)への契約料金、オンライン系旅行社も含め、代理店手数料、マークアップなどによるものだと考えます。また、これは宿泊施設側としてはやってもらいたくないのですが、客室の転売がされている場合もあります。

以前、ロサンゼルスの某ラグジュアリーホテルで、他のオンライン系旅行社は55,000円ほどで販売されていたのですが、某日系大手リアルエージェントのLA店のみ、38,000円ほどで販売されていたことがありました。これは予約が伸びたため、ホテル側がサイトコントローラー上で料金を上昇させたが、リアルエージェント側は提供客室に残があり、契約料金で継続販売をしたため、1社だけ格安になってしまったのでしょう。
このような場合は(リアルエージェントは嫌いますが)、価格は操作できないので、返室依頼を掛けて、リアルエージェントに渡している客室を返してもらいます。そうすれば、そのリアルエージェントの販売が在庫なしで止まるため、パリティが保たれます。

このように、宿泊施設側でパリティを守って設定をしていても、契約してる各社サイトの全ての日程の販売価格をチェックすることは不可能で、抑制することが非常に難しいという現状もあるのです。

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