見出し画像

【戦争のある日常】トンガでも活躍している衛星携帯



トンガで火山が噴火し、電話やインターネット回線をつないでいる海底ケーブルが切れてしまい、国外と連絡が遮断されてしまったというニュースを見たが、そこで衛星携帯が活躍しているようである。

この衛星携帯、僕もアフリカでフィールドに出張に行くときや任地が地方だった時は必ず衛星携帯を持って行った。基本的には電波が弱く、上に障害物がない状態で話さないといけないし、プリペイド式だったので色々準備が面倒なのだが、いざというときは本当に役に立つ。

一度出張の際、移動のためにボートで川下りをしていて、エンジンが破損し座礁してしまったことがある。

その時衛星携帯を持っていなかったので、川岸で携帯の電波を探して、ようやく見つかった弱い電波で助けを求めるのに苦労したことがあった。その時はコンサルタントだったので衛星携帯が与えられていなかったのだ、というより事務所がそこまでの危機管理をしていなかった。

夜中になってようやく助けが来たが、とても怖い思いをしたのを覚えている。

そんな経験もあり、プロジェクトオフィスのヘッドだった頃は誰であっても出張時は衛星携帯を持たせた。ちゃんと事前に電源を入れて使い方も丁寧に教えた。そうでないと、いざというとき意外と使えないのだ。見た目は携帯なので簡単そうだけど、緊急時に慣れていないと苦労したり電源やクレジットが切れていたりするのはよくある。

地方に行くと村と村の間は携帯が入らない時もあり、そういう場所で車が故障したりしたら大変なことになるし、村の中にいても、その村の電波塔の発電機(電気が通ってない所は発電機で電波塔を動かしている)が壊れたという単純な理由で数週間携帯の電波が入らなくなることもざらにある。発電機を直すために、村から大きな町へ行ってそこから技術者を送ってこなければいけないのだが、遠かったり使用者が少ないと後回しにされる。

こうなると、そこで戦争が始まったり、けがや病気になるなど一刻も早い連絡が必要な時にもあきらめるしかなくなってしまう。

現在、トンガにいる人は容易に連絡も取れないし、先行き不安で非常にストレスのたまる状態になると思う。こんな時衛星携帯がつながった時の嬉しさはとんでもないはず。

水や食糧の不足もこれから深刻になってくると思うので、速く交通・通信手段が復旧することを願う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?